ヴェゼル(現行型)▲大ヒットした初代と同じなのは「コンパクトSUVクーペ」のみ、と言っても過言でないほど、見た目は激変。その一因に、最低地上高が高くなり(2WDで185mm→195mm)、全高が下げられた(同1605mm→1590mm)ことでボディが“薄く”なったことがある

価格がこなれてきた今こそ現行型ヴェゼルを手に入れよう

世界で累計384万台を売り上げた大ヒット作、初代ホンダ ヴェゼル。

ヒット作の後継モデルなら初代の面影を残しても良さそうなものだが、ヴェゼルの2代目は見た目も中身も大きく変えて2021年4月にデビューした。

そして、2代目もこれまた大ヒット。昨今の世界的事情もあって新車の納期は遅れ、最上級グレードの「e:HEVプレイ」に至っては執筆時現在(2022年6月23日)注文受付が停止されている状況だ。

しかし、中古車なら納車までの時間が短いというメリットがある。

しかも、一時期はプレミア価格がついたこともあったが、現在は価格もだいぶ落ち着いてきた。

もちろんデビューしてまだ1年ちょっとだから、新車に近いコンディションの中古車もたくさんある。

つまり、2代目ヴェゼルを検討しているなら、新車だけではなく中古車もチェックしてほしいということなのだ。

以下、詳しい中古車の状況とモデル概要をチェックしつつ、今のオススメ物件を見ていこう。

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(現行型)×全国
 

中古車台数は1年で3倍以上の800台以上!

約1年前のデビュー直後は、当然ながら中古車の流通台数は少なかった。

しかし、以降は順調に増えていき2021年12月には266台となり、中古車も選びやすくなってきたという状況だった。

ただし、先述のとおり新車の納期遅れによって中古車への注目度が高まり、平均価格もうなぎ登りに。2021年12月には314.6万円にまで跳ね上がった。

2021年4月のデビュー時の車両本体価格は227万9200~329万8900円だから、それと比べると少し高いなという印象。新車の納期遅れが中古車価格にも影響したようだ。

ところが、2022年に入ると中古車台数がうなぎ登りに増え、あれよあれよという間に800台以上に。直近5月は823台を記録している。わずか4ヵ月間で3倍以上も増えたことになる。

ホンダ ヴェゼルの中古車平均価格推移グラフ

ここまで台数が増えると、さすがに価格に下げ圧力が働き、2022年4月には300万円を切り、同年5月には292.0万円を付けた。

ホンダ ヴェゼルの延べ掲載台数推移グラフ

確かに前年同月と比べると17万円ほど高いが、同年同月の台数はわずか13台。対して2022年5月時点は823台もあり、選びやすくなっている。

もちろん走行距離の短い中古車がほとんどで、平均で約0.2万km。全体の8割以上が0.5万km以下という状況だ。

新車に近いようなコンディションの物件がこれだけあって、選びやすくなっているのだから、新車を検討している人にもぜひチェックしてもらいたいというわけだ。

 

低燃費で扱いやすいサイズ感、高い安全性能と使い勝手の良さが人気の秘密

ヴェゼル(現行型)▲初代と比べて後席の足元が拡大され、乗降性も高められた。全車にLEDヘッドライトが備わり、e:HEV Zにはオートレベリング機能も付く。e:HEV車の4WDは後輪に大トルクをダイレクトに伝えることで雪道での走破性能や、ワインディングなどでのコーナリング性能を高めてくれる

現行型ヴェゼルを探す前に、機能やグレードの違いなどについて簡単におさらいをしておこう。

初代から大きく見た目を変えた現行型だが、燃料タンクを前席下に置くことで室内空間を効率良く使える「センタータンクレイアウト」は踏襲。初代と比べ後席の居住性がアップしている。

一方、ラゲージ容量についてはいたずらに数値を追い求めないとして未公表だが、センタータンクレイアウトのメリットはしっかりと発揮されている。

ヴェゼル(現行型)▲後席を倒せばキレイなフラットスペースを作り出せ、後席の座面を跳ね上げれば背の高いものも収納可能など、センタータンクレイアウトを生かした多彩なシートアレンジが可能

搭載されたパワートレインはホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムのe:HEVと、1.5Lガソリンの2種類。いずれもトランスミッションはCVTとなり、e:HEVのJC08モード燃費は25.0km/L、1.5Lガソリン車は17.0km/L(いずれもFF)。

