ホンダエアウェイブ▲取り回しのいいスモールワゴンに大きなガラスルーフを与えたことで、サイズ以上の開放感が演出されたエアウェイブ

ホンダ エアウェイブの中古車は今

フィットで定評があったセンタータンクレイアウトを採用したことで、5ナンバーサイズとは思えない積載性と居住性を実現したホンダ エアウェイブ。

上級グレードにはパドルシフト付きのCVTが装備され、後期型にはエアログレードが設定されるなど、スポーティな一面も持ち合わせている。

約80台の中古車が流通しているが、エアウェイブの大きな特徴であるスカイルーフ搭載車は少なめ。これは多くの人がワゴンとしての実用性を評価して選んでいたからだろう。

総額30万円以下で手に入る物件があるなど中古車相場はすでに底値に達しているとみられ、年式やグレードによる価格差も少なくなっている。

ここからはエアウェイブの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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エアウェイブ(初代)の特徴と中古車相場

■エアウェイブ(初代) DATA
生産期間:2005年4月~2010年8月
中古車流通量:約80台
中古車価格帯:10万~60万円
 

ホンダエアウェイブ ▲角が取れたスタイルにより、近未来的な印象を受ける外観デザイン
ホンダエアウェイブ ▲テールゲートガーニッシュとリアコンビランプ上部レンズが一直線に見える意匠でワイド感を演出している

■エアウェイブ(初代)の特徴
エアウェイブ最大の特徴は、開放的な気分で移動ができる広大なガラスルーフを装備しているという点だ。

同時期に登場した3列シートミニバンの日産 ラフェスタも大きなガラスルーフを備えたモデルだったが、エアウェイブは5ナンバーサイズのステーションワゴンになる。
 

ホンダエアウェイブ ▲広大なガラスルーフで圧倒的な開放感を実現

“エアリーキャビン”をコンセプトに開発されたエアウェイブのスカイルーフは、前後1110mm×左右770mmという広大な開口部を備える。

使用されるのはプライバシーガラスと高熱線吸収UVカットガラスなので、真夏の強い日差しは遮り、外からの視線にも配慮されている。さらに、挟み込み防止機能付きの電動サンシェードも備わる。

初代フィットをベースにホイールベースを100mm延長。加えて、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトも採用したことで、一般的な5ナンバーサイズのステーションワゴンより遥かに広い室内空間を持ち合わせている。
 

ホンダエアウェイブ ▲後席格納時は背もたれを倒すと自然に座面が沈み込む。これにより荷室の高さを確保した

“カジュアルトランク” と名付けられたラゲージルームは、座席スペースとは異なる素材を使うことで、ワゴンながら人の場所と荷物の場所が明確に分けられている。

ラゲージルームのサイドは樹脂素材が使われているので、汚れなどを気にせず荷物を積み込めるようになっている。

ホンダエアウェイブ ▲後席の座面をチップアップすれば高さのある荷物を載せることも可能

ホンダ独自の低床パッケージにより、ラゲージルームの床面地上高は520mmと低く抑えられており、最低地上高が高いSUVなどと比べると重い荷物の積み込みも楽にできる。

また、床下には前後2ヵ所のアンダートレイが設置されている。

後席の背もたれを倒すと、前席を最も後ろまで引いた状態でも1810mmの荷室長の確保が可能。荷室高が900mmもあるのはセンタータンクレイアウトの恩恵だ。
 

ホンダエアウェイブ ▲インパネは鳥が羽根を広げて羽ばたく姿をイメージしてデザインされた

インテリアデザインも“エアリーキャビン”をテーマにデザインされている。スカイルーフによる開放感はもちろん、前方向の開放感もしっかり確保。インパネデザインは鳥が翼を広げた姿をイメージしたものだ。

フロントシートは腰が自然に奥に引き込まれる形状になっていて、ロングドライブでも疲れにくい構造になっている。後席は左右独立してリクライニングできる構造が採用された。

グレード構成はベースグレードの「G」と上級グレードの「L」の2構成。それぞれスカイルーフを搭載したモデルと、非搭載のモデルが用意された。

搭載されるエンジンは最高出力81kW(110ps)、最大トルク143N・m(14.6kg-m)を発生する1.5L VTEC。燃費は当時の10・15モードで18km/Lになる。

トランスミッションはCVT。上級グレードの「L」はパドルシフト付きの7速マニュアルモードを搭載している。

約5年の生産期間の中で、エアウェイブは何度か改良やマイナーチェンジが行われた。主なものは下記のとおり。

■2006年3月 一部改良
・イモビライザーを全グレード標準装備
・ホンダスマートキーシステムを全グレードオプション設定
・「G」、「Gスカイルーフ」にフルオートエアコンをオプション設定(「L」、「Lスカイルーフ」は標準装備)
・7インチワイドディスプレイのHonda HDDインターナビシステムをオプション設定

■2007年6月 一部改良
・グレードを「M」、「スカイ」の2種類に変更
・フルオートエアコンを全グレード標準装備

■2008年4月 マイナーチェンジ
・グレードを「M」、「ST(エアログレード)」の2種類に変更
・スカイルーフを全グレードオプション設定
・「M」にドアミラーウインカーやカラードテールゲートスポイラーを装備するSパッケージを設定
・新デザインのフロントグリル、フロントバンパーなどを採用
・マイクロアンテナの採用により全高が1530mm(FF車)、1545mm(4WD車)に ・内装をブラックで統一
 

ホンダエアウェイブ ▲エアロパーツでスポーティさを強調した「ST」。「ST」には本革巻きステアリング、パドルシフトなどが装備される

■エアウェイブ(初代)の中古車相場

デビューから16年以上経過していることもあり、前期型の流通量よりも2008年4月以降の後期型の方がやや多くなっている。

いずれも、ほとんどの物件が総額20万~60万円のゾーンで購入可能だ。相場は底値に達している感があり、前期型と後期型では価格帯に大きな差はない。

流通している中古車のうちスカイルーフを搭載したものは約30台で、価格帯は総額30万~50万円。そのうち20台が前期型になる。

後期型に設定されたエアログレードの「ST」は約20台流通していて、価格帯は総額40万~60万円だった。

総額50万円以上の価格帯にある中古車は、走行距離が5万km以下で修復歴がないものが中心。特定のグレードや年式が多いという傾向はなく、車両状態で価格が決まってきている印象だ。

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※記事内の情報は2021年8月15日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL