機能も走りもOKなのに相場は手頃! 良コスパなハイトワゴン軽自動車4選
2020/08/05
コスパ重視なら、「スーパー」じゃない方の軽ハイトワゴンで!
ひと昔前、いやふた昔ぐらい前は、軽自動車といえば「安いけど、安い分だけいろいろイマイチ」というのが当たり前でした。
しかし今や時代は変わり、下手な登録車(軽自動車ではない普通の車)以上にもろもろの出来が素晴らしい軽自動車がたくさん登場しています。
ただ問題は、「あまりにも出来が良くなってしまったため、軽のくせに高い!」ということです。
一番人気であるスーパーハイトワゴン、つまり「背がかなり高くて、後席にスライドドアが付いている」モデルを新車で買おうとすると、オプション装備込みで総額200万円を超えることが多いはず。
確かに出来は素晴らしいです。が、本当にその装備にお金をかけるべきかは怪しく、「コスパ」はさほど良好ではないように思えます。
しかし目先を少しだけ変えてみると、かなりコスパ良好な中古の軽自動車を探すことができます。
ポイントは、「背がすごく高い」から「背は普通に高いぐらいでOK」として、そのうえで「後席スライドドアはなくても構わない」と決めること。
つまり「スーパーハイトワゴン」ではなく「ハイトワゴン」を選ぶようにするだけで、中古軽自動車のコスパは、鬼のように向上する場合が多いのです。
では、現在の中古車マーケットにはどんな種類の「コスパ良好な軽ハイトワゴン」があるのでしょうか? 以下、具体的に見ていきましょう。
まずは、日産 デイズ(初代)の後期型!
まず最初に紹介したいのは、2013年6月から2019年2月まで販売された日産 デイズ(初代)。
2013年の登場時は軽ハイトワゴントップレベルの広さを誇った、使い勝手の良い1台です。
スーパーハイトワゴンほど背が高いわけではないのですが、乗降性向上のため後部シート回りの形状はかなり工夫されていて、荷室の側面にはベビーカーを入れやすくするためのくぼみも設けられています。
こちらの日産 デイズ(初代)を狙うのであれば、2015年10月に行われたマイナーチェンジ以降の「後期型」と呼ばれる世代が特に良コスパだと言えます。
というのも、後期型であれば、先進予防安全機能が全グレード標準装備となるからです。
具体的には、自動ブレーキの「エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」、横滑り軽減の「VDC」に加え、夜間走行時にハイビームとロービームを自動で切り替えてくれる「ハイビームアシスト」を搭載。
さらに赤外線(IR)を約70%カットする「IRカットガラス」も採用されているため、紫外線(UV)を約99%カットするスーパーUVカット断熱機能と合わせ、春から秋にかけての車内の快適さは前期型とは大違いです。
そして通常モデルよりもシャープでややワイルド系なデザインが好みだという場合は、「ハイウェイスター」というグレードを選べば十分満足できるでしょう。
総額100万円以下の物件の流通量はかなり豊富で、今回オススメの後期型に絞っても2020年7月下旬現在、500台前後が流通しています。
「使い勝手もコスパも良好な軽が今すぐ欲しい! 」という場合の有力候補だと言えます。
▼検索条件
日産 デイズ(初代)× 支払総額100万円以下 × 年式2016年以降 × 全国▼検索条件
日産 デイズ(初代)× 支払総額100万円以下 × 全国低燃費で安全装備も充実! ダイハツ ミライース(現行型)
近年の軽ハイトワゴンの中では特に燃費性能に優れ(FF車でJC08モード34.2~35.2 km/L)、なおかつ先進予防安全装備が最も充実しているのが、2017年5月にデビューしたダイハツ ミライース(現行型)です。
この車は、ダイハツの新しい軽量高剛性ボディ「Dモノコック」を採用するとともに、安全性と快適性を損なわない範囲で様々な軽量化に励んだことで、結果として「スーパー好燃費マシン」に仕上がったという1台です。
また世代的に新しいだけあって、運転支援および予防安全システムは、ダイハツの最新バージョンである「スマートアシストIII (SAIII)」を採用。
具体的には、 衝突警報や自動緊急ブレーキは車両だけでなく歩行者も検知するようになっており、その作動速度域も大きく拡大。
誤発進抑制制御機能については、前進時だけでなく後進時にも作動します。
