フェアレディZ(Z34型)の平均価格が1年で40万円値下がり! 今狙うならどんな中古車がオススメ?
2022/06/26
流通台数はほぼ横ばいも、中古車相場は下がり始めの兆候
2021年8月に発表された新型の日産 フェアレディZ。524.15万~696.63万円という価格も発表され、あとは発売を待つばかりという状況だ。
これだけ大きなフルモデルチェンジがあると、気になるのは中古車市場で旧型がどのような動きになるかという点である。
Z34型フェアレディZの直近6月の中古車平均価格は233.3万円。
この1年で平均価格が最も高かった2021年7月は275万円だったので、そこから40万円以上平均価格が下がったことになる。
台数がほぼ横ばいなものの平均価格が下落し始めているのは、ニューモデルの発売が近づいたことでZ34型に長く乗り続けていたファンが新型への買い替えのために手放していることが想像できる。
また、新型に注目が集まっていることからZ34型への注目がやや少なくなっているというのもあるだろう。
ただ、相場が下がっているからといって安心できないのがスポーツモデルの中古車事情。というのもモデルチェンジや生産終了後に再評価されて、中古車相場が上昇傾向に転じる例が少なくないのだ。
最近ではホンダ S660やスバル BRZにこの傾向が見られた。
Z34型フェアレディZも同じような動きをする可能性がないとは言えない。その意味で、価格が下がっている今が狙い目と言えるだろう。
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日産 フェアレディZ(Z34型) × 全国Z34型 フェアレディZとは
Z34型 フェアレディZは2008年12月にデビュー。Z33型のロングノーズショートデッキスタイルを踏襲しつつ、よりグラマラスなデザインになり、大人のスポーツモデルとして生まれ変わった。
インテリアは、ドライバーとコックピットの一体感が追求されている。ソフィレスという合成皮革にダブルステッチを施したセンタークラスターパネルや、ドライバーの体をしっかりホールドしつつも柔らかな本革やスエード素材で上質な印象を受ける。
搭載される3.7L NAのVQ37VHRエンジは、最高出力247kW(336ps)、最大トルク365N・m(37.2kg・m)を発生。
トランスミッションはシフトチェンジの際にドライバーのシフト操作に応じてエンジンの回転数を最適な回転数に制御するシンクロレブコントロール付き6速MTと、MTモード付き7速ATがある。
2009年6月にはオーテックジャパンが手がけたバージョン ニスモが登場。
このモデルには専用エアロパーツや専用エグゾーストシステム、専用チューニングコンピューターの他、走行中のボディのゆがみを防ぎ、剛性を高めるヤマハ製のパフォーマンスダンパーも装着された。
2012年7月にはマイナーチェンジを実施。エクステリアはバンパーまわりのデザインが変更されるともに、LEDデイライトが装着された。
バージョンSTとバージョンSにはレッドのブレーキキャリパーが付けられ、スポーティさが高められている。これらのグレードには前後のショックアブソーバーの減衰力特性を変更し、高速時や荒れた路面での安定性と乗り心地を高めたユーロチューンドサスペンション、新開発の摩擦材を採用したブレーキパッドが取り付けられた。
また、同時にバージョン ニスモもマイナーチェンジ。エンジンの出力特性やボディ剛性、サスペンション、ブレーキなどが変更されている。
2013年6月には、日産のNISMOブランド戦略に基づく高性能プレミアムスポーツバージョンとして、NISMOが登場。
デザインはモータースポーツで培ったテクノロージーが投入され、空力性能などが高められた。エンジンは専用のチューニングコンピューターを採用して最高出力が 261kW(355ps)まで高められている。
足回りにも専用サスペンション、専用ブッシュ、アルミ鍛造ホイール、高剛性ブレーキホースなどが装備されている。
Z34型フェアレディZのグレード構成
Z34型フェアレディZのグレード構成は以下のとおり。
◆ベースグレード
◆バージョンS(6速MTの中間グレード)
◆バージョンT(7速ATの中間グレード)
◆バージョンST(上級グレード)
同じ中間グレードでもバージョンSとバージョンTでは装備内容に差がある。
バージョンTには運転席・助手席パワーシートや本革・スエード調ファブリックコンビシート、Boseサウンドシステムなど、6速MTだとバージョンSTにしか付いていない装備が備わる。
Z34型フェアレディZの中古車の狙い目は?
Z34型 フェアレディZの中古車価格帯は総額130万~720万円。6速MTは7速ATよりも50万円近く高い印象だ。
300台超ある中古車はどう選ぶべきか。いくつかの条件をつけながら考えていこう。
■なるべく安く購入したい
予算を抑えてフェアレディZの中古車を探す場合、まずは総額200万円台前半のゾーンに注目したい。総額100万円台からも選べるが、おおむね走行距離が10万km前後の物件となってしまう。
総額200万~250万円では60台ほど流通しており、年式的にはほとんどが2012年6月までの前期型になる。
このうち6速MTは10台ほどしかなく、ほとんどが走行距離10万km前後。もし6速MTをなるべく安く買いたいと思っているなら、予算を250万円程度まで増やした方が探しやすくなるだろう。
7速ATだとベースモデル、バージョンT、バージョンSTが流通。グレードによる価格差もあまりない状態だ。走行距離は10万km前後のものもある一方、4万km前後の物件も見つけることができる。車両状態やカスタム状況などを確認しながら条件に合うものを探していこう。
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日産 フェアレディZ(Z34型) × 総額200万~250万円■コンディションのよさ優先で中古車を探したい
多くの人が安心できるであろう走行距離5万km以下の中古車は130台ほど流通。価格帯は総額180万~720万円。後期型は総額250万円前後から見つかるようになる。
6速MTで走行距離5万km未満のものは50台ほど流通していて、総額260万円前後から見つけることが可能。バージョンSだと総額270万円から、バージョンSTは290万円から流通している。
6速MTで走行5万km以下のものを探すと、初度登録から10年以上経過していても新車時価格から100万円くらいしか値落ちしていないものも多い。それだけMT人気が高いモデルなので、コンディションにこだわるならある程度予算を用意したうえで探すようにしたい。
Z34型 フェアレディZに限らず、すでに新車販売が終了しているモデルは、低走行車が中古車市場に出にくい。選択肢があるうちに問い合わせをした方が良さそうだ。
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日産 フェアレディZ(Z34型) × 走行距離5万km以下■性能にこだわって購入したい
Z34型フェアレディでスポーツ性をとことん追求するなら、2013年6月に追加されたNISMOを推す。
NISMOの中古車は20台ほど流通していて、価格帯は総額480万~720万円。6速MTと7速ATの比率は半分ずつといった感じだ。
走行距離は多くても6万km前後なのでコンディション的には悪くないが、6速MTだと新車時とあまり変わらない価格で販売されているものも多い。
ただ、Z34型を一択で探すという人にとっては代わりが利かないモデルでもある。こちらも今後条件のいい中古車は少なくなるのは間違いないので早めに購入した方がいいだろう。
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日産 フェアレディZ(Z34型) × NISMO■番外編:優雅にオープンエアを楽しみたい
Z34型 フェアレディZには、2009年10月から2014年9月までソフトトップを備えたロードスターが設定されていた。
流通台数は約30台と少なく、価格帯は総額220万~380万円とクーペより高めになっている。
でも、大排気量のスポーツカーをオープンで楽しむのはこの上ない贅沢。優雅な走りを味わいたい人にぜひ注目してほしいモデルだ。
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日産 フェアレディZロードスター(Z34型)▼検索条件
日産 フェアレディZ(Z34型) × 全国※記事内の情報は2022年6月15日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL