スズキ ソリオ▲2011年に登場した2代目から両側スライドシートを備えるようになり、一気に人気が高まったスズキ ソリオ。この3代目では小型乗用車専用の新プラットフォームとなり、さらに魅力がアップした。標準モデル(写真左)に加え、専用のエアロを装備したバンディット(写真右)もラインナップされていた

値崩れしなかった人気車もフルモデルチェンジでようやく下落傾向に

両側スライドドアが備わる、全長約3.7mのコンパクトワゴン、スズキ ソリオ。

この3代目では、同時期にトヨタ ルーミー/ダイハツ トールというガチンコライバルが現れたが、つまりはそれだけ世の中のニーズをしっかりつかんでいたモデルという証しでもある。

中古車の人気も高く、なかなか値崩れしなかったのだが、2020年12月に4代目へとフルモデルチェンジを果たすと、旧型となった3代目は下落傾向が鮮明になり、ようやく手頃な価格で狙えるようになってきた。

その詳細を下記で見ていこう。

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スズキ ソリオ(3代目)×全国 ※車両価格昇順

高年式車や低走行車から減り始めている

売れている車だけに中古車も多く、2020年2月には掲載台数は2000台に突入。台数はその後も順調に増え続けていった。

しかし、2020年12月のフルモデルチェンジを受けると、2021年2月の2860台をピークに、今度は下がり続けている。

フルモデルチェンジを待って、その直後に安くなった旧型の中古車を狙おうと考えていた人が多かったということだろう。

これだけ需要があれば中古車価格が値落ちしにくくなってもおかしくないのだが、グラフのとおり、フルモデルチェンジ後はグングンと値落ちを続け、今年8月には平均価格が132.9万円まで落ちてきた。

つまり、支払総額で見ると150万円くらいでも十分狙える中古車が増えてきたということだ。

スズキ ソリオのグラフ▲2021年2月までは順調に掲載台数を増やしていたが、その後は右肩下がりの状況が続いている
スズキ ソリオのグラフ▲新型・4代目が登場した2020年12月から2ヵ月後、平均価格の下がり方が加速し、直近8月には130万円台前半まで落ちている

これは、前述のとおりフルモデルチェンジ直後に旧型の中古車、特に高年式車や低走行車を狙った人が、比較的多かったためだと考えられる。

中古車価格の高い高年式車や低走行車が減ったことで台数自体は減ったが、逆に低年式車や多走行車など、比較的価格の安い物件の占める割合が増えたため、平均価格としては下がっているというわけだ。

しかし、原稿執筆時点で走行距離5万km未満の中古車が占める割合は8割以上と、まだまだコンディションの良い中古車の選択肢は豊富なため、そこまで焦る必要はないだろう。

とはいえ、この先は高年式車や低走行車が増えることはないだろうから、コンディション重視で旧型ソリオを検討しているなら、今のうちに探し始めるのが賢明といえそうだ。

それでは、3代目ソリオとはどんな車だったのか、改めて振り返ってみよう。

両側スライドドアを備えたコンパクトなハイト系ワゴン

スズキ ソリオ▲全長3710mmm(標準モデル)ながら全高は1745mmあり、また室内長も2515mmあるなど室内空間は広々としている。その割に最小回転半径が4.8mと小回りも利く。写真は標準モデル

2015年8月に登場した3代目ソリオ。2代目が軽自動車のパレットのプラットフォームを利用したのに対し、3代目では小型乗用車専用に新設計されたプラットフォームが用いられた。

軽量で剛性の高いこの新プラットフォームによって、乗り心地やハンドリングが向上している。

当初搭載されたパワートレインは、1.2Lエンジンと1.2Lエンジンに小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。いずれもトランスミッションはCVTとなる。

さらに、翌2016年11月には駆動用モーターを備え、モーターのみでも走れるハイブリッドモデルも追加された。こちらのトランスミッションは2ペダル5速MTの5AGSが組み合わされている。

ちなみに2WDの燃費を比較すると、1.2L車が24.8km/L、マイルドハイブリッドが27.8km/L、ハイブリッドが32.0km/Lとなる。

スズキ ソリオ▲2代目よりも60mm開口幅が広げられた後席スライドドア。助手席側はワンアクションで開閉する「ワンアクションパワースライドドア」が全車に標準装備されている

一方、見た目では標準モデルと、2代目で追加された押し出し感のあるフロントマスクの「バンディット」が、3代目でも引き続き設定されている。

ステレオカメラ式の衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能、クルーズコントロールなどは「デュアルカメラブレーキサポート」としてセットでオプション設定された(グレード「G」をのぞく)。

ただし、オプションといっても「デュアルカメラブレーキサポート装着車」として、1グレードのように販売されていたので装着率は高い。

スズキ ソリオ▲2段構えのLEDヘッドライトやワイド感が強調されたリアバンパーが特徴のバンディット

2018年7月には「デュアルカメラブレーキサポート」に、夜間の歩行者を検知する機能やアダプティブクルーズコントロール、ハイビームアシスト、後退時ブレーキサポート機能が追加された

デビュー時の車両本体価格は1.2L車が145万4760~158万1120円、マイルドハイブリッド(グレード名は標準モデルが「ハイブリッドMX」「ハイブリッドMZ」、バンテッドが「ハイブリッドMV」)は169万5600~196万7760円、ハイブリッド(グレード名は標準モデルが「ハイブリッドSX」「ハイブリッドSZ」、バンテッドが「ハイブリッドSV」)は191万7000~206万2800円。

スズキ ソリオ▲スマートフォンと連携できたり、駐車時などに自車を俯瞰で見られる「全方位モニター付きメモリーナビゲーション」もオプション設定(装着車として販売)されている(グレード「G」をのぞく)
スズキ ソリオ▲後席はスライド&リクライニング機能付き。ラゲージ側から簡単に後席を倒すことができる。ラゲージ床下にはサブトランクも備えられていた

台数が多くて選びやすく、燃費もいいマイルドハイブリッド車が狙い目

先述のとおり、ソリオは大別するとガソリン車とマイルドハイブリッド車、ハイブリッド車の3タイプがある。

その中で今回オススメしたいのは、マイルドハイブリッド車だ。ガソリン車と比べて燃費がいいことはもちろん、ハイブリッド車より台数が圧倒的に多いため、好みや予算、コンディションの条件に応じて選びやすいからだ。

さらに、今の時代に車を購入するなら、やはり衝突被害軽減ブレーキが備わる「デュアルカメラブレーキサポート」付きをオススメしたい。

つまり具体的には、標準モデルなら「ハイブリッドMX」「ハイブリッドMZ」、バンテッドなら「ハイブリッドMV」で、「デュアルカメラブレーキサポート装着車」の中古車がオススメとなる。

なお、標準モデルの「ハイブリッドMZ」は「ハイブリッドMX」に対し電動スライドドアが両側になる他、ディスチャージヘッドライトやフォグランプが備わるなど、装備は充実しているが、価格差はほとんどない。

台数は「ハイブリッドMX」よりも少ないが、もし「ハイブリッドMZ」で条件に合う物件が見つかったら、積極的に選んで正解だ。

バンディットを加えた3グレードの価格差はほとんどないため、まずは見た目で標準車かバンディットかを決めるようにしよう。

台数はバンディット「ハイブリッドMV」の方が多くて選びやすいが、どれも走行距離5万km未満の物件が支払総額120万円前後から狙える。

▼検索条件

スズキ ソリオ(3代目)×標準モデル×マイルドハイブリッドグレード×デュアルカメラブレーキサポート装着車×全国

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スズキ ソリオ(3代目)×バンディット×マイルドハイブリッド×デュアルカメラブレーキサポート装着車×全国

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スズキ ソリオ(3代目)×全国
文/ぴえいる、写真/篠原晃一、スズキ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。