インプレッサスポーツ▲新プラットフォームがもたらす上質な乗り味と、スバルらしいスポーティな走りがインプレッサスポーツの魅力。前期型なら総額150万円以下でも中古車を見つけることができるようになった

前期型でお得な価格の物件が見つかる

現在、スバルが新車販売している「インプレッサ」と車名がつくのは2モデル。ハッチバックの「インプレッサスポーツ」と、セダンの「インプレッサG4」だ。

本記事では、2016年11月に2代目として登場したインプレッサスポーツの現行モデルを紹介する。

この2代目モデルは、2019年11月にはデザインを刷新する大規模なマイナーチェンジを実施している。このマイナーチェンジより前が前期型、それ以降が後期型となる。

後期型は運転支援システムの「アイサイト・ツーリングアシスト」が全グレードに採用されているが、まだ流通量が少ないこともあり、安いものでも総額150万円以下で探すのはまだ難しい状況だ。

一方、前期型は430台ほど流通していて、総額150万円以下の中古車も増えている。例えば、「1.6 i-L アイサイト」の走行距離3万km以下の物件が総額140万円から選ぶことができる。これは新車時と比べると50万円以上も低い価格だ。

この記事ではインプレッサスポーツの概要を改めて確認しながら、お得な前期型について解説する。そのうえで、オススメの選び方をニーズ別に紹介してみたい。
 

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スバル インプレッサスポーツ(現行・前期型) × 全国
 

【ボディサイズ・見た目】3ナンバーサイズの堂々とした外観

インプレッサスポーツ ▲国産5ナンバーハッチバックより一回り大きいので、室内空間にも余裕がある

インプレッサスポーツは、ヨーロッパでのクラス分けで「Cセグメント」というカテゴリーに分類されるモデル。ボディタイプがハッチバックなので国産メーカーだとトヨタ ヤリスやホンダ フィットなどと比較されがちだが、ヤリスやフィットは「Bセグメント」に分類されるサイズで、インプレッサよりも一回り小さい。

インプレッサスポーツはトヨタ カローラスポーツやマツダ MAZDA3、ドイツ車だとフォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツ Aクラスなどと同じセグメントである。
 

インプレッサスポーツ ▲伸びやかなサイドシルエットがインプレッサスポーツの特徴

インプレッサスポーツのボディサイズは全長:4475mm × 全幅:1775mm × 全高:1480~1515mm。ヤリスより全長が500mm以上長く、全幅は5ナンバー車の規格である1700mmより幅広になっている。

外観は長くとられたボンネットや、低く構えたスポーティなスタイルが特徴的。ヘキサゴン型のフロントグリルやヘッドライト内にあるC型のポジションランプでスバル車のアイデンティティも表現されている。

2019年のマイナーチェンジでデザインを変更。ヘッドライトがやや切れ目状になったことで、シュッとした印象を受けるが、前期型から大きなテイストの変更はない。
 

インプレッサスポーツ ▲立体的で抑揚あるデザインを採用したインパネ

インテリアは立体的な造形で抑揚感を際立たせている。特に助手席前のインパネの切れ上がった立体造形はかなり攻めたもの。上級グレードはインパネの随所にステッチを施し高級感を高めている。

シートの造形も立体的で、上半身をしっかり支える構造。表皮も上質なものを採用して手触りや座り心地が高められている。
 

インプレッサスポーツ ▲こちらは2019年11月に登場した後期型。フロントバンパー、グリル、ヘッドライトなどのデザインが変更された
 

【エンジンタイプ・走行性能】新プラットフォームを初搭載

インプレッサスポーツ ▲2代目インプレッサスポーツから採用されたSGP

2代目インプレッサスポーツ最大のトピックは、スバルの新しいプラットフォームである「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」を初採用したこと。30年ぶりに新設計されたプラットフォームは剛性が飛躍的に高められるとともに低重心化も図られ、操舵に対する応答と操縦安定性が大きく向上した。

搭載エンジンは最高出力113kW(154ps)を発揮する新開発の水平対向2L 直噴NA(自然吸気)エンジンと、最高出力85kW(115ps)を発揮する水平対向1.6L NAエンジンの2種類。

トランスミッションはダイレクト感のある加速フィールに定評がある、CVT「リニアトロニック」が搭載される。
 

インプレッサスポーツ ▲新開発された2L直噴エンジン(FB20型)

スバル=4WDとイメージされるが、インプレッサスポーツは全グレード4WDの他に2WD(FF)も用意されている。燃費性能にこだわりたい人、街乗り中心で4WDの必要性を感じない人はFFでも十分楽しめるはずだ。

なお、現在新車販売されている後期型のインプレッサスポーツのラインナップには、2L 水平対向エンジンに電動技術を盛り込んだ「e-BOXER」搭載車、そしてスバルのモータースポーツ部門であるSTIがチューニングを施した「STIスポーツ」が用意されている。

しかし、これらのモデルは2020年10月に登場したもの。前期型インプレッサスポーツには設定がないので、この2モデルを狙うのであれば後期型一択となる。
 

 

【機能・安全性能】国産車初の歩行者用エアバッグを採用

インプレッサスポーツ ▲国産車初採用の歩行者用エアバッグ

2代目インプレッサスポーツはスバルの先進安全技術「アイサイト(ver.3)」に加え、歩行者保護エアバッグと7つの乗員保護エアバッグを全グレード標準装備している。

歩行者エアバッグとは、歩行者との衝突事故を検知するとフロントガラスとAピラーの下部分を瞬時にエアバッグで覆うことで、歩行者の頭部へのダメージ軽減を図る技術。この技術はボルボ、ランドローバーに次ぐ3番目の搭載で、国産車では初搭載されたものだった。

他にも後側方から近づく車両を検知してドライバーに知らせる「スバルリヤビークルディテクション」、ハイビームアシスト、ステアリング連動ヘッドライトなどが用意された。アイサイトは車線中央維持機能が追加され、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)の精度も向上している。

スバル車はおよそ1年に1回の年次改良を行い、車の商品力を高めていく戦略をとっている。2代目インプレッサスポーツも2016年10月のフルモデルチェンジ(A型)後に、2017年10月(B型)、2018年11月(C型)に一部改良が行われ、2019年11月のマイナーチェンジで後期型(D型)になった。後期型は2020年10月(E型)、2021年12月(F型)に改良が施されている。

前期型の一部改良での変更点は以下のとおり。
■2017年10月(B型)
・アイサイトの夜間走行における歩行者認識性能を強化
・後退時自動ブレーキシステムを追加
・サイドビューモニター機能を追加
■2018年11月(C型)
・ブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持するオートビークルホールド機能を追加

2019年11月のマイナーチェンジでは、全車速追従機能と車線逸脱抑制機が備わるアイサイト・ツーリングアシストが全グレード標準装備に。ヘッドライト内のシェードを使って、ハイビーム時に前方車両に当たる部分だけ遮光するアダプティブドライビングビームをオプション設定した。
 

 

【オススメの中古車】スバル車らしさを味わうなら4WDがオススメ!

インプレッサスポーツ ▲1.6 i-Lアイサイト

前期型インプレッサスポーツの中古車を探す場合、水平対向の1.6Lと2Lを積んだモデルが選択肢。駆動方式はFFと4WDからチョイスが可能だ。

前述したように前期型の流通量は約430台で、価格帯は総額100万~240万円。低価格帯は1.6Lエンジン搭載のi-Lアイサイトが中心で、総額110万円前後の予算で走行距離5万km未満の比較的コンディションがいいものを探すことができる。

ただ、ボディカラーはシルバーや赤が多い。人気の黒で走行距離5万km未満のものを探すなら、総額140万円前後の予算を用意したい。
 

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スバル インプレッサスポーツ(現行・前期型) × 「1.6 i-Lアイサイト」
インプレッサスポーツ ▲2.0 i-Sアイサイト4WD

「せっかくスバル車に乗るならやっぱり4WD、そしてスバルらしいスポーティさを味わいたい!」という人にオススメしたいのは2L水平対向エンジンを搭載し、18インチタイヤを履くスポーティグレードの2.0 i-Sアイサイト4WDだ。
 

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スバル インプレッサスポーツ(現行・前期型) × 「2.0 i-Sアイサイト4WD」

前期型の2.0 i-Sアイサイト4WDは90台弱流通していて、価格帯は総額140万~240万円。低価格帯は走行距離が8万kmを超えるものが中心で、総額170万円前後から走行距離5万km未満の中古車が見つかるようになる。

前述したようにインプレッサスポーツは年次改良で安全装備が進化している。2017年10月以降のB型はアイサイトで夜間の歩行者認識性能が高められ、2018年11月以降のC型はブレーキのオートビークルホールド機能が追加された。

どれも魅力的な性能だけに、購入時はそれらが必要かをじっくり検討して年式を選んでほしい。
 

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※記事内の情報は2022年10月16日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/スバル

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL