日産ブルーバードシルフィ▲初代は年配の人をターゲットにした落ち着き感のあるデザイン、2代目は女性をターゲットにした華やかなデザインを採用した

日産 ブルーバードシルフィの中古車は今

歴史あるブルーバードの車名がブルーバードシルフィになり、それとともにスポーティなイメージから落ち着きのあるモデルになった。

初代は2000年のデビューから20年以上経過していることもあり、現存する中古車は少なめ。年式やグレードによる価格差もほとんどなくなっている。

2代目は初代のイメージから大きく変わり、大人の女性をターゲットにした華やかなセダンになった。

こちらは、まだ70台ほど中古車が流通している。中古車相場は初代同様、底値に達しており、最安値帯でも走行距離5万km以下のものを見つけることができる。

ここからはブルーバードシルフィの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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ブルーバードシルフィ(初代)の特徴と中古車相場

■ブルーバードシルフィ(初代) DATA
生産期間:2000年8月~2005年11月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:20万~40万円
 

日産ブルーバードシルフィ ▲年配者でも気負わずに乗れる、コンサバティブなデザインが採用された初代ブルーバードシルフィ

■ブルーバードシルフィ(初代)の特徴
1959年にデビューした日本を代表する小型セダン、ブルーバード。通算10世代にわたり生産され、2000年8月にデビューした第11世代から、ブルーバードシルフィという名称に変更された(デビュー後1年はU14系ブルーバードと併売)。

ブルーバードはモータースポーツで活躍し、スポーティグレードの「SSS(スリーエス)」も設定されていた。だが、ブルーバードシルフィは上質なコンパクトファミリーセダンに路線変更した。

エクステリアは落ち着きのある雰囲気で、奥行感のあるグリルやボディを囲むように配置されたメッキのガーニッシュで高級感を演出している。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲前席中央のコンソールボックスにはポップアップ機能を採用。運転時に腕が起きやすいよう高さを調整できる

インテリアは温かみのある色を採用。ドアトリムやセンターコンソールにはバーズアイメープルの木目調パネルが設置され、高級で落ち着きのあるインテリアに仕立ててある。

「Gパッケージ」のシート表皮には高級素材のファインジャガード織を採用している。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲1.8Lエンジンは当時アメリカで発売された“世界で最もクリーンなガソリン車”と呼ばれたセントラCAと同じエンジン。触媒数を削減した排気システムでありながら、セントラCAと同等の排出ガス浄化性能を達成した

搭載エンジンと組み合わされるミッションは下記のとおり。

・1.5L:4速AT、5速MT
・1.8L:4速AT
・2L:6速マニュアルモード付きのCVT

日産ブルーバードシルフィ ▲マイナーチェンジでテールライトの形が変更されたことで、高級感が高められた

2003年2月には大規模なマイナーチェンジを実施。テールランプが横長のデザインから、当時の日産の高級車でも採用されていた斜めに切り込みが入ったスタイルに変更された。

インテリアは従来の明るいカフェラテ色に加えて、ブラックを新設定。運転席&助手席パワーシートや足踏み式パーキングブレーキ、オートライトシステムが採用され、上質さに加えて利便性も向上した。
 

■ブルーバードシルフィ(初代)の中古車相場
デビューから20年以上経過していることもあり、現存している中古車はかなり少ない。

1.5L、1.8L、2Lとすべてのエンジンタイプの物件が流通しているが、それぞれ選択肢はごくわずかだ。

中古車相場は既に底値に達していて、年式による価格差はほとんどない。

おそらく近場での移動で使われていた物件がほとんどなのだろう。この年式ながら、走行距離の少ない物件が多くなっている。

年式が古いだけに走行距離はひとつの目安として選択肢を絞り、実車で状態をよく確認するという選び方をしてほしい。

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ブルーバードシルフィ(2代目)の特徴と中古車相場

■ブルーバードシルフィ(2代目) DATA
生産期間:2005年12月~2012年12月
中古車流通量:約70台
中古車価格帯:20万~60万円
 

日産ブルーバードシルフィ ▲縦長の大きなヘッドライトを採用し、イメージがガラリと変わった2代目ブルーバードシルフィ

■ブルーバードシルフィ(2代目)の特徴
先代は子育てが終わった世代をターゲットにしたコンパクトセダンだったが、2代目ブルーバードシルフィは大人の女性をターゲットしたモデルに生まれ変わった。

