ダイハツ タント ▲スーパーハイト軽ワゴンの元祖、タントの3代目モデルは正常進化を果たしている

ミラクルオープンドアに加え
念願の両側スライドドアを採用した3代目タント

軽自動車のジャンルの中で、相変わらず高い人気を誇っているスーパーハイト軽ワゴン。

これはボディサイズに制限のある軽自動車の中で広い室内空間を実現するために、全高を高く取ったモデルのことですが、その元祖とも言えるのが2003年に初代モデルが登場したダイハツ タントです。

そんなタントは、現在2019年に登場した4代目モデルが発売中となっているわけですが、新型登場から2年以上が経過して先代モデルの3代目が順調に価格を下げてきており、ついに平均価格が100万円を切るまでになってきたのです。

ここからは、グラフを見ながら詳細を見ていきましょう。
 

3代目タントの掲載台数と平均価格の推移は?

2014年度に23万台以上の販売台数をマーク(タントシリーズ全車)した大人気のタントだけあって、数年が経過した2021年に入ってからは、掲載台数は7000台弱で安定して推移しており、選び放題と言っても差し支えないほどです。
 

ダイハツ タント▲多少の変動はあるものの、6500~7000台の安定した台数をキープしている

供給が安定しているということもあってか、中古車平均価格も安定して下がってきており、毎月およそ1万円ずつ下がってきています。
 

ダイハツ タント▲年数の経過とともに順調に価格も下落中

そのため、2020年8月の時点で110万円ほどだった平均価格が2021年春にはついに100万円を切り、いよいよ買いやすいゾーンに入ってきたと言えるでしょう。
 

3代目タントってどんな車?

2013年10月に登場した3代目は、先代と同じく標準車カスタムという2つのグレードを設定。

先代で好評だった助手席側のBピラー(柱)を廃止した仕様はそのままに(正確にはフロントドア内にビルトイン)、圧倒的な広さの開口部をもつ「ミラクルオープンドア」が継続採用されています。
 

ダイハツ タント ▲子供から年輩の方まで、開口部が広く乗り降りがしやすいミラクルオープンドア

先代では助手席側のみだったスライドドアを運転席側にも採用し(こちらは通常のピラーありタイプ)、助手席のスライド幅を先代よりも10cm拡大するロングスライド化を実現。

また、軽自動車としては初採用となった助手席シートバックレバーによって、車両の外側、運転席側、後部座席からも助手席のスライドやリクライニングの操作が可能となり、様々なシーンでの使い勝手が大きく向上しました。
 

ダイハツ タント ▲助手席側のリクライニングシートは、操作性の向上と車内の様々な位置から操作が可能になった

装備が充実したことによる重量増に対しては、ボンネット、フェンダー、バックドア、フューエルリッド、レールカバーを樹脂化することで対策。特に、バックドアの樹脂化は開閉作業の負担減にも寄与しています。

また、先進安全装備の「スマアシ(スマートアシスト)」を全グレードに搭載車を設定し、予防安全にも配慮。なお、スマアシは2015年4月に行われた一部改良でレーザーレーダーに単眼カメラを加えた「スマアシII」に、さらに2016年11月の一部改良ではステレオカメラへと変更した「スマアシIII」へと進化しています。

相場と概要で先代の状況をご説明したところで、ここからは、実際にオススメの選び方をご紹介します。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(3代目) × 全国

パワー全開のアシを安く手に入れたい方にオススメ!
Xターボ2WD × 修復歴なし × 車両本体価格90万円以下

軽量化がなされたとはいえ、新たに両側スライドドアを備えたり、安全装備の充実を図ったりと進化した3代目の車両重量は900kg台と、決して軽量とは言えません。そのため、多人数乗車をする場合や長距離移動をする場合はもう少しパワーが欲しいと感じるシーンも……。

そんなとき、動力性能に余裕があるターボモデルであれば物足りなさも解消してくれるのですが、いかんせん人気のカスタム系のターボモデルは高値となっています。そこで狙いたいのが、標準モデルにも用意されていたターボモデルの「Xターボ」系です。
 

ダイハツ タント ▲デビューから2ヵ月遅れの2013年12月に追加された「Xターボ」

この仕様であれば、総額100万円以内の予算でも修復歴なしの5万km未満の物件も狙うことができ、非常にお買い得感が高いと言えるでしょう。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(3代目) ×Xターボ × 修復歴なし ×上限90万円 × 全国

安さと安全性の両方叶えたい人にオススメ!
スマートアシストIII搭載車 × 走行距離6万km以内 × 車両本体価格100万円以下

これから購入するのであれば、「先進安全装備が備わったものがいい」と考える人は多いことでしょう。

このモデルには先進安全装備のスマアシが搭載されたグレードが用意されていますが、モデル途中の改良によって「スマアシ」→「スマアシII」→「スマアシIII」と徐々に進化しています。

となれば、やはりスマアシIIIを狙いたくなるというもの。

このスマアシIIIが搭載されたのは2016年11月末の一部改良のタイミングでしたから、2017年式以降の3代目タントのスマートアシスト装着車であれば、必然的にスマアシIII装着車ということになります(一部、登録遅れの物件もありますが、スマアシIII装着車はグレード名に「SAIII」が付くので判別可能)。
 

ダイハツ タント ▲安全装備に頼った運転はNGだが、いざというときに心強い味方となる

この条件に走行距離6万km未満という条件もプラスして検索すると、高い物件でも総額120万円未満、ほとんどが総額100万円以内で狙うことができます。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(2017年~上限なし) ×660G SAIII系 × 走行距離6万km以下× 車両本体価格100万円以下× 全国 

少々高くても人気装備を詰め合わせたい人にオススメ! 
カスタムRS トップエディション系 × 車両本体価格140万円以下

タントの販売台数が2014年上半期トップを記録したことを記念して、同年10月に特別仕様車トップエディションが登場しました。相場より少し高値となりますが、少々予算オーバーしても構わないという人は、こちらもいかがでしょうか。

専用のシート表皮や内外装の加飾に加えて、スマアシやトップシェイドガラス、ドライビングサポートパック、純正ナビ装着用アップグレードパックといった人気の装備を搭載したお買い得仕様。

結局、特別仕様車でありながらも人気グレードとなったため、その後も定期的にリリースされる定番グレードとなりました。
 

ダイハツ タント ▲人気の装備がてんこ盛りとなった「トップエディション」はグレードの中でもトップの存在

装備が充実しているため平均価格はやや高めとなりますが、ほとんどの物件がナビも装着された状態となっており、グレードが多いタントを選ぶうえでも贅沢な“全部乗せ”となっているので、「あっちのグレードにすればよかった……」という後悔の少ない選択と言えるのではないでしょうか。

今回はターボエンジンを搭載したカスタムRSをベースとしたグレードをピックアップしましたが、走行距離5万km未満に絞っても総額110万円台から見つけることができるので、満足度は非常に高いのではないでしょうか。
 

▼検索条件

ダイハツ ムーヴ(3代目) × 走行距離5万km以下 × 車両本体価格140万円以下 × カスタムRSトップエディション系 × 全国

グレードも多く、オプションなども含めると非常に選択肢が増えてしまう3代目タントではありますが、目的をはっきりもって探せばきっとピッタリの1台に巡り合うことができるハズ。まずは、自分がタントにどんなものを求めているのかを再確認するのが、愛車候補を絞る近道となるのではないでしょうか。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(3代目) × 全国

※記事内の情報は2021年9月13日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/ダイハツ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。