トヨタ カローラクロス(現行型)▲荷物がたくさん積める実用的なSUVが欲しい、というユーザーにトヨタ カローラクロスはうってつけの存在。しかし、新車は納期が……

ようやく中古車らしいお得な物件が出始めた

2021年9月に発売されたトヨタ カローラクロス。セダンやステーションワゴンをベースに車高をアップしてSUV風に仕立てる……お馴染みの手法だが、カローラ・シリーズでは初。これが大方の予想を上回る大ヒットとなっている。

しかし、空前の人気と新型コロナ、半導体不足の影響が重なり、新車の納期はガソリン車で6ヵ月以上待ちの状態が続いている。

新車の購入を検討してその納期を知り、「そんなに待っていられない!」と思った人は少なくないだろう。

それなら中古車に目を向けてみたはどうだろうか?
 

カローラクロス ▲2021年10月~2022年6月の期間における、カローラクロスの延べ掲載台数と平均価格の推移(価格の1万円未満は四捨五入)

上記グラフのように、中古車市場におけるカローラクロスの延べ流通台数は昨年12月頃から安定的に350台をオーバー。中古車平均価格も多少の上下動はあるものの、290万円前後の範囲内に収まっている。

新車の価格帯が200万~320万円ほど。中古車市場では上級グレードの割合が比較的多いことから平均価格は高めとなっているが、新車より諸経費分程度は安く購入できるカローラクロスも出始めている。

パワーユニットや駆動方式、グレードの違いによって10種類のバリエーションを揃えているカローラクロスだが、今回はリーズナブルかつスピーディに手に入れたい人に向けて、ベーシックなグレードの「1.8 G」に注目してみたい。
 

カローラクロス ▲後席居住空間の広さや荷室容量の大きさも十分。フロントシートはスポーティ・タイプが装備される

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トヨタ カローラクロス(現行型)
 

オトクになっている「1.8 G」とは

カローラクロス ▲トヨタ ライズとRAV4の中間的サイズで、使い勝手の良いカローラクロス

カローラクロスのバリエーション展開はシンプルだ。

1.8L 直4ガソリンエンジンと、同排気量のエンジンにモーターをプラスしたハイブリッドという2種類のパワーユニットがある。

そして、それぞれに「G」「S」「Z」と3種類のグレードが用意されている。

駆動方式はFFを基本として、ハイブリッドにはリアにモーターを追加した4WD「E-Four」も設定。トランスミッションは全車CVTだ。

ガソリンの「1.8 G」は全バリエーションの中のエントリーグレードという位置づけ。実は「1.8 G」の中にパーキングサポートブレーキやバックガイドモニター、キーレスエントリーなどの装備を省いた「1.8 G X」というさらなる廉価グレードも存在するのだが、実際にはほとんど流通していない。
 

カローラクロス ▲シンプルで機能的な“カローラらしい”インテリア

「G」の装備をひとつ上位の「S」(2022年2月までKINTO WEB契約分先行生産)と比べてみると、外観ではルーフレールが省かれ、17インチホイールはアルミ製でなくスチール製に、前後バンパーロア部分がメタリック調塗装からブラックの未塗装になる……といった違いがある。

機能面ではオートエアコンの左右独立温度調整機能やオプティトロンメーター、リアシートのカップホルダー付きアームレストが非装備になっている。

かなり簡素化された装備内容だが、それでもステアリングやシフトノブは本革巻きであるなど、手に触れる部分の質感にはこだわっている。ファブリックのシート表皮も「S」と共通だ。

さらに走行に関わる機能については、上位グレードと全く差異がない。

もちろん、先進予防安全装備である「Toyota Safty Sense」も全機能を装備。基本的な装備が備わっていればOKという人、あるいはホイールなどのカスタマイズを前提に購入する人にとってピッタリのグレードと言えるだろう。
 

 

中古車相場:「1.8 G」はお得な価格も台数は少なめ

現在、中古車市場に流通しているカローラクロスは200台弱。そのうち「1.8 G」は24台と、全体の13%ほどを占める。選択肢は決して多くないが、流通している物件のほとんどが登録済未使用車、つまり新車に限りなく近いコンディションだ。

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トヨタ カローラクロス(現行型) × 「1.8 G」

「1.8 G」グレードで選択できるオプションはごくわずかで、物件ごとの装備差は少ない。どれを選んでも同じような装備内容、良コンディションであることは安心材料のひとつだろう。

価格は総額230万~300万円。ボディカラー(パールやレッド、ブラックはオプションカラーで、通常カラーより3万3000円高い設定)とカーナビによって価格に差が生じているようだ。

「1.8 G」の新車価格は224万円だから、新車を購入するより中古車の方が数十万円はオトクになることが多い。しかもコンディションは新車同様で、納車まで何ヵ月も待つ必要なし。中古車を選ぶことはいかにも合理的な選択と言えよう。

ただ、先述のとおり流通台数が多くはないため、条件に合致するものがあれば早めに問い合わせをするのがいいだろう。

カローラクロス ▲上級グレードにはLEDシーケンシャルターンランプなども装備

より豪華な装備内容を求めるなら、「1.8 S」がまだ中古車市場に出回っていない今、「1.8 Z」が妥当なチョイス。本革+ファブリック表皮のシートや運転席パワーシート、パワーバックドアなどが備わるガソリン車の最上級グレードだ。

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トヨタ カローラクロス(現行型) × 「1.8 Z」

中古車市場では「1.8 G」よりも物件数は多く、現在100台弱が流通している。支払い総額の価格帯は260万~370万円。

価格帯が幅広いのはオプションの差によるところだろう。高価格帯の物件にはパノラミックビューモニタやサンルーフなど高額なオプションが装着されているケースが多い。

燃費や動力性能で選ぶならハイブリッドを選びたいところだが、こちらはまだ60台前後しか流通しておらず、しかもグレードが「ハイブリッド Z」に限定されてしまう。価格も総額350万円~と、かなり高めの水準だ。
 

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トヨタ カローラクロス(現行型) × 「ハイブリッド Z」

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トヨタ カローラクロス(現行型)

※記事内の情報は2022年7月22日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/トヨタ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。