BMW X1(旧型)▲SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶBMW。そのこだわりのもとでもある「駆けぬける歓び」はX1でも表現されている

人気輸入SUVがかなり安くなってきた!

日本の狭い道でも乗りやすい全長4.5m前後コンパクトSUVは、国産車はもとより輸入車も人気。

そのため、メルセデス・ベンツやBMW、アウディのドイツ御三家も同カテゴリーに参入しており、中でもいち早く投入されたのが今回オススメするBMW X1だ。

2010年4月に日本デビューした旧型となる初代X1は、メルセデス・ベンツの初代(旧型)GLAより約4年、初代(旧型)アウディ Q3より約2年ほど登場が早い。

そんなこともあり、ここのところ中古車価格は安くなっており、ライバルよりも一足早く支払総額100万円以下でも狙いやすくなってきた。

ドイツ御三家のSUVというと、高いイメージを持つ人も多いかもしれないが、100万円で買えるなら検討の余地は大いにあると思うがいかがだろう?

では、どんなX1が狙い目になるのか。中古車の状況とともにチェックしていこう。
 

▼検索条件

BMW X1(初代)×全国

掲載物件の半数以上が100万円以下で狙える

原稿執筆時点(2022年7月29日)で、X1の中古車平均価格は85.4万円と100万円を大きく切っている。

同時期のライバルを見ると、初代メルセデス・ベンツ GLA(2014年5月~2020年4月生産)は約240万円、初代アウディ Q3(2012年5月~2020年7月生産)は約180万円。

発売開始時期がX1よりも後、つまり年式的に新しいということもあるが、いずれもX1よりかなり高値となっている。

また、御三家に限らず近しい時期にこのクラスに参入していたモデルもある。

例えば、初代フォルクスワーゲン ティグアンで、その日本デビューはX1より2年以上早い2008年9月だが、中古車平均価格は約110万円。また、生産国は異なるが2013年5月デビューのボルボ V40クロスカントリー(初代)なんかは約180万円と、やはりX1よりも高めだ。

このように、X1は同カテゴリーの中で「意外と狙い目」なモデルと言えるのだ。

BMW X1(初代)▲100万円以内の物件が増え、お得感が増している初代X1

X1の中古車状況を、もう少し詳しく見てみよう。

原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載される台数は約280台。

価格帯は約20万~250万円とかなり幅広いが、支払総額100万円以下で絞っても掲載台数は約150台。つまり、半数以上が100万円以下で狙える。

そして、平均走行距離を見ても約5.9万kmと決して多くはなく、まだまだ良コンディションが期待できそうな物件が多いのもうれしいところ。

走行距離5万km以下・修復歴なしで絞っても約100台ヒットし、そのうち約30台が支払総額100万円以下から狙える。

そんな狙い目のコンパクトSUVの初代X1。どんなモデルだったのか、以下改めて振り返ってみよう。
 

【モデル概要】BMWらしい後輪駆動を基本とする「駆けぬける歓び」のあるSUV

BMW X1(初代)▲開発時点から日本の駐車場事情が考慮されたため、全高は1545mmに抑えられている。レインセンサーやオートライトシステムは全車に標準装備

ライバルに先駆けて、2010年4月に日本デビューした初代X1。

当時の1シリーズをベースとしたことで、FR(後輪駆動)を採用していたことが大きな特徴。これはクラス唯一であり、兄貴分の同社のSUVであるX3やX5にも設定がなかった。

