トヨタ シエンタ▲利便性はもちろん、燃費性能も妥協したくないという人にオススメの低燃費ミニバンをピックアップ!

両側スライドドアを搭載し、燃費の良いミニバン

ミニバンには5ナンバーサイズのコンパクトなものから、大きなボディに豪華装備がほどこされたゴージャスなものまで、そのタイプは多岐にわたります。

ここではその中でも、室内の広さを担保し利便性を高めつつ、空力性能を突き詰めたり、ハイブリッドシステム搭載グレードを設定して燃費性能を高めているモデルを紹介します。

3列シートでスライドドアを備えるミニバンを対象に、JC08モードで最も燃費の良いグレードを比較。それをランキング形式で紹介します。

ちなみに、年間5000km走行する人でガソリン価格が160円/Lの場合。この後紹介するシエンタを例にすると、燃費が28.8km/Lのグレードは1年間の燃料代が2万7780円ほどなのに対し、15.2km/Lのグレードだと約5万2630円。1年間で2万5000円近い差が生じます。

道路状況や運転の仕方で燃費は変わりますが、各モデルの差を見る場合、上記の例を目安にしてみてください。
 

 

1位 トヨタ シエンタ(現行型)|15.2~28.8km/L

トヨタシエンタ ▲ハイブリッドシステムにはEVドライブモードを搭載。発進時の静粛性が高い2代目シエンタ

2015年7月にデビューした2代目のシエンタは、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンながら3列目にも大人が座れるスペースを確保。

ポップなエクステリアデザインも注目され、大ヒットしたモデルです。

パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンと、1.5Lハイブリッドシステムの2種類があります。

ハイブリッドシステムは、モーターとエンジンを効率よく駆動させるリダクション機構付きTHS IIを採用。バッテリーを2列目席足元下に配置して、室内空間を犠牲にしないパッケージングになっています。

デビュー時のハイブリッドの燃費はJC08モード27.2km/Lでミニバントップを誇りました。2018年9月に行われたマイナーチェンジでハイブリッドの燃費性能は28.8km/L(JC08モード)に高められています。
 

トヨタシエンタ ▲コンパクトなのに室内は広々で燃費性能もいい

2代目シエンタの中古車は約2600台流通。中でもハイブリッドは800台ほど流通しており、その価格帯は総額110万~280万円となっています。

買い物や送り迎えなど普段使いで利用される機会が多いモデルだけに、走行距離が少なめの物件が多く、ハイブリッドのエントリーグレードとなる「ハイブリッドX」なら総額150万円以下でも走行距離5万km以下の中古車が見つけやすい状況。

2018年9月のマイナーチェンジで、2列シートの5人乗りモデルも追加されているので、物件選びの際は乗車人数に注意して探してください。
 

▼検索条件

トヨタ シエンタ(現行型) × ハイブリッド × 3列シート車 × 全国
 

2位 ホンダ フリード(現行型)|16.4~28km/L

ホンダフリード ▲広大な室内空間がウリのフリードは燃費性能にも優れたモデル

2016年9月に登場した2代目フリード。初代同様にロングホイールベースを生かして3列目まで大人が楽に座れるスペースが確保されているのが特徴です。

2列目が2人がけのキャプテンシートタイプは1列目から3列目までのウオークスルーが可能。

キャプテンシートは前後360mmのスライド機構が付いているので、4人乗車の際はゆったり座ることができます。

パワーユニットは1.5Lガソリンと、先代フィットに搭載された電気モーター内臓の7速DCTを搭載するスポーツハイブリッドi-DCDの2種類。

デビュー時のハイブリッドの燃費は27.2km/L。2019年10月のマイナーチェンジでは「ハイブリッドGホンダセンシング」のJC08モード燃費が28km/Lに高められています。

フリードの特徴は4WD車にも燃費性能に優れるハイブリッドがラインナップされていること。雪国などで暮らす人、ウインタースポーツを楽しむ人にはうれしい選択肢になるはずです。
 

