2015 年 10 月 31 日 オートポリス
予選 Q1:3 位通過 Q2:1 位


スーパーGT 第7戦 KYUSHU 300km レース予選レポート



冬到来を感じさせる寒さの中、10 月 31 日に第 7 戦オートポリスラウンドが開催されました。 10 月 6/7 日の2 日間に渡り行われたオートポリスでのテストでは、初日に高橋選手がマシンをクラッシュしたことで十分な走行データを採ることができず、マシンこそ復旧することはできましたが、一抹の不安が残る状況でした。 しかし午前9:00 ちょうどから始まった公式練習走行では No.2 シンティアム・アップル・ロータス(SGT EVORA)は順調にメニューを消化。開始早々に GT500 マシンのクラッシュによる赤旗中断に見舞われながらも、全 28周の周回をこなし、加藤寛規選手が 1 分 43 秒 776 で総合 2 番手のタイムを刻むなど(1 位との差は 0.077 秒)、予選に向けてさい先の良いスタートを切ることができました。

■予選 1 回目(Q1) 13:30 から開始された公式予選 1 回目は、練習走行で感触をつかんだ高橋一穂 選手がドライバーを担当しました。気温は 12℃、路面温度は 25 度。エンジンやタイヤにとって、これは非常によ いコンディションでした。 高橋選手は計測 4 周目までじっくりとタイヤを作りながらアタックし、ついに 5 周目、1 分 44 秒 159 というタイムで 3 番手に躍り出ます。その後もさらにタイムを縮めるべくアタックに入りましたが、コーナー が遅い FIA-GT マシンに行く手を阻まれこれを断念。しかし記録したタイムが十分に Q1 を突破できるものである ことをチームが確認し、高橋選手はピットに戻りました。これで高橋選手は今季初の Q1 突破。チームの宿願で ある、加藤選手による Q2 アタックを実現したのでした。

■予選 2 回目(Q2) 公式予選第 2 回目は 14:15 から 12 分間でスタートしました。 各車一斉にピット レーンを飛び出すなか、加藤選手は一呼吸おいてピットアウトし、クリアラップのための間隔を開けました。 そして 満を持してアタックした 3 周目、2 位に 0.8 秒以上差を付ける、1 分 43 秒 001 という素晴らしいタイムでトッ プに躍り出ました。 しかしライバルの No.31 TOYOTA PRIUS GT もすぐ後ろまで追いすがり、その差はなんと 1/1000 秒。これを見た加藤選手は再びアタックに入りましたが、惜しくも 1 分 43 秒 431 と記録更新はならず。 同様にライバルたちもこれ以上のタイムをだす余裕はなく、No.2 シンティアム・アップル・ロータスは今シーズン二 度目のポールポジションを激戦の末に勝ち取りました。またこれは加藤選手にとっても通算 12 回目のポールポジ ション獲得であり、スーパーGT の最多記録にもあとひとつまで迫るものとなりました。

スーパーGT 第7戦 KYUSHU 300km レース予選レポート


Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス

チーフエンジニア:渡邊信太郎

渡邊信太郎


「とてもスリリングな予選でしたね(笑)。高橋さんが 44 秒台を出し た走りは、今までのレースを振り返っても一番と言える内容でした。 また加藤選手は 42 秒台を出せる可能性が非常に高かったので、 そこはちょっとだけ悔しいですが、素晴らしい結果が得られて嬉しいで す。 前回のテストではクラッシュをしてしまったわけですが、少ないな がらも 35周くらいはマイレージを稼いでいるので、それが持ち込みセットを作る上ではとても役に立ちました。 決 勝に対しては、タイヤライフだけがデータを取れていないので心配ではありますが、積極的なチョイスをしているので、 楽しみにしていてください!」



ドライバー:加藤寛規選手
加藤寛規選手


「今日は高橋選手の走りが素晴らしかった! 僕については最多ポール の話もありますが、それよりも明日勝ちたい!という気持ちの方が強い です。今回はチームが作ってくれた持ち込みセットが非常によくて、今日 の練習走行でさらにこれを磨き上げることでポールポジションを獲ること ができました。 また今回のタイヤチョイスは、予選よりも決勝を狙ってい ます。気温さえ変な上がり方をしなければ、“レースに強い横浜タイヤ”をお見せすることができると思います。まず はスタートの 1 コーナーで抜かれないことが大切!ですね(笑)」



ドライバー:高橋一穂選手
高橋一穂選手


「公式練習走行ではクリアが取れず決定的なタイムは出なかったのです が、自分なりに行ける感触はありました。しかし行けようが行けまいが、 僕が行かないことにはレースにならないわけですよ(笑)。ですから Q1 は絶対自分が走るつもりでした。今回のような結果は出なかったにして も、ギリギリ通過する可能性はあったと思います。まだ予選の走りを振り 返っても、削れる部分は沢山あります。これを加藤選手ときちんと擦り合わせて、明日の決勝もしっかりと走るつ もりです。」