また、SUVらしく当然4WDグレードも設定されていたが、この4WDもFRがベースになっているため、同社が掲げる「駆けぬける歓び」を体感しやすい。

デビュー時に搭載されたエンジンは、2L直列4気筒と3L直列6気筒の2種類で、これに6速ATが組み合わされた。

駆動方式は2L車(sDrive18i)が2WD、3L車(xDrive25i)が4WD。車両本体価格は363万円/480万円だった。
 

X1(旧型)▲X1の4WDシステム「xDrive」は通常はFRで走り、走行状況に応じて前輪も駆動させるというもの。コーナリング時など「駆けぬける歓び」のためにも見事に機能してくれる
X1(旧型)▲デビュー時はフルオートエアコン、ドアミラー一体型ETC車載器を標準装備。また、12V電源ソケットがセンターコンソールに3ヵ所、ラゲージルームに1ヵ所備わる
X1(旧型)▲ライバルには及ばないが、それでもトランク容量は420L(後席を倒すと1350L)と十分なスペースが確保された。後席背もたれの中央部分のみ倒せば4組のスキーセット or 2組のスノーボードを収納できる

翌2011年10月には2グレードが追加された。

ひとつは最高出力184psの2L直列4気筒ターボの4WD車(xDrive20i)、もうひとつは最高出力245psの2L直列4気筒ターボの4WD車(xDrive28i)で、どちらも8速ATが組み合わされた。

2012年9月にはマイナーチェンジが行われ、フロントバンパーとリアスカートのデザインが変更された。

さらに、力強さを強調した専用パーツを備える「xLine」と、スポーティさを強調した専用パーツを備える「スポーツ」、そしてBMW M社専用の装備を備えた「M スポーツ」が各パワートレインそれぞれに加えられた。

また、184psの2L直列4気筒ターボ車にFR(2WD)モデルも設定されるようになるなど(sDrive20i)、ラインナップの充実化が図られた。

このタイミングで3L車(xDrive25i)はラインナップから外れた。
モデル末期となる2015年4月には一部改良が行われ、カーナビやオーディオなどを統合制御する同社独自のシステム「iDrive」が全車に標準装備された。

というのが初代X1のおおまかな概要だが、以下今の狙い目はどんな物件なのか? チェックしていこう。
 

X1(旧型)▲2012年9月のマイナーチェンジでは、新デザインのフロントマスクやバンパーなどともに、サイドターンライトが組み込まれた新ドアミラーが採用された

お安く手に入れたいなら、2WDの「sDrive18i」系グレードを

街乗りが中心で、お安くX1を手に入れたいなら、2WDで2Lエンジンを搭載したsDrive18i系のグレードがオススメだ。

原稿執筆時点で支払総額約40万円から狙え、走行距離5万km以下・修復歴なしで絞っても支払総額約60万円から手に入れることができ、お手頃感が高い。

また、掲載台数が多くて選びやすいのも魅力。原稿執筆時点で、全体の半数以上を占める140台程度が掲載されている。

M社の専用パーツが備わるMスポーツや、SUVらしい力強さを強調したxラインなども見つかるので、エクステリアの好みや、欲しい装備の有無など、自分の好みに合わせて選びやすいはずだ。
 

▼検索条件

BMW X1(初代)×「sDrive18i」系グレード×全国

走りにこだわるなら4WDの「xDrive20i」系グレードを

BMWらしい「駆けぬける歓び」にもこだわるなら、4WDで2Lターボエンジンを搭載した「xDrive20i」系グレードがオススメだ。

FRをベースとしたxDrive(4WDシステム)は、ワインディングでの車の姿勢維持をサポートしてくれるし、直進安定性もFR車より高いため高速道路も走りやすい。

また、ターボエンジンによる力強い走りは、ロングドライブなどのシーンで恩恵を受けることができるはずだ。

原稿執筆時点では支払総額約80万円から狙え、走行距離5万km以下・修復歴なしで絞ると支払総額約120万円から手に入れることができる。

掲載台数も多くsDrive18iに次ぐ台数があり、全体の約2割を占める50台ほどがヒット。

こちらもMスポーツやxラインなどバリエーションがあるので、エクステリアの好みや、欲しい装備の有無などでお気に入りの1台を探しやすいだろう。
 

▼検索条件

BMW X1(初代)×「xDrive20i」系グレード×全国

▼検索条件

BMW X1(初代)×全国
文/ぴえいる、写真/BMW

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。