ホンダフリード ▲2019年10月のマイナーチェンジで設定されたクロスオーバータイプの「クロスター」。ハイブリッド(FF)のJC08モード燃費は27.4km/L

2代目フリードの中古車は3100台弱流通していて、このうちハイブリッドは1140台ほど。ハイブリッドの4WDは100台弱流通しています。

ハイブリッドの価格帯は、総額140万~340万円となっています。

総額150万円以下で買えるハイブリッド車はまだ少なめで、ある程度の選択肢を確保するため180万円ほどの予算を見ておきたいところ。

クロスオーバータイプの「クロスター」でハイブリッドモデルは20台と、選択肢は多くありません。「クロスター」狙いなら早めの決断が吉でしょう。
 

▼検索条件

ホンダ フリード(現行型) × ハイブリッド × 全国
 

3位 日産 セレナ(現行型)|15~26.2km/L

日産セレナ ▲2019年8月のマイナーチェンジで360度センシングを搭載。フロントフェイスも大きく変わった

2016年8月に発売された5代目セレナは、5ナンバーサイズのハイトミニバンで絶大な人気を誇るモデル。

多彩なシートアレンジ、2列目席に人が座ったまま3列目への乗り降りができるシートベルト内蔵シート、バックドアのガラス部分のみ開閉できるデュアルバックドアなど、便利な機能が数多く盛り込まれているのが特徴です。

デビュー時は、減速エネルギーで発電した電気をバッテリーにためて小型モーターで発進時のアシストを行う、スマートシンプルハイブリッドとガソリン車を用意。そして2018年3月にe-POWER搭載車が新設定されました。

e-POWERは搭載される1.2Lエンジンは発電のみを行い、電気の力でモーターを駆動させるシリーズハイブリッド方式。JC08モード燃費は26.2km/Lを達成しています。
 

日産セレナ ▲e-POWER搭載車には、専用の電制シフトが使われる

5代目セレナの中古車は4000台ほど流通。このうちe-POWER搭載車は520台ほど流通していて、価格帯は総額220万~440万円となっています。

流通しているe-POWER搭載車は、ほとんどがエアロパーツで高級感を高めた「ハイウェイスター系」のグレードです。燃費にもスタイルにもこだわりたい人はこれを本命に狙ってみましょう。
 

▼検索条件

日産 セレナ(現行型) × e-POWER × 全国
 

4位 ホンダ オデッセイ(現行型)|11.6~26km/L

ホンダオデッセイ ▲スライドドアを採用して利便性を高めた現行型オデッセイ。低燃費のハイブリッドモデルは2016年2月に導入

2013年11月にデビューした5代目オデッセイは、それまでのモデルとは大きくコンセプトを変え、スライドドアを採用したLクラスミニバンになりました。

ボディサイズはライバルのトヨタ アルファードや日産 エルグランドに比べるとやや小さいものの、ホンダ独自の底床低重心パッケージにより圧倒的な室内空間を実現。3列目まで、ゆったりした姿勢で移動することができます。

デビュー時のパワーユニットは、2種類の2.4LエンジンとCVTの組み合わせでした。

その後、2016年2月のマイナーチェンジで2モーター+エンジンのスポーツハイブリッド、i-MMD搭載車を新設定し、JC08モード26km/Lを達成しています。このシステムは現在はe:HEVという名称に変更されています。
 

ホンダオデッセイ ▲基本的にはシリーズハイブリッドだが、エンジンの方が高効率の場合はエンジン走行になる

5代目オデッセイの中古車は約1900台流通。このうちハイブリッドモデルは700台弱で、価格帯は総額170万~510万円となっています。

総額190万円以下の低価格帯のハイブリッドモデルは走行距離が10万kmを大きく超えるものがほとんど。

予算を210万円ほどまでアップすると走行距離7万km程度のものが、総額240万円前後で走行距離5万km前後のものが見つかるようになります。

この予算感で、押し出し感のあるスポーツグレードの「アブソルート」を探すことも可能です。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × ハイブリッド × 全国
 

5位 ホンダ ステップワゴン(5代目)|14.8~25km/L

ホンダステップワゴン ▲1.5Lダウンサイジングターボに加え2Lハイブリッドもラインナップ

2022年春のフルモデルチェンジを予告し、ニューモデルの姿も公開されたステップワゴン。その前の代にあたる5代目は2015年4月に登場しました。

特徴はバックドアが上に向かって開くのはもちろん、横開きもできるようにした「わくわくゲート」を採用していることです。

また、3列目シートが床下に格納する構造になっており、格納時も左右跳ね上げ式のように荷室幅が犠牲になりません。3列目シートを使っているときは荷室の床下が深いため、背の高い荷物が積みやすくなるなどのメリットがあります。

デビュー時のパワーユニットは2.4Lガソリンエンジン並みのトルクを発生する、1.5Lダウンサイジングターボを採用。

その後、2017年9月のマイナーチェンジで「スパーダ」に2モーターハイブリッドシステムとなる、スポーツ ハイブリッドi-MMD搭載車を新設定しました。現在、ハイブリッドシステムの名称はe:HEVに変更されています。
 

ホンダステップワゴン ▲ハイブリッドの最上級グレードとなる「スパーダG EXホンダセンシング」には、家電製品も利用できるAC100Vコンセントがオプション設定される

5代目ステップワゴンの中古車は1750台ほど流通。そのうちハイブリッドは180台程度とやや少なめで、その価格帯は総額230万~400万円となっています。

ステップワゴンのハイブリッドモデルは比較的走行距離が少ないものが多く、総額270万円前後で走行距離5万km程度の物件が見つけやすい状況。

総額300万円前後まで予算を増やすと、走行距離3万km程度のものも見つかります。

次期ステップワゴンは「わくわくゲート」が廃止されています。この機能が付いたもので条件のいい中古車が欲しい人は早めに検討した方が良いでしょう。
 

▼検索条件

ホンダ ステップワゴン(5代目) × ハイブリッド × 全国
 

6位 トヨタ エスクァイア(初代)|14.8~23.8km/L

トヨタエスクァイア ▲高級感が高められたエスクァイア。兄弟車の中でもエスクァイアだけ燃費の下限が14.8km/Lなのは、アイドリングストップ機構非搭載のエントリーグレードの設定がないため

トヨタの2Lハイトミニバンは、ノア、ヴォクシー、エスクァイアという3つのモデルがあります。エスクァイアのデビューは2014年10月。

パワーユニットなどは共通で 」すが、内外装のデザインが変えられています。

また、ノアとヴォクシーより10ヵ月ほど遅れて発売されたエスクァイアは、その2モデルより高級感が高められていて、価格も少し高めに設定されていました。

パワーユニットは2Lガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。ハイブリッドのバッテリーはフロントシートの下に設置されているので、広い室内が犠牲になることもありません。
 

トヨタエスクァイア ▲エスクァイアの上級グレードはインパネやシート表皮の前面に合成皮革を採用。大型オープントレイとドアトリム上部には、金属調加飾とステッチが施されている

エスクァイアの中古車は1100台ほど流通。このうちハイブリッドは400台ほどで、その価格帯は総額160万~410万円となっています。

リアのオートクーラーやナノイーなどの快適装備が充実した上級グレードの「Gi」で、走行距離5万km程度のものは総額210万円前後から見つけやすくなります。
 

▼検索条件

トヨタ エスクァイア(初代) × ハイブリッド × 全国
 

7位 トヨタ ヴォクシー(3代目)|14~23.8km/L

トヨタヴォクシー ▲上下2段グリルで押し出しを高めたヴォクシー。人気の「ZS煌」シリーズのハイブリッドモデルも探しやすい

トヨタのハイト系ミニバン3兄弟の中で、ヴォクシーは押し出し感を高めたデザインを採用したモデルです。3代目は2014年1月に登場しました。

パワーユニットはエスクァイアと同様に2Lガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムを採用。

ガソリン車はFFと4WDが設定されるのに対し、ハイブリッドはFFのみの設定になります。
 

トヨタヴォクシー ▲ヴォクシーに設定される「ZS煌」シリーズは中古車でも人気。もちろんハイブリッドも用意されている

3代目ヴォクシーの中古車は3000台ほど流通。このうちハイブリッド車は550台弱で、その価格帯は総額110万~370万円となっています。

ハイブリッドも買いやすい価格帯になってきているものの、低価格帯は走行距離10万kmを大きく超えるものが中心。

走行距離8万km程度のものは総額150万円前後、5万km程度のものは総額180万円前後から見つかる状況です。

人気の「ZS煌」シリーズのハイブリッド車は、総額220万円ほどを目安に探してみましょう。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(3代目) × ハイブリッド × 全国
 

7位 トヨタ ノア(3代目)|14~23.8km/L

トヨタノア ▲ファミリーをターゲットにしたノアは、親近感のあるデザインを採用

3代目ヴォクシーと同じ2014年1月に登場した3代目ノア。ノアは堂々とした佇まいの中に親近感と誠実さを感じさせるデザインが特徴です。

エスクァイア、ヴォクシー同様にパワーユニットは2Lガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムを採用。

ガソリン車はFFと4WDが設定されるのに対し、ハイブリッドはFFのみの設定になります。
 

トヨタノア ▲ノアは明るい内装色も採用されているのが特徴

ノアの中古車は1700台ほど流通していて、このうちハイブリッドは440台ほど。ハイブリッドの価格帯は130万~370万円となっています。

相場の下限がヴォクシーより高くなっているのは、走行距離10万kmを超える中古車がほとんどないため。

ヴォクシー同様に走行距離5万km程度のものは、総額180万円前後から見つけることができます。
 

▼検索条件

トヨタ ノア(3代目) × ハイブリッド × 全国
 

9位 ホンダ フリードハイブリッド(初代)|21.6km/L

ホンダフリードハイブリッド ▲初代フリードは2008年5月にデビュー。フリードハイブリッドは2011年10月に追加された

2代目となる現行型フリードに加え、2011年10月にデビューした初代フリードハイブリッドもランクイン。

パワーユニットはコンパクトなモーターでエンジンをアシストする「1.5L i-VTEC+IMA」を搭載。JC08モード燃費は21.6km/Lを達成しました。

燃費性能では現行型のフリードに劣るものの、ひとつ前の世代になるため、購入価格をグッと抑えることができるのがこのフリードハイブリッドの魅力です。
 

ホンダフリードハイブリッド ▲シート脚部の形状を見直すことでバッテリー搭載によるフロア上昇を抑えてガソリン車と同等の室内空間を実現

フリードハイブリッドの中古車は約470台流通。価格帯は総額50万~180万円となっています。

両側電動スライドドアやスマートキー、クルーズコントロールなどが備わる「ジャストセレクション」も、走行距離8万km程度のものが総額70万円前後で見つけることができます。

走行距離5万km程度のものでも総額100万円前後で探すことが可能です。
 

▼検索条件

ホンダ フリードハイブリッド(初代) × 全国
 

10位 トヨタ アルファード(現行型)|9.1~19.4km/L

トヨタアルファード ▲Lクラスのミニバンだが、ハイブリッド車は低燃費を実現。燃料がレギュラーガソリン仕様なのもうれしい

2015年1月に登場した3代目アルファード。威風堂々としたスタイルと豪華なインテリア、上質な乗り味で多くの人を魅了するモデルです。

パワーユニットは2.5Lと3.5Lのガソリンエンジン、そして2.5Lハイブリッドの3種類。

ガソリンエンジンはFFと4WDがあり、ハイブリッドは前輪を動かすハイブリッドシステムに加え後輪を独立したモーターで駆動させる電気式4WDシステム「E-Four」になります。

ハイブリッドのJC08モード燃費は、エントリーグレードとなる「X」の8人乗りが19.4km/Lで、その他のグレードは18.4km/L。ガソリンモデルのJC08モード燃費は9.1~12.8km/Lとなっています。
 

トヨタアルファード ▲ハイブリッドは全グレード4輪駆動のE-Fourに

3代目アルファードの中古車は約2750台流通。このうちハイブリッドは350台ほど。

ハイブリッドの価格帯は総額270万~2000万円で、高価格帯はモデリスタのコンプリートモデルとなる「ロイヤルラウンジ」になります。

エアログレードとなる「SR」や「SR Cパッケージ」は総額330万円前後から見つけやすくなります。

外観がより高貴なイメージになり、先進安全装備も充実した2017年12月以降の後期型ハイブリッドを狙うなら、予算400万円を見ておくといいでしょう。
 

▼検索条件

トヨタ アルファード(現行型) × ハイブリッド × 全国
 

10位 トヨタ ヴェルファイア(現行型)|9.1~19.4km/L

トヨタヴェルファイア ▲アルファードよりも押し出し感のあるデザインを採用したヴェルファイア

アルファードの兄弟モデルである2代目ヴェルファイア。メッキを多用したグリルや上下2段のヘッドライトでアルファードとは異なる力強さが表現されたモデルです。

デビュー時はアルファードと同じグレード構成でしたが、2021年4月の一部改良でグレード体系が見直されました。

人気の特別仕様車だった「ゴールデンアイズ」がカタログモデルとなり、2.5Lガソリンモデルの「ゴールデンアイズII」(FF/4WD)、ハイブリッドの「ゴールデンアイズII」(E-Four)というラインナップになっています。
 

トヨタヴェルファイア ▲ヴェルファイアにも、豪華仕様の「エグゼクティブラウンジ」が用意されている

2代目ヴェルファイアの中古車は1900台弱流通しており、このうちハイブリッドは230台ほど。

ハイブリッドの価格帯は総額270万~930万円で、高価格帯は「エグゼクティブラウンジ」と「ロイヤルラウンジ」が占めています。

エアログレードの「ZR」は走行距離10万km程度のものが総額300万円前後、走行距離5万km以下のものは総額360万円前後から見つけることができます。
 

▼検索条件

トヨタ ヴェルファイア(現行型) × ハイブリッド × 全国

※記事内の情報は2022年1月12日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/トヨタ、ホンダ、日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL