ノート▲e-POWERを搭載したノートが発売された後は、約8割の人がe-POWERモデルを選んでいた。この圧倒的な支持により、現行型はe-POWER専用車になったという経緯がある

2016年11月のマイナーチェンジで登場し、大ヒット!

2012年9月に登場した2代目日産 ノートは、2016年11月のマイナーチェンジでシリーズハイブリッドシステムとなるe-POWERを搭載するグレードを新たに設定。

シリーズハイブリッドとは搭載されるエンジンが発電に徹し、その電力でモーターを駆動させて走行するシステム。電気自動車ならではの鋭い走りを気軽に楽しめるモデルとして注目が集まった。

一方で、従来のガソリンエンジンモデルが新車価格139万3200円から買えたのに対し、e-POWER搭載車はエントリーグレードでも177万2280円と、ガソリン車より40万円近く高い価格設定になった。そのため、価格にこだわる人が多いコンパクトカー市場では中心的な存在になるのは難しいだろうと思われていた。
 

ノート ▲ガソリン車より価格設定は高かったが、それを物ともせず大ヒットした

ところが蓋を開けてみると、2016年11月以降は8割の人がe-POWERをチョイスし、その後も7割以上の人が選ぶ状態が続いたという。現行型ノートがe-POWER専用車になったのも、2代目ノートでのe-POWERの圧倒的な支持があったからだ。

マイナーチェンジで精悍なデザインになったこともあり、ノートは2016年度下半期、コンパクトカーでナンバーワンの販売台数を記録。2017~19年と3年連続で販売台数ナンバーワンに輝いた。

そんな2代目ノートがデビューから6年経過し、総額100万円程度で買えるようになってきている。

ここではモデル概要を振り返りながらどんな中古車が総額100万円程度で狙えるのか? オススメの選び方について見ていこう。
 

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日産 ノート e-POWER(2代目)×全国
 

モデル概要:2Lエンジン並みのトルクと高い燃費性能を誇るe-POWER

ノート ▲2代目ノートは後席の広さが特徴。背もたれを倒せば広大な荷室が現れる

ノートはコンパクトでありながら高級セダンに匹敵する広い室内空間が与えられたモデル。2代目は1.2L直3エンジンと、同エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせたパワートレインが用意された。また、ノートの標準モデルに加え、2012年8月まで販売されたプレミアムコンパクトであるティーダの役割を担う高級グレード「メダリスト」も設定された。

2013年12月にはエマージェンシーブレーキや車線逸脱警報などを装備したエマージェンシーブレーキパッケージを設定。2014年10月にはスポーツグレードのノートニスモ、ノートニスモSが追加された。
 

ノート ▲e-POWERはエンジンで発電しながら走行するので、電気自動車に比べてバッテリーが小さくて済む

そんなノートにe-POWERが追加されたのは2016年11月。ノートのマイナーチェンジのタイミングだ。

前述したようにe-POWERは搭載エンジンが発電に徹し、その電力を使ってモーターを駆動させて走行するシステム。2Lエンジンに匹敵するトルクを発揮し、しかもガソリンエンジンでの走行に比べると静粛性に優れている。

何よりガソリンエンジン車では決して味わうことのできない、モーターならではの鋭い加速が特徴だ。そして、モーターの特性を生かしてアクセルから足を離すだけで減速してペダルの踏み変え回数を大幅に減らす、e-POWERドライブも搭載された。

マイナーチェンジ時のe-POWER搭載グレードはエントリーグレードのe-POWER S、中間グレードのe-POWER X、プレミアムグレードのe-POWERメダリストの3種類になる。
 

ノート ▲車体後方の映像やアラウンドビューモニターが捉えた映像を映し出すスマートルームミラー(現在はインテリジェントルームミラーに名称が変更されている)

マイナーチェンジ時のノートはインテリジェントエマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報、踏み間違い衝突防止アシストなどが標準装備に。e-POWER Xとe-POWERメダリストには移動物検知機能付きのアラウンドビューモニターと車体後方に設置したカメラの映像をルームミラーに映し出すスマートルームミラーが標準装備された。
 

ノート ▲専用のエアロパーツでスポーティなルックスに仕上げられたe-POWERニスモ

2016年12月には日産のモータースポーツ部門であるニスモが手がけたノートe-POWERニスモが登場。ニスモがe-POWERのモーター特性にチューニングを施したことで、標準車以上の加速感を味わえる。

2017年9月の一部改良ではインテリジェントクルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)が搭載されるとともに、インテリジェントエマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止アシストの性能が向上した。そして、スタイリッシュなデザインを採用した新グレード「ブラックアロー」とSUVテイストの「クロスギア」が追加された。

では次章よりオススメの狙い方について見ていこう。
 

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日産 ノート e-POWER(2代目)×全国
 

狙い方1:総額100万円程度だとe-POWER Xが中心に

ノート ▲量販グレードだったe-POWER Xなので、中古車の流通量も多い

e-POWERが搭載された2代目ノートの中古車価格帯は総額80万~270万円。約3300台の中古車が流通している。このうち総額100万円程度で買える中古車は120台ほどになる。

流通量が多いのは新車価格が約200万円だった中間グレードのe-POWER X。90台ほどの中古車があるので、条件に合うものは比較的探しやすいだろう。相場の下限である総額80万円程度だと走行距離が10万kmを超えたものが中心になるが、総額100万円程度だと走行距離が5万km前後でナビ付きのものが見つけやすい。

また、台数は少ないがジャカード織物/合皮のシートや本革ステアリングを装備するメダリストもこの予算で購入可能。走行距離は6万~8万kmのものが中心になる。
 

ノート ▲30km/h以上で走行しているときに、約30~100km/hの範囲で車速の設定ができるインテリジェントクルーズコントロール

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日産 ノート e-POWER(2代目)×総額100万円以上120万円以下×全国
 

狙い方2:もう少し程度を重視するなら予算140万円程度を見ておきたい

もう少し走行距離などが少なく、程度にこだわりたいという場合。この場合は予算を総額140万円程度まで増やせるのであれば、中古車の程度にもかなりこだわれるようになる。

例えば、e-POWER Xなら走行2万~5万km程度のものや、SUVテイストを加えたグレードのシーギアも探すことが可能だ。

年式もインテリジェントクルーズコントロールが搭載されエマージェンシーブレーキなどの性能も向上した2017年9月以降のものが手に入る。
 

ノート ▲こちらが専用外装をまとったシーギア

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日産 ノート e-POWER(2代目)×走行距離5万km以下×総額120万円以上140万円以下×全国
 

狙い方3:スポーティなニスモグレードなら160万円は見ておきたい

ノート ▲e-POWERニスモはインテリアに赤の差し色を使い、上品さの中にスポーティさを盛り込んだ

そして、スポーティな走りが自慢のe-POWERニスモを狙いたいという場合。前項の140万円程度だと台数は少ないが探せるようになる。この予算でのニスモの流通量は3台で、走行距離は8万km弱だった。

ただ、このように台数が少ないため、e-POWERニスモを比較しながら探すのであれば最低でも予算を160万円ほど用意したい。

総額150万円台から中古車の流通量が増えてくるし、走行5万km以内の修復歴なし車も見つかるので、条件に合わせて探せるようになるはずだ。
 

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ノート e-POWERニスモ(2代目)×全国

※記事内の情報は2022年12月16日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL