ノア▲2022年1月に4代目へとフルモデルチェンジしたトヨタ ヴォクシー。ボディサイズが拡大され、ハイブリッドとガソリンエンジンともに刷新されました

新型トヨタ ヴォクシーを徹底解説! どんなモデル?いくらで狙える?

3列シートを備えるミニバンの中でも、使い勝手の良さから多くの人に選ばれている2Lクラスのハイトミニバン。トヨタ、ホンダ、日産という大手3社が主力モデルを投入しており、熾烈な販売合戦が繰り広げられています。

トヨタはノアとヴォクシーという2モデルを用意。兄弟車ながらそれぞれに独自の個性を与えて多くのファンを獲得していますが、最新型は2022年1月にフルモデルチェンジした4代目。

この記事では、4代目・現行型トヨタ ヴォクシーがどのようなモデルなのかを深堀りしていきます。
 

 

【概要】トヨタ ヴォクシーってどんなモデル?

ヴォクシーの立ち位置

トヨタのミニバンにはスモールクラスのシエンタやラージクラスのアルファードなどがラインナップされていますが、ヴォクシーは兄弟車のノアとともにミドルクラスに位置付けられています。

ホンダ ステップワゴンや日産 セレナとは長年にわたってライバル関係にあり、いずれも2022年にフルモデルチェンジしてガチンコの販売合戦が繰り広げられています。
 

トヨタ ヴォクシー ▲5ナンバーサイズが基本だったミドルクラスミニバンは、ボディサイズが拡大される傾向にある。4代目・現行型ヴォクシーもすべてのモデルで全幅1700mmを超え、3ナンバーサイズとなった

ヴォクシーの歴史

初代(2001年11月~2007年5月生産)
 

トヨタ ヴォクシー ▲乗用車ライクなFFレイアウトを採用。迫力を感じさせるデザインがノアとの違い

ここからは歴代のヴォクシーについて振り返ってみましょう。

まだミニバンが一般的ではなく、キャブオーバー型ワンボックスカーの派生モデル的な位置付けだった1990年代、トヨタはタウンエースノア/ライトエースノアというモデルを販売していました。1996年に登場した初代ステップワゴンが乗用車ライクなFFレイアウトで大ヒットしたことを受け、各社がFFのミニバンを開発します。

トヨタは2001年11月にノア/ヴォクシーを発売。ノアがすっきりとしたデザインで親しみやすさを表現したのに対し、ヴォクシーは押し出し感を強調してクールなイメージを打ち出しました。

全幅を1695mmに抑えた5ナンバーサイズであることが特徴で、両側スライドドアを採用。搭載エンジンは最高出力112kW(152ps)を発揮する2L 直4になります。デビュー時の新車価格帯は189.0万~259.0万円でした。

2004年8月のマイナーチェンジで、3列シート車に加えて2列シート車のトランスXを設定。広い荷室を有効活用したい人たちから支持されました。
 

 

2代目(2007年6月~2013年12月生産)
 

ヴォクシー ▲リアシートの利便性が高められた2代目ヴォクシー。外観は睨みの利いた迫力あるスタイルになった

2007年6月に初のフルモデルチェンジが行われ、2代目へと進化したヴォクシー。

デザインは吊り上がったフロントライトで睨みを利かせた表情になり、初代以上の迫力が与えられました。シート構成は3列シートモデルの他、2列シートのトランスXも用意されました。

ワンタッチで折りたたみから跳ね上げまでできる『3列目ワンタッチスペースアップシート』を世界初搭載。2列目にはチャイルドシートに子供を乗せるときに便利な『ロングスライドマルチ回転シート』を搭載するとともに中央を折りたたみ式にして1~3列目のウォークスルーを実現。後席の利便性が高められました。

新開発の2L 直4エンジンにスーパーCVT-iを組み合わせ、14.2km/L(10・15モード)という当時クラストップの低燃費を実現しました。

2008年6月にはヴォクシーの人気シリーズとなる特別仕様車『ZS 煌(きらめき)』が発売されます。2009年6月と2011年10月には『ZS 煌II』、2012年10月には『ZS 煌III』、2013年5月には『ZS 煌Z』が登場しました。

そして、2010年4月に行われたマイナーチェンジではGAZOO Racingが手がけたスポーツコンバージョンモデルであるG SPORTS(G’s)が追加されています。
 

 

3代目(2014年1月~2021年11月生産)
 

ヴォクシー ▲ハイブリッドがラインナップに加わった3代目ヴォクシー

2014年1月、ヴォクシーは3代目へとフルモデルチェンジ。この世代から2Lのガソリンモデルに加えて、1.8Lハイブリッドが設定されています。燃費性能はガソリンモデルが16.0km/L、ハイブリッドが23.8km/Lでした(いずれもJC08モード)。

ボディサイズは全幅が1695mmになる5ナンバーサイズを基本としながら、ZSは全幅が1730mmに拡大されて3ナンバーサイズになったのもこの世代の特徴です。乗車人数は2列目がベンチシートになる8人乗りと、キャプテンシートになる7人乗りが用意されました。なお、ZSはガソリンモデルのみの設定でした。

2016年1月には単眼カメラとレーザーレーダーを使った先進安全装備『Toyota Safety Sense』を設定。そしてこのタイミングでハイブリッドにも人気のZSが設定されます。

2017年7月のマイナーチェンジではBi-Beam LEDヘッドライトにより精悍な表情に磨きがかかりました。
 

 

そして、2022年1月に4代目へとフルモデルチェンジ。

ファミリーカーのスタンダードモデルとして、常に人気を誇ってきた歴代モデルですが、ここからはいよいよ現行型ヴォクシーがどのような車か詳しく見ていきましょう。
 

ヴォクシー ▲2022年1月にフルモデルチェンジしたばかりの4代目ヴォクシー
 

【進化ポイント】新型ヴォクシーと旧型の違いはこれ!

初めに新型となる現行型ヴォクシーは、旧型からどこが進化したかを見ていきましょう。大きく変わったのは以下の3つになります。

■プラットフォームを刷新
■高効率のパワートレインを採用
■先進安全装備の進化

 

進化ポイント1|プラットフォームを刷新

新型ヴォクシーでは、新世代のトヨタ車づくりの指針であるTNGAに基づいたプラットフォーム(GA-C)が使われています。

これによりボディ骨格が最適化され、左右のCピラー間の距離が旧型より75mmも拡大。室内高は1405mmあり、開放感のある室内空間に生まれ変わりました。

また、ボディは旧型よりも軽量化され、それでいて剛性も高められたことで、しっとりした高級感のある走りを味わえるようになっています。
 

トヨタ ヴォクシー ▲新世代のプラットフォームと高剛性ボディにより、高級感の乗り心地と優れた操縦安定性を実現

進化ポイント2|高効率のパワートレインを採用

フルモデルチェンジして登場した4代目ヴォクシーには、従来同様にハイブリッドとガソリンモデルがラインナップされていますが、どちらも効率の良い進化したパワートレインが採用されています。

■ハイブリッドモデルのパワートレイン

ハイブリッドシステムが第5世代のものに進化。すべての電動モジュールが刷新され、モーターとバッテリーは高出力化、システムの効率も高められています。

これにより、ミニバンでも心地よい加速とクラストップレベルとなるWLTCモード23km/L(2WD・ハイブリッドS-G)の低燃費を実現。

また、4WDモデルには後輪をモーターで駆動させるシステム『E-Four』を採用。リアモーターの出力が高められて、安定感が向上したため、降雪時や雨天時などでも活躍してくれくれます。
 

トヨタシリーズパラレルハイブリッド ▲トヨタのハイブリッドシステムはTHS IIと呼ばれてきたが、第5世代から『シリーズパラレルハイブリッド』と表記されるようになった

■ガソリンモデルのパワートレイン

搭載されるのは旧型モデル同様に2.0L NAエンジンですが、レクサス UXやトヨタ ハリアーなどの高級モデルにも採用されているダイナミックフォースエンジンとなりました。

これにマニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックが組み合わされ、ガソリン車としてもクラストップレベルとなるWLTCモード燃費15.1km/L(2WD・S-G)を実現しています。
 

ヴォクシー ▲軽やかな走りか、しっとりした乗り味か。好みによりパワートレインを選ぼう

進化ポイント3|先進安全装備が充実

先進機能を付与し、機能向上した最新の予防安全パッケージ『Toyota Safety Sense』を採用。

「プリクラッシュセーフティ」は、これまでの車両、歩行者、自転車運転者に加えて自動二輪車(昼)も検知できるように。

交差点を右折する際に対向車線から直進してくる車両、右左折時に前方から横断してくる歩行者と自転車運転者に加え、交差点で交差する車両と自動二輪車との事故も回避できるようになりました。

また、「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行う「プロアクティブドライビングアシスト」が、トヨタ車で初搭載されています。
 

ヴォクシー ▲事故が発生する可能性が他よりも高い交差点内での運転支援を行うことで、リスクを軽減してくれる
 

【ラインナップ】新型ヴォクシーのグレード展開はシンプル

新型ヴォクシーは大きく標準グレードのS-Gと上級グレードS-Zの2種類。それぞれに、ガソリンモデルとハイブリッド、FFと4WDが用意されるといったシンプルなものになっています。

■グレード展開
 

・S-G系
16インチアルミホイールが装備されるエントリーグレード。助手席側パワースライドドアが標準装備となる。ハイブリッドの4WDモデルをのぞき、7人乗り、8人乗り仕様を選ぶことが可能。
ガソリン車の価格:309万~328万8000円
ハイブリッド車の価格:344万~366万円

ヴォクシー ▲ヴォクシー S-G。16インチアルミホイールが標準装備となる

・S-Z系
2WD車には17インチの専用アルミホイールが採用されており、よりスポーティな印象に。両側パワースライドドアやバックドアイージークローザー、左右独立温度コントロールエアコンなどが標準装備される上級モデル。2列目キャプテンシートの7人乗り仕様のみとなる点は注意
ガソリン車の価格:339万~358万8000円
ハイブリッド車の価格:374万~396万円

 

トヨタ ヴォクシー ▲ヴォクシー ハイブリッドS-Z。17インチアルミホイールを履き、よりスポーティな印象に
 

【サイズ・外装】新型ヴォクシーは全幅が拡大され全グレード3ナンバーに

旧型ヴォクシーはZSが3ナンバーサイズでしたが、新型では全グレード3ナンバーサイズとなりました。

また、ハイブリッド車はフロントガラスに高遮音性ガラスが使われているため、静かな車内で快適な時間を過ごすことができます。

ボディサイズは全長4695×全幅1730×全高1895mmという堂々としたものに。全幅の拡大により、どっしりとした雰囲気が高まっているのが印象的です。


 

トヨタ ヴォクシー ▲すべてのグレードで全幅1730mmとなり、堂々としたサイズに

現行型ヴォクシーは「先鋭・独創」をキーワードとし、上下2段に分かれたヘッドライトでアクの強いデザインとなっています。

一方のノアは「堂々・モダン・上質」と「王道・アグレッシブ」の2つをキーワードに、切れ長のヘッドライトでクールなイメージを感じさせるデザインになっており、兄弟車ながらそれぞれ違った個性を放っています。

いずれも、歴代モデルで追求してきた、室内空間の最大化と力強いハコらしさは継承されています。

 

【内装・荷室・装備】新型ヴォクシーは新プラットフォームで広い室内空間を実現

ヴォクシーのインパネは水平基調のシンプルなデザインで、視認性にすぐれた開放的なデザインになっています。左右のエアコン吹出口やシフトノブまわり、ドアトリム周辺に金属調フレームを使って高級感が演出されました。
 

トヨタ ヴォクシー ▲水平基調で広がり感のあるインパネ

2列目シートにはキャプテンシートで745mm、ベンチシートで705mmのロングスライド機構を搭載。乗車人数に合わせてゆとりを持って座れるようにしています。

キャプテンシートはオプションでオットマンとシートヒーターをチョイスして、これまでにない快適な移動を楽しめるようにしているのも特徴。また、パッケージオプションで手すりが付いた2人がけベンチシートを選ぶこともできます。
 

トヨタ ヴォクシー ▲2列目シートの違いで7人乗りと8人乗りになる。オプションで2列目席にオットマンとシートヒーターを付けることも可能

スライドドアは、足をかざしてスライドドアの開閉ができる「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」をオプション設定しています。

荷室の下には104Lの容量があるスーパーラゲージボックスを設定。大型のスーツケースなど高さのあるものを積みたいときに役立ちます。
 

ヴォクシー ▲スーパーラゲージボックス

このサイズのミニバンだとどうしてもバックドアが大きくなってしまうため、荷物の出し入れをする際に後ろ側に十分なスペースが必要だったり、ドアを閉めるときに手を上まで伸ばしたりかなりの力が必要だったりするのが弱点でした。

ヴォクシーの上級グレードであるS-Zには、車体横に付いたスイッチでドアの開閉ができるパワーバックドアを装備。ドアは任意の位置で保持することができます。また、他のグレードでも手動で途中の位置でドアを保持できるフリーストップバックドアが装備されます。
 

ヴォクシー ▲バックドアを任意の位置で保持できるので、狭い場所でも荷物の出し入れが容易にできる

先進安全装備は、前述した最新のプリクラッシュセーフティの他、歩行者などとの衝突の危険が高まりドライバーが回避のためにハンドル操作を行った際に操舵支援と車線逸脱抑制をする「緊急時操舵支援機能」、低速時に自車のすぐ前にいる歩行者や自転車運転者を検知してアクセルペダルを強く踏んでも出力を抑制する「低速時加速抑制機能」などが備わります。

そして、ハイブリッド車はスマートフォンからの操作で駐車や出庫ができる「アドバンストパーク」のリモート操作もオプションで選べます。
 

ヴォクシー ▲緊急時操舵支援機能のイメージ
 

【中古車状況】新型ヴォクシーの中古車はハイブリッドモデルの価格が高騰中

現行型ヴォクシーの中古車は500台ほど流通していて、価格帯は総額310万~560万円でした。相場の下限がノアよりも高いのは、新車価格の違いによるもの。ノアの最廉価グレードが267.0万円なのに対し、ヴォクシーの最廉価グレードは309.0万円になります。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(4代目・現行型)×全国

この価格帯からもわかるように、ガソリンモデルだと購入時の諸費用込みで新車価格と同程度から中古車を探せます。一方でハイブリッドモデルはプレミア相場になっていて、ハイブリッドS-GのFFが総額400万~460万円、ハイブリッドS-ZのFFだと総額430万~560万円になります。

ヴォクシーはガソリンモデル・ハイブリッドモデルともに新車の納期が半年以上かかる状態。それを考えるとガソリンモデルの登録済未使用車は十分狙い目と言えそうです。

一方でハイブリッドにこだわる場合は新車より高い価格帯になりますが、納車を待つ時間をお金で短縮するということでしょう。安値圏だと新車より40万円程度高いという感じなので、納得できる人なら買いだと思います。

ヴォクシーはデビューからまだ1年ちょっとしか経っていないため、流通している中古車はほとんどが登録済未使用車。そのため品質はまず心配しなくて大丈夫です。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(4代目・現行型)×全国
 

 

文/高橋満 写真/尾形和美、トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL