ボッシュがグローバルNCAPのイニシアチブ「ストップ・ザ・クラッシュ」を支援
2015/12/03
・ボッシュのセーフティシステムは事故を防止し、その被害を低減
・ボッシュ取締役会メンバーのディルク・ホーアイゼル:「ボッシュの技術により、世界中の人命を救うことが可能に」
・WHOとグローバルNCAPはさらに広範囲で法的規制を適応させることを提唱
シュトゥットガルト(ドイツ)/ブラジリア(ブラジル) - グローバルNCAPによると、毎日世界で3,000人以上が交通事故で命を落としています。そうした死亡事故の原因は、特に新興成長市場においては、車両の装備が不十分で、乗員と歩行者が適切に守られていないことが原因である場合が少なくありません。ボッシュ取締役会メンバーのディルク・ホーアイゼル(Dirk Hoheisel)はこう述べています。「ボッシュはこれらの死亡事故を少しでも減らしたいと強く願っています。ボッシュの技術で世界中の人命を救うことができます」。そのため、ボッシュは消費者保護機関であるグローバル新車アセスメントプログラム(グローバルNCAP)のイニシアチブ「ストップ・ザ・クラッシュ」をサポートしています。このキャンペーンは、特に成長市場において、各種セーフティシステム(横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)、緊急ブレーキシステム、モーターサイクル用ABSなど)に関する認知度を高めることを目的としています。11月17~19日にブラジリアで開催されたこのイニシアチブのキックオフイベントでは、各種技術のデモンストレーション走行が行われ、その有効性について取り上げられました。また、「ストップ・ザ・クラッシュ」は、現在、世界で年間125万人に達する交通事故死亡者数を2020年までに半減するという国連の目標を達成できるよう支援しています。
長年にわたり、ボッシュは事故やケガのない運転をビジョンに掲げ、グローバル規模で革新的なテクノロジーとサービスを提供する企業として、すでに大きな成功を収めてきました。ボッシュが1995年に導入して以来、横滑り防止装置ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)は欧州全土で19万件の事故を未然に防ぎ、6,000人以上の人命を救っています。「ESCはシートベルトに次ぐ重要な車載向け安全システムですが、その重要性はエアバッグをしのぎます」(ホーアイゼル)。このESCを全ての車両に装備したと仮定した場合、横滑りによって発生する事故全体の最大80%が回避可能と考えられています。ボッシュは1995年以来、1億5,000万以上のESCシステムを製造してきました。
EU(欧州連合)では2014年11月1日以来、新車登録されたすべての乗用車と重量3.5トン以下の軽商用車において、ESCの装備が義務づけられています。そのため、すでに欧州全域ですべての乗用車と軽商用車の90%にESCが装備されています。ちなみに世界全土では、この数字は64%にすぎません。そこで、グローバルNCAPは国連加盟国(特に大きな自動車産業を擁する国々)に対し、2020年までに全新車でESCの装備を義務づけることを呼びかけているほか、世界保健機関(WHO)もESCの装備を義務化する法的規制を整えるよう呼びかけています。これが実現すると、世界中で多くの人命を救うことができます。欧州以外でも、この横滑り防止システムは現在、オーストラリア、カナダ、イスラエル、ニュージーランド、ロシア、韓国、日本、トルコや米国でも義務化されています。
ESCはまた、潜在的に危険な状況下(例:車線変更時、車線内走行を維持する際、あるいは障害物があった際に回避操作やブレーキングを行う場合など)でドライバーを支援するために介入する、多くのドライバー アシスタンス システムの技術的基礎となっています。特に歩行者や自転車が関係する場合は、追突が大きな被害をもたらします。しかし、自動緊急ブレーキシステムがあれば、こうした衝突を完全に回避可能、または、少なくとも衝撃の被害を著しく低減することができます。レーダーセンサーやビデオセンサーによって車両前方に潜在的な障害物を検知した場合には、まず緊急時のフルブレーキを作動できるようブレーキシステムの準備を整え、ドライバーに警告を発します。ドライバーが反応しなかった場合には、システムがパーシャルブレーキを作動させます。ドライバーがブレーキを踏むと、事故を防止するために、システムはすぐに制動力を増大させます。一方、ドライバーがパーシャルブレーキの作動に反応せず、衝突を回避することが不可能と判断した場合には、システムは自発的に緊急フルブレーキングをかけます。市街地で時速40 km/h以下であれば、ボッシュの緊急ブレーキシステムにより、停止している車両との衝突を完全に回避することができます。
ボッシュの事故調査によると、すべての車両に自動緊急ブレーキシステムが装備された場合、ドイツ国内だけで死亡や負傷を伴う全ての追突事故の最大72%を未然に防ぐことができると結論づけられています。ボッシュは、自動緊急ブレーキシステムを全ての車両クラスに提供しています。特に中距離レーダー(MRR)センサーは、コンパクトカーや小型車向けにコストパフォーマンスの優れたソリューションの基礎となります。2014年にドイツ国内で新車登録されたすべての乗用車のうち、この緊急ブレーキシステムが装備されていたのは4台に1台未満でした。米国では現在、大手自動車メーカーが自動緊急ブレーキシステムを車両に標準装備する方向で進んでいます。
1990年代中頃に早くも、ボッシュはライダーの安全性を高めるモーターサイクル用ABS(アンチロック ブレーキ システム)を開発しました。「このABSは、死亡や負傷につながる二輪車事故全体の4分の1を防止することが可能です」とホーアイゼルは述べています。そのため、今では多くの国々でこのセーフティシステムの装備を義務づける規制が整いつつあります。乗用車と同じく二輪車においても、ABSは急ブレーキ時に車輪がロックするのを防ぐことができます。これにより、ライダーは安心して、より大きな力でブレーキをかけることができるため、車両安定性が維持され、ライダーは転倒を回避することができます。ボッシュは、あらゆるタイプの二輪車に適したソリューションを用意しており、ABSのサイズと重量を最適化し、コストを抑えることで、すべての車両クラスや市場にABSテクノロジーを普及させたいと考えています。ここには、新興成長市場で人気のある、排気量250 cc以下の手頃な価格の二輪車も含まれます。
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