プレミアムセダンのティアナが取り入れたモダンリビングという考え方を取り入れ、“おもてなしと気配りのラグジュアリーサルーン”をコンセプトに開発されているのが特徴だ。

エクステリアは曲面を多く取り入れ、上品な美しさを表現。大きなヘッドライトとワイド感のあるグリルは当時の日産の上級モデルとの関連性がつけられている。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲上質感のある内装。モダンリビングコンセプトをベースにデザインされた

インテリアは、モダンなイメージとリラックスできる空間を表現。さらに、大人の女性が乗りたくなるようなエレガンスさも取り入れられている。

それを象徴するのが、北欧家具を連想させる落ち着いた雰囲気の木目調パネルだ。

センターコンソールはインパネに近づくにつれ緩やかに上がるカーブをつけて、高級感を演出した。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲シートは二枚貝が開いたようなデザインに

室内空間は1876mmの室内長を確保。リアシートは国産上級車を上回る680mmのニールームが確保されたことで、大柄の人でもゆったり座ることができる。

シートサイズも当時の同クラスのセダンより大型のものが設置されている。シート表皮には肌ざわりのいいシルキースエードが採用された。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲女性ユーザーの利便性を考え、センターコンソールにはハンドバッグを入れることができるスペースを設置

センターコンソールには9.7Lという大容量の収納スペースを設置。

ハンドバッグを入れることを想定するなど、女性ユーザーの使い勝手が考えられている。
 

日産ブルーバードシルフィ ▲オートドライビングポジションシートは、ドアにあるスイッチでも作動させることができる

運転席は2名分のシートポジションやドアミラー位置を記憶できる、オートドライビングポジションシートを採用。夫婦で使う際もそれぞれが持っているインテリジェントキーでドライバーを認識し、すぐに自分の快適なポジションに合わせてくれる。

搭載エンジンは4速ATと組み合わされる1.5Lと、CVTと組み合わされる2Lの2種類。2Lエンジンは日常走行で使用頻度の高い2000rpmで、最大トルクの90%を発生する。

2012年の販売終了まで、いつくかの改良が加えられている。主なものは下記のとおり。

【2007年5月 一部改良】
・リアドア、リアサイド、リアウインドウに濃色ガラス(UVカット)を採用
・「20M」にバンパー組み込み式フォグランプを採用
・ワンタッチクリーンシステム付きのインテリジェントエアコンシステムを採用

【2009年5月 一部改良】
・メーターデザインを変更
・燃費表示機能付きの液晶オド・ツイントリップメーターを採用
・センタークラスターまわりのデザインを変更
・ボディカラーに新色5色を採用。全7色に
 

■ブルーバードシルフィ(2代目)の中古車相場
2代目ブルーバードシルフィの中古車平均価格は30万円を切っており、初代同様に底値に達しているとみていいだろう。

流通している中古車のうち、1.5Lエンジン搭載車は15台弱、2Lエンジン搭載車は約60台だった。車格にあった余裕ある走りを楽しむうえでも、2L車に的を絞って探すのがオススメだ。

総額35万円以下の最安値帯でも、2Lのメイングレードである「20M」で走行距離5万km前後のものが見つけやすい。

総額60万円前後の高価格帯は最終年式の低走行車が多い。改良が重ねられているため装備充実派なら、このあたりを中心に探してほしい。

2代目ブルーバードシルフィはデビューした頃のモデルは税金が重課の対象になっているので、少しでも新しいものが欲しい人は予算を60万円前後に設定して中古車を探してみよう。
 

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※記事内の情報は2021年9月5日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL