新型アルファード/ヴェルファイアが登場したけど、先代の中古車事情はどうなってる? 最新価格やオススメの選び方を解説!
2023/07/15
新型アルファード/ヴェルファイアは確かに魅力的だが、価格と納期が気になるところ
今年6月にトヨタ アルファードとヴェルファイアがフルモデルチェンジを受けてからというもの、車好き界隈は「アル・ヴェルの話題一色」とすら言えそうな状況になっています。
確かに、よりいっそうプレミアム度が増した新型アルファード/ヴェルファイアの存在は気になりすぎるほど気になるわけですが、それと同時に「先代の中古車」も大いに気になるところです。
新型アルファード/ヴェルファイアはもちろんステキですが、車両価格はいささか高くなってしまいましたし、新車を注文しても、納車がいつになるかわかったものではありません。
しかし「先代の中古車」であれば当然ながらほぼ即納ですし、新型登場の影響を受けて、中古車の平均価格も下がっているはず。
そんな状況下で、もしもコンディション良好な先代の中古車をお手頃価格で入手できたなら――それって実はかなりお買い得なのではないかと思う次第です。
ならば今、例えばどんな年式の先代アルファード/ヴェルファイアを、いくらぐらいで狙ってみるのが正解なのでしょうか? 次章以降、もろもろ検討してみることにしましょう。
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トヨタ アルファード(旧型・3代目)× 全国▼検索条件
トヨタ ヴェルファイア(旧型・2代目)× 全国【モデル概要】ミニバンではなく「大空間高級サルーン」
まずは先代トヨタ アルファード/ヴェルファイアのモデル概要を簡単におさらいしておきます。
トヨタ アルファードは、2002年にその初代モデルが登場したトヨタのラージサイズミニバン。2008年に2代目へとフルモデルチェンジされた際、デザイン違いの兄弟車である「ヴェルファイア」も発売されました。
今回取り上げる先代アルファード/ヴェルファイアが登場したのは2015年1月のこと。「従来にない新しい高級車の概念を創造する」ことを目指したというトヨタは、30系と呼ばれることの多い先代アルファード/ヴェルファイアを、ミニバンではなく「大空間高級サルーン」と位置づけました。
押し出し感が強いエクステリアデザインのテーマはアルファードが「豪華・勇壮」で、ヴェルファイアは「大胆・不敵」。ボディサイズは、標準ボディのアルファードの場合で全長4915mm×全幅1850mm×全高1880mm。ヴェルファイアはアルファードと比べて全長のみ15mm長くなっています。
両車はシートアレンジにも工夫が凝らされており、ガソリン車の一部グレードで選べる「助手席スーパーロングスライドシート」は最大1160mmものスライド量を確保。また7人乗りのリラックスキャプテンシート(2列目)は前後方向と横方向のスライドが可能で、前後スライド量は最大830mmです。7人乗りにはこの他、電動調節機構が充実した「エグゼクティブパワーシート」もラインナップされました。
最上級グレードである「エグゼクティブラウンジ」は上質な本革シートに木目調加飾を組み合わせ、高級サルーンを超えるレベルのくつろぎを提供。大型のアームレストには格納式のテーブルが内蔵され、パワーオットマンやベンチレーションシートなどの快適装備も充実しています。
先代アルファード/ヴェルファイアに搭載されたパワーユニットは、大きく分けてガソリンエンジンとハイブリッドシステムの2方向。
ガソリンエンジンは最高出力182psの2.5L直4と、同280psをマークする3.5L V6の2種類。トランスミッションは2.5LがCVTで、3.5Lは6速ATです。そしてハイブリッド車は2.5Lエンジンにモーターを組み合わせた電気式四輪駆動車で、システム最高出力は197psとなります。
2017年2月にはマイナーチェンジが実施され、前後のランプやフロントグリル、フロントバンパーなどの意匠を改めることで、さらに重厚感と個性を強調。そして予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の第2世代が全車標準装備となり、リアクロストラフィックアラートやブラインドスポットモニターも標準またはオプションとして用意されるなど、安全運転支援の強化も図られました。
走りに関わる部分では、構造用接着剤の使用範囲を拡大するなどした結果、操縦安定性と乗り心地が向上。そして3.5L V6エンジンを刷新するとともに、そのトランスミッションは6速ATから8速ATに進化しました。
また、新たな最上級グレードである「アルファード エグゼクティブラウンジS」と「ヴェルファイア エグゼクティブラウンジZ」が設定されたのも、このタイミングです。
その後は2018年10月に、アクセルの踏み間違いなどで起こる衝突事故の被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」を全グレードに標準装備とし、2019年12月に車載インフォテイメントシステムをアップグレード。そして前述のとおり2023年6月、新型へのフルモデルチェンジが行われた――というのが、先代トヨタ アルファードおよびヴェルファイアの大まかなヒストリーです。
中古車のオススメ1|「あくまで安く」と考えるなら?
本当に数多くのグレードが存在し、なおかつ前期型と後期型にも分類できる先代アルファードおよびヴェルファイアですが、もしも「とにかく安く入手したい!」と考えるのであれば、狙うべきは「2.5Lエンジンを搭載する前期型ベーシックグレード」の一択です。
中古車価格はヴェルファイアの方が若干安めな傾向はありますが、両車とも総額200万円台半ばから後半の予算感で、走行5万km台までの物件を探すことができるでしょう。
アルファードの場合、まず候補となるのは「X」というグレードです。パワーユニットは前述のとおり2.5L直4エンジンで、ボディは「標準ボディ」と呼ばれているエアロレスのタイプ。乗車定員は8人です。ホイール径は16インチでシートもファブリック素材であるなど、「アルファード」という言葉から一般的にイメージされるゴージャスさはありません。しかし安全装備や基本的な装備は普通に充実していますので、「とにかくアルファードに乗りたい」と考える人にはオススメできます。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「X」×全国いっぽうの「S」は、エントリーグレードであるXの装備を基本に、専用エアロパーツや18インホイールを追加したエアロボディのグレード。乗車定員は7人または8人で、シート地はX同様のファブリック。パワーユニットもXと同じ2.5L直4です。こちらも装備はシンプルですが、Xよりは迫力と高級感が感じられるでしょう。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「S」×全国なおこの価格帯(総額260万~290万円)では、Sの派生グレードである「S Aパッケージ」を見つけることもできます。こちらは乗車定員7人で、最大1160mmの前後スライドが可能な「助手席スーパーロングスライドシート」が採用されています。この価格帯での流通量は少なめですが、探してみる価値はあるでしょう。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「S Aパッケージ」×全国
先代アルファードではなく先代ヴェルファイアを「あくまで安く買いたい」という場合も、狙い目はアルファードのときと同じ「前期型の2.5Lエンジン搭載グレード」ということになります。その際の具体的な選択肢とそれぞれの中古車価格は以下のとおりです。
●X:アルファードの「X」に相当する標準ボディのベーシックグレード
(狙い目価格:総額230万~280万円)
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「X」×全国●Z:アルファードの「S」に相当するエアロボディのベーシックグレード
(狙い目価格:総額230万~280万円)
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「Z」×全国●Z Aエディション:アルファードの「S Aパッケージ」に相当する、「助手席側スーパーロングスライドシート」が付いたエアロボディグレード
(狙い目価格:総額240万~300万円)
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「Z Aエディション」×全国中古車のオススメ2|「充実装備」を求めたいなら?
前章で取り上げたXやS(ヴェルファイアの場合はXとZ)などのベーシックなグレードも決して悪くはないのですが、先代とはいえせっかくアルファードまたはヴェルファイアを買うなら、「装備類がもっと充実したグレードを選びたい!」という気持ちも湧いてくるでしょう。
そんな場合に比較的リーズナブルな予算で狙うことができるのは、下記のグレード群です。
●前期型S Cパッケージ(狙い目価格:総額310万~380万円)
エアロボディのベーシックグレードである「S」の派生グレードで、2列目シートは「エグゼクティブパワーシート」を採用。電動でオットマンの展開・収納やリクライニング操作が可能となり、オプションだった本革シートを装着している中古車もあります。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「S Cパッケージ」×全国●前期型G(狙い目価格:総額300万~350万円)
2.5L直4エンジンを搭載する標準ボディの中間グレード。運転席8ウエイ/助手席4ウエイのパワーシートを装備する他、イージークローザー付きパワースライドドアUV+IRカット機能付きウインドシールドガラスや17インチホイールなど、豪華指向が高められているグレードです。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「G」×全国●前期型エグゼクティブラウンジ(狙い目価格:総額400万~480万円)
ロングスライド機構と伸縮機能付きパワーオットマン、大型ヘッドレスト、温熱シート・ベンチレーションなどを備えた「エグゼクティブラウンジシート」を採用する前期型の最上級グレード。
シート以外もブラウンオリーブ・アッシュパール木目調のインパネや専用のオプティトロンメーター、スパッタリング塗装を施した17インチアルミホイール等々、豪華装備の全部盛り状態です。後期型のエグゼクティブラウンジはさすがにまだ高額ですが、前期型であれば総額400万円台でも探すことができます。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「エグゼクティブラウンジ」×全国
●前期型Z Gエディション(狙い目価格:総額300万~370万円)
エアロボディであるZの派生グレード。インテリアの基本カラーはZと同じブラックですが、シート表皮は合成皮革になり、運転席8ウェイと助手席4ウェイ(パワーオットマン付き)の電動パワーシートにアップグレードされます。そしてセカンドシートも、リクライニングやオットマンを電動で操作できる「エグゼクティブパワーシート」が採用されています。
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「Z Gエディション」×全国●前期型エグゼクティブラウンジ(狙い目価格:総額360万~410万円)
アルファードのエグゼクティブラウンジ同様、「エグゼクティブラウンジシート」等々を採用する前期型の最上級グレード。こちらも比較的リーズナブルです。
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2015年1月~2017年11月生産モデル×「エグゼクティブラウンジ」×全国中古車のオススメ3|「やっぱり後期型で」と考えるなら?
前章までは「比較的リーズナブルだから」という理由で、マイナーチェンジ前の前期型に絞って検討してまいりました。
しかし、特にアルファードの場合は2017年12月のマイナーチェンジでフロントまわりのデザインがぐっと上質になりましたので、「どうせ買うなら後期型にしたい!」と考える人も少なくないでしょう。
後期型の上級グレードや最上級グレードは、新型が登場した現在でもまだかなり高額ですが、比較的ベーシックなグレードでもOKとするならば、後期型であってもまずまず現実的な予算で狙うことができます。その際に狙い目となるのは下記のとおりです。
●X:標準ボディのベーシックグレード。狙い目価格は総額320万~360万円
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トヨタ アルファード(3代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「X」×全国●S:エアロボディのベーシックグレード。狙い目価格は総額350万~400万円
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トヨタ アルファード(3代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「S」×全国●S Aパッケージ:エアロボディのSに「助手席スーパーロングスライドシート」などを付加。狙い目価格は総額340万~400万円
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トヨタ アルファード(3代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「S Aパッケージ」×全国●G:標準ボディの中間グレード。狙い目価格は総額360万~440万円
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トヨタ アルファード(3代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「G」×全国
●X:標準ボディのベーシックグレード。狙い目価格は総額320万~370万円
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「X」×全国●Z:エアロボディのベーシックグレード。狙い目価格は総額320万~380万円
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「Z」×全国●Z Aエディション:エアロボディのZに「助手席スーパーロングスライドシート」などを付加。狙い目価格は総額340万~390万円
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「Z Aエディション」×全国●V:標準ボディの中間グレード。狙い目価格は総額350万~380万円
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × 2017年12月~2023年5月生産モデル×「V」×全国先代アルファード/ヴェルファイアの中でもきわめて高額な中古車は、「そこまで出すならいっそ新型を……」という思いも湧いてくるものです。
しかしリーズナブルな価格で、なおかつ装備もまずまず充実しているグレードであるならば、「今あえて先代を狙う」という選択も十分アリなはず。
新型と先代のどちらを選ぶかはもちろんご自由ですが、アルファードとヴェルファイアを検討する際にはぜひ、「高コスパな先代モデル」も選択肢に入れてみることをオススメいたします。
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。