【マツダ デミオの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどまとめ
2021/01/10
マツダ デミオの中古車は今
マツダのエントリーモデルであるデミオは、1996年のデビュー以来、使いやすさと運転のしやすさにこだわってきたモデルだ。
これまで4世代にわたり生産され、2019年にはマツダの戦略で、世界統一名称のMAZDA2というネーミングに変更された。そのためデミオという名称のモデルは、もう中古車でしか購入することができない。
初代は登場から20年以上たっているということもあり、流通量がほとんどない。2代目は高めの全高で、おっとりとしたスタイルが特徴的。現行の小型車にはない独特の雰囲気を醸し出している。こちらも台数は少ないものの、7万km以下の物件が総額30万円ほどから見つけることができる。
3代目はデザインと走行性能が現代風に大きく変化しており、実用車を低予算で購入したいという人には最適のモデルだ。最安値帯は30万~50万円となっている。
そしてマツダの象徴のひとつともなっているディーゼルエンジンを搭載した4代目や現行型のMAZDA2は、小型車ながら高級感と多くの最新装備を備えたモデルだ。
ここではデミオとMAZDA2の特徴や中古車相場を、世代ごとに細かく紹介する。
▼検索条件
マツダ デミオ & MAZDA2 × 全国デミオ(初代)の特徴と中古車相場
■デミオ(初代)DATA
生産期間:1996年8月~2002年7月
中古車流通量:5台未満
中古車価格帯:20万~50万円
■デミオ(初代)の特徴
初代デミオは、最新のMAZDA2とは違うコンセプトで登場した。
当時は、ミニバンやステーションワゴンが盛り上がっていた時期だが、「コンパクトカーでも、荷物をたくさん積んで出かけられるように」という意気込みで開発されたモデルだ。そのため全高を一般的なハッチバックよりも高くし、リアシート背もたれのサポート部分を脱着式にすることで、荷室がフルフラットになるよう工夫されていた。
搭載エンジンは1.3Lと1.5Lの2種類。トランスミッションは1.3Lが3ATで、1.5Lが4ATを採用している。また、どちらのエンジンにも5MTが用意された。
■デミオ(初代)の中古車相場
約25年前にデビューしたモデルということもあり、現在、初代の中古車は数台しか流通していない。
相場はすべてが総額60万円以下で、中には総額20万円以下で買える物件もある。
年式が古い割に走行距離が少なめの物件が残っているのも特徴で、10万km以下のものが大半を占めている。エンジンは1.5Lが多くなっている。
▼検索条件
マツダ デミオ(初代) × 全国デミオ(2代目)の特徴と中古車相場
■デミオ(2代目)DATA
生産期間:2002年8月~2007年6月
中古車流通量:約70台
中古車価格帯:10万~50万円
■デミオ(2代目)の特徴
2代目デミオは初代の利便性を踏襲しつつも、洗練された都会的なデザインに生まれ変わった。また、このタイミングでプラットフォームを刷新。乗り味も向上されている。
搭載エンジンは新開発の1.3Lと1.5Lで、1.3Lが最高出力67kW(91ps)、1.5Lの最高出力は83kW(113ps)に向上した。また2003年には、デミオ初となる4WDモデルが追加されている。
グレード構成は、室内空間の居心地の良さを高めた「コージー」、スポーティな雰囲気で走りを楽しみたい人に向けた「スポルト」、ベーシックな「カジュアル」の3展開。コージーはメーカーオプションでキャンバストップを選ぶこともできた。カジュアルとコージーは1.3Lと1.5Lが選べるのに対し、スポルトは1.5Lのみの設定になっている。
初代ではリアシートを格納してフルフラットにする際、シートバックのパーツを外す必要があったが、2代目では簡単にシートが格納できるよう改良されている。
■デミオ(2代目)の中古車相場
現在、約70台の中古車が流通しており、その半数はベーシックな1.3Lのカジュアルの2WD車だ。このグレードだと高年式で低走行の中古車でも、総額50万円以内で購入可能になっている。台数が多いので、白やシルバー以外に、オレンジや青など明るい色も探すとことができ、ボディカラーにこだわりたい人は1.3Lのベーシックから探してみるのがいいだろう。
1.5Lのカジュアルは、数台と流通量はごくわずか。ただ、こちらもすべて総額50万円以内で走行距離も少なめなため、パワーに余裕が欲しい人は狙い目だ。
インテリアにこだわったコージーの物件は、1.3Lと1.5Lを合わせても5台程度とかなり少ない。
1.5スポルトは約10台の中古車が残っていて、半数がMT車という状況だ。スポルトはMTだと、一部総額50万円では買えない物件もある。それでも予算60万円見ておけば問題ないだろう。
▼検索条件
マツダ デミオ(2代目) × 全国デミオ(3代目)の特徴と中古車相場
■デミオ(3代目)DATA
生産期間:2007年7月~2014年8月
中古車流通量:約900台
