ホンダザッツ ▲「あれだっ」と思わず言ってしまうような親しみをもてるようにという意味で「That's(ザッツ)」とネーミングされた

ホンダ ザッツの中古車は今

2002年2月に登場したザッツは、「さりげなく使える日常的な身の回りのモノ」をコンセプトに開発された箱型の軽自動車だ。

直線と丸みを組み合わせた独特のフォルムが特徴だったが、押し出し感のあるモデルを求める時代の波に勝てず、2007年6月に1代限りで販売が終了した。

現在の中古車流通台数は約110台と同年代の軽自動車と比べれば少ないが、平均価格は16.1万円でライバルモデル同様にかなりお手頃な価格になっている。

ここからはホンダ ザッツの特徴や中古車相場について紹介する。

 

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ザッツ(初代)の特徴と中古車相場

■ザッツ(初代) DATA
生産期間:2002年2月~2007年6月
中古車流通量:約110台
中古車価格帯:10万~70万円
 

ホンダザッツ ▲「気取らない、飾らない、さりげない」を掲げてデザインされたシンプルなデザイン。グレード構成もシンプルで、NAとターボ車それぞれに2WDと4WDが用意されたのみ

■ザッツの特徴
2001年10月の東京モーターショーでコンセプトカー「w・i・c」としてお披露目されたザッツ。翌2002年2月に正式にデビューした。

一見トールワゴンに見えるが、全高はベースとなったライフに比べて+15mm高い程度で、当時の人気モデル、スズキ ワゴンR(2代目)よりも約20~70mm低い。

「モノ感」のあるデザインは、同年10月に登場し後に大ヒットする日産 キューブ(2代目)にも通じるところがあった。

しかし、当時はムーヴの「カスタム」やワゴンRの「RR」をはじめ、押し出し感のある車が人気になってきた時代。そのため販売は低迷してしまった。

しかし、今見れば「モノ感」のある軽自動車はむしろ新鮮に見える。
 

ホンダザッツ ▲リモコンキーでドアを施解錠するキーレスエントリー・システムや、全席パワーウインドウは標準装備。NAは12インチ、ターボ車は13インチのスチールホイールが標準

また、ライバルモデルが当時4速ATだったのに対し、3速ATだったことも不振の一因と言えるだろう。

搭載されたエンジンは660ccのNA(自然吸気)とターボの2種類。2WD(FF)と4WDが用意された。

ライフに対して室内長で+25mm、室内幅+15mm、室内高+5mmと室内空間が広げられたが、後席の膝元は決して広くはなく、見た目と合わせて「都心のコンクリート打ち放しのワンルーム」といったところ。

4人が乗って移動する車というよりは、パーソナル感が重視されたモデルだ。
 

ホンダザッツ ▲ステアリングの前にある一眼メーターにはスピードメーターが大きく表示されているが、タコメーターも備えられた。マニュアルエアコンが標準で、オートエアコンはオプション

販売巻き返しのため、特別仕様車が2度投入された。

【2002年10月 特別仕様車を追加】
・「アイテム」:プライバシーガラスや電動格納ドアミラーを備えながら価格を下げたモデル

【2004年10月 特別仕様車を追加】
・「スペシャルエディション」:オーディオレスとして価格を大幅に下げたモデル

2006年3月にはマイナーチェンジが行われたが、同年2月に登場した後継モデルとなるゼストがデビューしたことで、ターボ車が廃止されている。
 

ホンダザッツ ▲リアシートもリクライニング機能が備わる。リアシートを倒してラゲージを拡大できる他、運転席&助手席の背もたれを後席側に倒してフロントフルフラットをつくることもできた

■ザッツの中古車相場
販売終了から10年以上経っているため、約9割の物件が走行距離5万km以上となっている。

そのため総額15万円以下の最安値帯には、走行距離10万km前後の物件が多い。実車でコンディションを見て、購入を判断するようにしよう。

ほとんどがNA車で、ターボ車は全体の2割に満たない。とはいえ、ターボ車とNA車との価格差はほとんどないので、年式や走行距離、キズの有無などが同じなら出足の良いターボ車がオススメだ。

走行距離5万km以下の中古車は全体の約1割だが、それでも総額30万円以内で十分狙える。

4WD車はほとんどないが、その希少価値ゆえ2WDよりはやや価格が高めになっている。
 

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※記事内の情報は2021年9月10日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/ホンダ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。