スバル レガシィB4 ▲近年、不遇のセダンということもあって他のスバル車に隠れ気味のレガシィB4ですが、その実力は折り紙付き!

スバルのフラッグシップセダンをお忘れではありませんか?

スバルと言うとラリーで大活躍をしたインプレッサやWRX、トヨタとの共同開発で生まれたFRモデルのBRZ、そして俊足ステーションワゴンとして一世を風靡したレガシィツーリングワゴンやレヴォーグなど、スポーティな走りがウリのモデルが印象的です。

しかし、その一方で落ち着いた雰囲気をもったフラッグシップセダンも存在していました。それこそが2020年まで販売されていた「レガシィB4」です。
 

スバル レガシィB4 ▲SUBARUの役員車としても使われているだけあって、室内は快適な空間となっています

レガシィB4と言えば、水平対向のターボエンジンを搭載したグレードをもつスポーツセダンというイメージが強いかもしれませんが、2014年に登場した4代目レガシィB4(レガシィ全体では6代目)は、スポーツセダンの役割はWRXに任せ、ゆったりとしたボディが魅力の大型セダンへと生まれ変わったのでした。

そのため、エンジンもターボ仕様は用意されず、2.5Lの余裕の排気量をもつFB25型エンジンとスムーズな走りを実現するリニアトロニックという組み合わせのパワートレインとなっています。

とはいえ、スバルのアイデンティティである水平対向エンジンやシンメトリカルAWDは当然採用されており、刺激的な速さはないものの、スバルらしい胸のすくような走りも楽しむことができる1台に仕上がっていました。
 

スバル レガシィB4 ▲水平対向エンジンやシンメトリカルAWDなど、スバルのアイデンティティが詰め込まれている最終型レガシィB4

もちろん、当時のスバルのフラッグシップモデルということもあり、運転支援システムの「アイサイト Ver.3」を全車標準装備。アクティブレーンキープや衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能といった基本性能も大きく強化されています。

そして、2017年には大幅改良(いわゆるマイナーチェンジ)が実施され、アイサイトには新たに後退時自動ブレーキシステムが追加され、アダプティブクルーズコントロールも東名高速道路の120km/h区間に対応(従来型は約100km/hまで)。
 

スバル レガシィB4 ▲呼称こそ「アイサイト Ver.3」のままだが、年次改良のタイミングで機能が充実しています

内外装もリファインがなされた他、サスペンションのチューニングの変更や電動パワーステアリングの改良、エンジンやミッションなどにも手が入れられ、乗り味や走り味、燃費、静粛性に至るまで向上がなされました。

正直なところ、日本では不人気ジャンルであったセダンのレガシィB4に、ここまで気合いの入った改良がなされたというのは不思議に思う人もいらっしゃるかもしれませんが、実はレガシィシリーズは北米市場で絶大な人気を誇っており、そのおかげで日本仕様もしっかり改良がなされたというワケなんですね。

そんな車としての完成度はかなり高い位置にある最終型のレガシィB4ですが、実は今年に入って大きく中古車平均価格が下がってきているのです。

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スバル レガシィB4(4代目・最終型) ×全国
 

最終型レガシィB4の掲載台数と平均価格の変化は?

ここ3年の掲載台数を見てみると、まだ現行型として販売されていた2020年前半には200台ほどの掲載台数がありましたが、2020年7月に新車の販売が終了してからは掲載台数が減り始めて、現在は100台ほどまで落ち込んでいます。

これは現時点で新型のレガシィB4が日本国内での販売予定がない(海外では新型が販売中)という報道があったため、最後のレガシィB4を購入しようと思った層が一定数いたということを反映しているのかもしれません。

そして下記のグラフは、一昨年9月から今年9月までの、最終型レガシィB4の平均価格の推移を表したものです。
 

スバル レガシィB4

生産が終わったことでレガシィB4の中古車に注目が集まり、価格も上昇するものと思われました。しかしご覧のとおり、中古車平均価格は順調に下がってきており、2年前の2019年9月と比較すると40万円以上、今年初めと比べても15万円ほど下がっています。

というところを見ると、購入を検討していたユーザーは行動に移したものの、全体的にはセダン需要の縮小の影響を受けて価格は下がり気味ということが言えそうです。

100万円台半ばまで平均価格が下がり、フラッグシップモデルとしてはお手頃感の出てきた最終型レガシィですが、今中古車を狙うならどんな仕様がオススメなのか、独断と偏見でいくつかパターンをピックアップしてみましょう。
 

フラッグシップセダンがこの価格!
車両本体価格160万円未満 × 走行距離5万km以内

スバル レガシィB4 ▲2019年9月に追加された「B-SPORT」は、廉価グレードながらメッキを廃した外観はむしろスポーティ?

スバルのフラッグシップセダンということで、最もベーシックなグレードであっても新車時乗り出し価格は300万円を超えるプライスとなっていた最終型レガシィB4。

まだ終売して間もないタイミングではありますが、なんと平均価格付近の車両本体価格160万円未満かつ走行距離5万km以内という条件でもなんと15台もの物件がヒットします。

しかも、半数以上が上級グレードの「リミテッド」となっており、年式を考えると非常にお買い得感の強い仕様と言えるのではないでしょうか?

もちろん、タイミングによって掲載台数は増減しますが、こまめにチェックすることをオススメしたい条件です。
 

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スバル レガシィB4(4代目・最終型) × 車両本体価格160万円以下 × 走行距離5万km未満 ×全国

中古ならそんなに値上がりしない!
フラッグシップセダンに良く似合う「サンルーフ付き」

フラッグシップセダンにはサンルーフがよく似合う……。そう思うのは筆者だけではないハズ。

とはいえ、新車時に装着しようとするとなかなかの金額になってしまうため、ちゅうちょしてしまう人も多いことでしょう。
 

スバル レガシィB4 ▲大きな開放感が得られるだけでなく、車内の換気にも一役買ってくれるサンルーフ

しかし中古車となると、もちろんサンルーフ付きはプラス査定とはなるものの、新車時のオプション価格ほどの価格差とはならないため、お得感がグッと高まります。

価格もほとんどの物件が総額200万円以下で狙えるものばかりというのも、お買い得感を強めています。

ただし、最終型レガシィB4のサンルーフ付き車は執筆時点でわずか6台となっているため、見つけたら早めのアクションをオススメします。
 

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スバル レガシィB4(最終型) × サンルーフ付き ×全国

見つかったらラッキーなレアモデル
唯一の限定車の「スポルヴィータ」

スバル レガシィB4 ▲幻の限定車となってしまうのか? 300台限定で販売された「レガシィB4 スポルヴィータ」

最後に紹介したいのは、「絶版モデルの限定車」というレアなモデルです。

その名も「スポルヴィータ」。最終型レガシィB4唯一の限定車です。

残念ながら執筆時点では掲載はありませんでしたが、見つけたらぜひチェックしておきたい1台です。

これは70年の歴史をもち、イタリア・トリノを拠点として自動車用皮革製品を供給する、革のなめしから縫製まで、一貫生産を行う数少ない専門サプライヤーである「MARIO LEVI(マリオ・レヴィ)社」とのコラボレーションモデルで、同社が手掛けたタンカラーの本革シート、コンソールリッド、ドアトリム、シフトブーツが最大の特徴。
 

スバル レガシィB4 ▲輸入車を思わせるタンカラーの内装がスポルヴィータの最大の特徴です

またタンカラーの内装に合わせ、エクステリアにも高艶ベロアメッキのグリルやガーニッシュ、サテンメッキのドアミラーなどがあしらわれた特別感溢れる1台なのです。

根気よく探す必要はありますが、ぜひチェックしてみてください!
 

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スバル レガシィB4(4代目・最終型) × スポルヴィータ ×全国

このように、セダン不遇の時代ということもあって価格が順調に下がってきている最終型レガシィB4ではありますが、車としての完成度はむしろ高く、この価格で買えるということはむしろセダンが不人気な今の時代に感謝したくなるほど。

もし、あなたが良質で安全なセダンを探しているのであれば、ぜひその候補の1台として最終型レガシィB4を入れてみてはいかがでしょうか。
 

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スバル レガシィB4(4代目・最終型) ×全国
 
文/小鮒康一 写真/SUBARU
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。