中古車価格帯:10万~90万円
■デミオ(3代目)の特徴
3代目はデミオとして、大きな方向転換が行われたモデルだ。全高が高いスペースユーティリティに優れたハッチバックという立ち位置から、全高を低めにしたベーシックなハッチバックに舵を切ったのだ。
また、ホンダ フィットやトヨタ ヴィッツといったライバル車が、極力エンジンルームを短くして室内空間を広げるスタイルなのに対し、あえてエンジンルームを広めにとったスタイルを採用した。これは小さな車で躍動感あるデザインを表現するうえで欠かせないものだった。
現在のマツダは“魂動デザイン”に象徴されるように、躍動感ある美しさを表現しようとしている。3代目デミオが登場した当時は “魂動デザイン”のコンセプトは生まれていなかったが、これからのマツダが向かう先を示した重要なモデルだったと言える。
デザイン性を重視したからといって、機能面がおろそかになったというわけではない。室内スペースは身長185cmの人が座ることも想定し、コンパクトさと居住空間の広さを両立。荷室も普段使いには、十分な広さが確保されている。
ボディやシャシーも一新され、ベーシックモデルでもキビキビした走りを楽しめるようになった。中でもハンドリング性能は、先代より格段に向上している。
グレード構成は、新車時の車両価格が高い順に下記のようになる。
・1.3Lエンジン搭載車
13S>13C-V>13C>13F
・1.5Lエンジン搭載車
15C>スポルト
「13C-V」は新開発の1.3LミラーサイクルエンジンにCVTを組み合わせることで、燃費性能を高めたグレード。「1.5スポルト」は、大径ホイールやエアロパーツでスポーティさを際立たせ、CVTにマニュアルモードを搭載したグレードだ。スポルトは優れたハンドリング性能も相まって、「ガツガツした走りは苦手だが、適度にスポーティさを楽しみたい」という人から支持された。
2011年6月のマイナーチェンジでは、SKYACTIV技術を用いた1.3Lエンジンを搭載して、25.0km/L(JC08モード燃費)を達成した「1.3スカイアクティブ」が新設定されている。
■デミオ(3代目)の中古車相場
現在約900台の中古車が流通しており、前期型と2011年6月以降の後期型の比率はおおむね50:50という状況。スカイアクティブエンジン搭載車は、特別仕様車なども含めて170台ほど流通している。
中古車相場は10万~70万円と、かなり割安感があるといえるだろう。低価格帯は走行距離10万kmを超えたものが中心だが、コンディション重視なら総額50万円程度で5万km未満の物件が見つかる。
スポーティな走りを楽しみたいという人には人気のスポルトは、約70台が流通。中古車相場は20万~70万円とこちらも狙いやすい価格帯になっている。一方で2011年6月以降の後期型のスポルトは、流通量が10台未満とかなり少ない。
MT車は約60台と少なめだが、CVT車との価格差はほぼ見られない。
前期型は低価格帯だと総額20万円以下で買える物件も豊富にある。一方の後期型は、総額40万円以上は見ておきたいところ。その中で、1.3Lのベーシックグレードは、スカイアクティブエンジン搭載車との価格差はほとんどない。後期狙いなら、まずは「13 スカイアクティブ」から探し始めるのがいいだろう。
▼検索条件
マツダ デミオ(3代目) × 全国デミオ(4代目)の特徴と中古車相場
■デミオ(4代目)DATA
生産期間:2014年9月~2019年9月
中古車流通量:約2000台
中古車価格帯:40万~180万円
■デミオ(4代目)の特徴
4代目は「魂動デザイン」を採用し、躍動感とエレガントさをまとった高級感あるハッチバックへと進化。3代目に比べ全長が160mm、ホイールベース80mm延長し、ボディサイズがひとまわり大きくなっている。
フロントフェイスは大きな5角形グリルと、そこに絡むクロームのシグネチャーウイング、LED4灯ヘッドライトにより、CX-5やアテンザなどの上級モデルと共通する端正な表情に様変わりした。
先代で採用されたボンネットの長いデザインも進化し、スポーティであるとともに高級感を高めている。同時に、ボディの四隅ギリギリまで寄せられたタイヤが、小さくても踏ん張り感のある力強さを演出している。
インテリアは光沢感のあるカラーパネルやステッチなどにより、高級感が高められている。コックピットはドライバーが運転に集中できるよう、新世代のHMIを採用。メーター横のデジタルディスプレイやメーターフード上のアクティブ・ドライビング・ディスプレイなど、様々な情報を直感的に理解できるようになった。
エンジンは1.3LガソリンのスカイアクティブGエンジンに加え、新開発された1.5LディーゼルターボのスカイアクティブDエンジンを搭載。ディーゼルエンジンは2.5Lガソリンエンジン並みのビッグトルクと燃費性能を両立させている。トランスミッションはガソリンエンジンが6ATと5MT、ディーゼルエンジンは6ATと6MTが採用された。
2015年10月にはモータースポーツのベース車両として、1.5Lガソリンエンジンを搭載した15MBを追加。さらに、2018年8月にはガソリンエンジンが1.3Lから1.5Lに変更された。これにより走りにゆとりが生まれるとともに、実用燃費が向上している。
グレード構成は、新車時の車両価格が高い順に下記のようになる。
・1.3Lガソリンエンジン搭載車
13S>13C
・1.5Lガソリンエンジン搭載車
15MB(MTのみ)>15S>15C
・1.5Lディーゼルエンジン搭載車
XD
■デミオ(4代目)の中古車相場
4代目のデミオは現在、約2000台流通している。そのうち1.3Lガソリンエンジンは800台前後流通していて相場が40万~160万円、1.5Lガソリンエンジンは200台弱で70万~180万円、1.5Lディーゼルエンジンが最も多く1000台ほどで40万~180万円となっている。
ガソリンとディーゼルでは、新車時価格に約40万円の差があったが、中古車では同じような条件で比較するとそこまでの差はない状況だ。ディーゼルお得度が高まっており、走りに力強さを求めるならこの選択肢は外せない。
ただ、街中で乗る機会が多いしそこまでの力強さはいらないという人は1.3Lのガソリンエンジンを軸に選ぶのがいいだろう。低価格帯でもベーシックな「13C」だけでなく、安全装備が充実していて、デジタルタコメーターやBluetooth対応オーディオなどが標準装備となる「13S」も多く流通しているからだ。
走行5万km未満のものだと、総額70万円前後から見つかるようになっている。予算100万円程度見ておけば、豊富な選択肢から比較検討が可能だ。
▼検索条件
マツダ デミオ(4代目) × 全国■MAZDA2(現行型)の特徴と中古車相場
■MAZDA2(現行型)DATA
生産期間:2019年9月~
中古車流通量:約450台
中古車価格帯:100万~240万円
MAZDA2(現行型)の特徴
2019年7月、デミオはマイナーチェンジのタイミングでMAZDA2に車名を変更。高速走行時の車両の挙動を安定させる、G-ベクタリング コントロール プラスが全グレード標準装備になった。また、新しいスカイアクティブアーキテクチャーの考え方で設計されたフロントシートや、サスペンションも新たに採用された。
先進安全装備では、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(アダプティブクルーズコントロール)が全車速追従機構付きに変更するとともに、レーンキープアシストシステムを装備。さらに、夜間の危険認知を高めるアダプティブLEDヘッドライトも新たに設定された。
搭載エンジンは2018年8月以降のデミオ(4代目)と同様に、1.5Lガソリンエンジンと1.5Lディーゼルエンジンの2種類となっている。
MAZDA2(現行型)の中古車相場
MAZDA2の中古車は400台以上流通していて、ほとんどが走行距離1万km未満の低走行車だ。登録済未使用車も約10台流通している。
ガソリンモデルだと「15S」 は、約30台流通していて相場が110万~170万円。前席にシートヒーターが付き、スーパーUVカットガラスやIRカットガラスが標準装備となる「15S プロアクティブ」は約1000台あり130万~180万円。MAZDA2から採用された自動防眩ルームミラーや本革ステアリングが標準装備の「15S プロアクティブSパッケージ」は、約50台で150万~200万円という状況だ。
ディーゼルモデルだと「XDプロアクティブSパッケージ」が約70台流通していて130万~200万円。「XD Lパッケージ」は、70台ほど流通しており、相場は160万~230万円と高値安定となっている。
MAZDA2は年式が新しいこともあり、ディーゼルモデルの割安感はまだ少なめだ。高年式車を手頃な価格で買いたいならガソリンモデルが狙い目だろう。
台数は限られるが、内装が白本革となる「ホワイトコンフォート」や「100周年特別記念車」などの特別仕様のレアものもある。同じMAZDA2でも、他人とはちょっと違ったものを手に入れたいという人向きだが、台数が少ないため早めのアクションをオススメしたい。
▼検索条件
マツダ MAZDA2(現行型) × 全国※記事内の情報は2021年6月7日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 【スズキ MRワゴンの中古車を買うなら】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(中編)
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- マツダ CX-8の中古車流通量が増加中! 総額250万円からの選択肢が豊富に
- 【試乗】マツダ MAZDA3ファストバック|その特徴的なデザインにも負けないパワーユニットへ進化した「SKYACTIV X」
- 掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!