最新の車だけに、先進安全運転支援機能も充実している。衝突被害軽減ブレーキをはじめ11種類の安全機能を含む「ホンダセンシング」は全車に標準装備。

また、駐車時に自車を俯瞰した映像で見られるマルチビューカメラシステムがe:HEV Zとe:HEVプレイに、ホンダコネクトとセットオプションで用意されている。

その他、「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」がe:HEV Zとe:HEVプレイに、断熱性の高いLow-Eガラスを使用した「パノラマルーフ」がe:HEVプレイに標準装備される。

カーナビ・オーディオ関係は中古車を購入する際に注意が必要だ。e:HEVプレイにはカーナビゲーション機能やラジオ機能、さらに地図自動更新機能など便利な機能が使える「ホンダコネクト」を備えた「ホンダコネクトディスプレー+ETC2.0車載器」が標準装備される。

一方、他グレードはメーカーオプション扱いとなり、オーディオもレス仕様のため、購入時にはどんなカーナビやオーディオが付いているのか確認が必要だ。もし付いていなくてもディーラーオプション扱いのカーナビやオーディオが取り付けられるので、販売店に相談しよう。

参考までに価格の安い順にデビュー時の車両本体価格を記しておくと、ガソリン車の1.5 Gが227万9200円、e:HEV Xが265万8700円、e:HEV Zが289万8500円、e:HEVプレイが329万8900円(いずれもFF)。また、e:HEVプレイ以外には4WDも用意されている。

ヴェゼル(現行型)▲バンパー下に足を入れればテールゲートを開くことができるハンズフリーアクセスパワーテールゲートは、e:HEV Zとe:HEVプレイに標準装備。他グレードには設定がない
ヴェゼル(現行型)▲フルオートエアコンは全車に標準装備。e:HEV Zには左右独立コントロール機能も備わる。運転席と助手席にはUSBジャックが標準装備される他、ワイヤレス充電器がe:HEVプレイに標準装備された
ヴェゼル(現行型)▲いちいちトノカバーを引き出したり、しまったりする必要のない、つり上げ式トノカバーがe:HEV Zに用意された
 

新車も検討しているなら「登録済未使用車」を

新車が欲しいけれど納車に時間がかかるため、中古車で良いのがあれば、と思っている人にオススメなのが、登録済未使用車だ。

登録済未使用車とは、新車ディーラーが展示などの理由から一度自社で登録したものの、使用されていない車のこと。乗られていないので、状態は新車に近いが、一度登録されているため、中古車扱いとなる。

原稿執筆時点で見ると、現行型ヴェゼルの中古車の約5割が登録済未使用車。台数が多く、非常に選びやすくなっている。

ただし、新車の人気が高いヴェゼルゆえ、中古でも価格はさほど安くはない。それでもe:HEV Xは新車の車両本体価格が289万8500円(FF)のところ、登録済未使用車なら約230万円から狙うことができる。

また、登録済未使用車は中古車扱いになるため、新車購入時には必要な自動車重量税がかからないなど、税金面でのメリットがある。さらにオプションを装備していれば、車両本体価格に反映されるのは当然だ。

そのため車両本体価格だけでなく、必ずオプションの有無と支払総額の比較をして判断するようにしよう。

▼検索条件

ヴェゼル(現行型)×「登録済未使用車」×全国
 

とにかく安いもの狙いなら「ガソリン車の1.5 G」を

とにかく安くヴェゼルを手に入れたいのであれば、ガソリン車の1.5 G狙いで探そう。

台数が全体の約5割となる260台以上と、選びやすいのも魅力のひとつだ。

最廉価グレードではあるものの、11種類の先進安全運転支援機能を備えたホンダセンシングは標準装備。フルオートエアコンで、LEDヘッドライトなども標準装備されている。

原稿執筆時点で見ると、車両本体価格が新車時の車両本体価格(265万8700円)を下回る1.5 Gは約250台見つかった。つまり、掲載されている1.5 Gのほとんどが新車より安いのだ。

中には車両本体価格が200万円を切る中古車もあり、新車とほぼ同じ230万円以下で絞っても70台以上が見つかった。

しかも、そのほとんどが修復歴なし・走行距離5000km以下だから、コンディションの良い1.5 Gを見つけやすいはずだ。

もちろん車両本体価格だけで中古車を判断することはできないので、必ずオプションの有無と支払総額を確認して、さらに複数台を比較したうえでお気に入りの1.5 Gを探してほしい。

▼検索条件

ヴェゼル(現行型)×「1.5 G」×全国

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/ホンダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。