マツダ CX-8(現行型)▲マツダの最上位SUV、CX-8。ロードノイズや風騒音の低減など、フラッグシップらしく静粛性は高められている。オプションのトレーラーヒッチを装着すれば、750kg以下のキャンピングトレーラーなどをけん引することもできる

人気3列シートSUVのCX-8が過去最安に!

新車の納車遅れを背景に、今すぐ乗れる中古車の人気が高まり中古車価格が高騰していたのはご存じのとおり。それでも最近は少しずつ緩み始め、一部車種では下落傾向が見られるようになってきた。

それでも人気の高いSUVは、平均価格がなかなか下がらずほぼ横ばいで推移している。しかし、細かく見ていけばそんなSUVの中にも値落ちが進んでいるモデルもあるのだ。そのひとつが、2017年12月に販売が開始されたマツダ CX-8。

なんと今年(2023年)の1月から半年もたたないうちに、平均価格が約30万円もダウン! 5月には過去最安値を記録した。

3列シートを備えた希少な国産SUVが、どれくらいお手頃価格になってきたのか? 詳しく見ていこう。
 

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【中古車状況】半年もたたないうちに約30万円の大幅ダウン

早速、CX-8の中古車平均価格と中古車台数の推移を見てみよう。

前述のとおり、2023年に入り値落ちが加速しているCX-8。年初には平均315万円だったが、5月には286.7万円まで下落。実に30万円近くダウンと、10%近く安くなっている。

また、ここ1年でピークだった昨年11月と比べると、なんと約40万円も値落ちしているのだ。
 

CX-8のグラフ

一方で、中古車台数は2022年9月を底に、ぐんぐんと上昇。2023年2月以降は2000台以上をキープしている。
 

CX-8のグラフ

2つのグラフからも推測できるように、平均価格の下落理由は、中古車台数の増加によるところが大きそうだ。

CX-8の販売開始は2017年の年末である12月。そのため販売台数としては2018年式が多いのだが、それらがちょうど今年2回目(5年目)の車検を受けるタイミングのため、その前に「そろそろ次の車にしようか」と手放す人が出てきたということだろう。

また、そのタイミングで乗り替えたくなるように、マツダからは2022年9月にCX-60が、同年11月にはレクサス RXなどのライバルが登場したことも、一因としてあるかもしれない。

どちらも2列シートの5人乗りだが、CX-60はCX-8より全長が160mm短いものの高級感はCX-8にひけをとらないし、マニア受けする直列6気筒のディーゼルエンジンを搭載する。また、レクサス RXは全長がほぼCX-8と同じ(4890mm)で、高級感とハイブリッドシステム搭載という経済性も兼ね備えたSUVだ。

いずれにせよ、CX-8は中古車的に美味しくなってきている狙い目のSUVと言えるだろう。

では、今CX-8を中古で習うならどのような物件を選ぶべきか。マツダは年次で細かな改良をよく行うだけに、まずはCX-8のモデル概要を見てみよう。
 

 

【モデル概要】マツダの国内最上位のSUVらしい高級感のある作り込みが魅力

マツダ CX-8(現行型)▲全長約5065mmのCX-9に対し、CX-8は4900mmに縮められた。全幅も約1960mmから1840mmに抑えられている。またCX-60と比べると、全長はCX-8方が160mm長いが、全幅は50mm狭い

マツダの日本国内での最上位SUVがCX-8。同社の主に北米に向けたフラッグシップSUVであるCX-9を、日本の狭い道路事情にも合うようにダウンサイジングしたモデルだ。

3列シートを備えているだけでなく、国内最上位モデルらしく静粛性は高く、インテリアに高級感がある。

2列目シートがセパレートかベンチシートかの違いで6人乗りと7人乗りが設定されている。後ろにいくほど着座位置が高くなるスタジアム式レイアウトで、全員の開放感が確保され、3列目シートでも身長170cmの大人が十分過ごすことができる。
 

マツダ CX-8(現行型)▲2列目がキャプテンシートの6人仕様と、ベンチシート(写真)の7人仕様がある。写真は7人仕様(2.2Lディーゼル車のLパッケージの7人仕様は2018年6月より)

また、ラゲージ容量は3列使用時でゴルフバッグを2つ積める程度の239L、3列目を倒すとスーツケースを3つほど積める572L、2・3列を倒すと自転車を2台積載できるほどのスペースに拡大できる。
 

マツダ CX-8(現行型)▲スイッチひとつでリフトゲートを自動開閉できるパワーリフトゲートはXD Lパッケージに標準、XD プロアクティブにオプションで用意された(デビュー時)

販売が開始された2017年12月時点のパワートレインは2.2Lディーゼルターボ。これに6速ATが組み合わされた。2018年11月には2.5Lガソリンと、2.5Lガソリンターボの2つのエンジンが追加された。

駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WDの2種類。駆動方式を問わず、全車にコーナリング時の車両姿勢を制御して曲がりやすくしてくれる「G-ベクタリングコントロール」が標準装備されている。

また、衝突被害軽減ブレーキを含む同社の先進安全運転支援機能「アイ・アクティブセンス」は全車標準。さらに全車速追従機能付きACCや360度ビューモニター、アダプティブLEDヘッドライト(ハイ/ロービーム自動切替機能)、レーンキープアシストシステムなどはグレードによって標準またはオプションで設定されている。
 

マツダ CX-8(現行型)▲タッチパネル式のセンターディスプレイは、SDカードを使ってカーナビゲーション機能を利用することができる。前後席にフルオートエアコンが全車に、フロントディスプレイ機能やステアリングヒーターはXD LパッケージとXD プロアクティブに標準で装備されるなど快適機能も充実

マツダ車はたびたび改良が施されるのだが、CX-8も例に漏れず頻繁に改良が施されている。そのため、中古車を選ぶ際は注意が必要だ。

まず2018年11月の一部改良では、先述のとおり2.5Lガソリンと2.5Lガソリンターボエンジン搭載車が加えられた。併せて、「G-ベクタリングコントロール」が「G-ベクタリングコントロールプラス」へと進化。さらにドライバビリティが向上している。

続く2019年11月には、サブトランクの容量拡大や、雨音による騒音の低減などが施された。また、4WD車にはスタックから脱出しやすくなる機能(オフロードトラクションアシスト)が標準装備されているのが特徴だ。
 

マツダ CX-8(現行型)▲2019年11月に設定された特別仕様車のエクスクルーシブモードは、その後もカタログ上にラインナップされている。同モデルは2.2 XDと2.5Tをベースとした6人乗り仕様で、2列目にアームレスト付きコンソールや電動スライド&リクライニング機能、ベンチレーション機能を備えたキャプテンシートが備わる

2020年12月にはマイナーチェンジが行われ、エクステリアデザインが変更された。同時にセンターディスプレイのサイズが10.25インチへ拡大されている。さらに2.2Lディーゼルターボの出力向上などにより、加速感など走行性能が高められた。

2022年12月には大幅改良が行われ、デザインの変更やさらなる走行性能の向上が図られている。

原稿執筆時点でカーセンサーの掲載台数は約1630台。平均価格は約284万円、平均走行距離は約3.5万kmだ。

駆動方式別の掲載台数は、2WD:4WDの割合は約7:3と2WDが多い。

また乗車定員は6人乗り、7人乗りそれぞれ半々といった状況で、ニーズによって選びやすいのが嬉しい。

そして、2.2Lディーゼルターボ車(XD系)が8割以上を占めているのも特徴だ。

以上を踏まえ、今のオススメモデルを紹介しよう。
 

 

とにかく安く買いたいなら「2.2XDプロアクティブ」

マツダ CX-8(現行型)▲2.2XDプロアクティブの7人乗りの2列目シート。シートはブラックのクロス地となる

とにかく安く買いたいなら、オススメは「XDプロアクティブ」だ。2.2Lディーゼルターボ搭載車(XD系)はデビュー時から3グレード用意されていて、新車時の価格が安い順にXD、XDプロアクティブ、XD Lパッケージとなる。

普通に考えれば中古車でも素のXDの方が安いのだが、XDよりも圧倒的にXDプロアクティブの方が台数は多く、支払総額200万円以下を見ると、XDプロアクティブがずらりと並ぶ。 また、XDとの価格差もほとんどないため、選びやすさと装備の充実度から考え、XDプロアクティブをオススメしたいというわけだ。

プロアクティブには、全車速追従機能付きACC(マツダレーダークルーズコントロール)やアダプティブLEDヘッドライトなど、最上級グレードのLパッケージと同じ先進安全運転支援機能が備わる。また、XDのアルミホイールが17インチなのに対し、XDプロアクティブはLパッケージ同様19インチアルミホイールを履く(ただし、Lパッケージとはデザインが異なる)。

原稿執筆時点で2018年式なら、走行距離約9万kmで総額約170万円、走行距離約3万km未満でも総額約220万円から見つけることができる。
 

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コスパの高さを求めるなら装備充実の「2.2XD Lパッケージ」

マツダ CX-8(現行型)▲2.2XD Lパッケージの2列目シート。上質な本革で知られるナッパレザーが採用されている。色は写真の赤味の強いブラウンと、ホワイトがある。また、2列目専用のセンターコンソールが備わる

コストパフォーマンス重視で狙いたいなら、装備が充実している「XD Lパッケージ」がオススメだ。

LパッケージはXDプロアクティブに加えて、スイッチで自動開閉できるパワーリフトゲートやルーフレール、助手席電動シートが備わる。また、シート地が上質な本革であるナッパレザーとなり、それに合わせてインテリアの加飾も上質なものになるラグジュアリーなグレードだ。

原稿執筆時点で2018年式なら、走行距離約9万kmで総額約180万円、走行距離約3万km未満でも総額約220万円から見つけることができる。

XD Lパッケージのデビュー時の車両本体価格は約396万円と、XDプロアクティブより約40万円も高かったが、その差がほとんどなくなってきているのも嬉しい。また、中古車台数も上記XDプロアクティブとほぼ同じくらいあるので、探しやすいところもオススメの理由だ。
 

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文/ぴえいる、写真/尾形和美、マツダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

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