さらに新機能として、高速道路などで特に威力を発揮する車線逸脱防止警報アラートや、夜道でも遠くにいる歩行者を見逃さないオートハイビーム機能が追加されているのが“スマアシIII”の特徴。
中古車の場合、「先進安全装備付き! 」とうたわれていても、実際のシステムは世代的にちょっと古かったりする場合も多いのですが、現行型ミライースであればそういった懸念もありません。
以上のとおり、安全装備についてはこのカテゴリー内では突出しており、総額100万円以下の物件流通量も豊富ということで、コスパはかなり高いと断言できます。
あえて難点を挙げるなら、新車からして安価なモデルであるため「高級感はあまりない」ということでしょうか。
ただ、「軽自動車に高級感なんて求めないよ」というのであれば、かなりいい選択となるはずです。
▼検索条件
ダイハツ ミライース(現行型)× 支払総額100万円以下 × 全国丸目ライトと豊富なボディカラーが◎ホンダ N-ONE(初代)
デビューは2012年といささか古く、今年の秋には新型が登場する予定ですが(※2020年7月下旬現在、新車の生産はすでに終了しています)、それでもデザインに関しては今なおクラス最強との呼び声高いのが、ホンダ N-ONE(初代)です。
往年の名作軽自動車「ホンダ N360」をデザインモチーフとしていて、最近の車には珍しい丸目のヘッドライトと、このカテゴリーでは唯一選択可能なツートーンカラーがとにかくステキ。
機能面では最新世代の軽ハイトワゴンに劣る部分もありますが、「デザインの良し悪しも、車の“パフォーマンス”の1つである」と考える人にとっては、十分に良コスパな選択肢だと言えるはずです。
またカラーバリエーションが豊富なため、「自分好みの色に出合う楽しみがある」というのも魅力の1つ。
さらにホイールベース(前後のタイヤとタイヤの距離)が長いため、比較的古い世代であっても直進安定性は良好。長距離移動が多い人にもオススメしたい1台です。
安全装備の面では、急ブレーキ時にハザードランプを高速点滅させ、後続車に注意を促す「エマージェンシーストップシグナル」を全車に搭載しています。
また2015年式以降の物件であれば、「G」を除く全グレードに、複数の安全機能がセットになった「あんしんパッケージ」を標準装備。
エアバッグシステムや、シティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)といった予防安全装備も手に入れることができます。
2017年2月には2度目のマイナーチェンジが行われ、イメージの異なる4グレードが新しく設定されました。
その中で最も安価な「スタンダード」は装備が飛び抜けて簡素なので、最低でも「スタンダード L」、できれば「セレクト」や「プレミアム」などのグレードから選ぶのが、結局は良コスパな結果となるでしょう。
▼検索条件
ホンダ N-ONE(初代)× 支払総額100万円以下 × 年式2015年以降 × 全国最後は、収納機能が光るホンダ N-WGN(初代)
同じメーカーのよく似た名前の軽自動車である「N-BOX」は、背がかなり高くて後席にスライドドアも擁しているスーパーハイトワゴン。
こちらの「N-WGN」は、まあまあ背が高く、後席ドアがヒンジタイプ(ちょうつがいでパタンと開くタイプ)となるハイトワゴンです。
で、こちらはそのホンダ N-WGNの初代モデルで、発売は2013年11月。
軽自動車の枠を超えた「欲張りなクルマ」を目指して作られ、室内幅は1355mmと軽トップクラスを誇ります。
後席は後ろに20cmスライドさせることができ、最大限下げた状態でもA型のベビーカーを立てて収納できるという荷室の深さも魅力的。
室内の収納スペースも豊富で、ボックスティッシュ4箱が収まるグローブボックスや、簡易的なテーブルとしても使えるドリンクホルダー付きの「センターコンソールスライトドトレー」を装備。
濡れた傘や置き靴などの、置き場所に困る物をリアシート下にすっきり収納できる「リアシートアンダートレー」も装備されるなど、見た目以上に使い勝手の良い車だと言えます。
オススメは、複数の安全装備がセットとなった「あんしんパッケージ」付きの「G Aパッケージ」グレード。
エアバッグシステムや、シティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)といった先進予防安全装備を手に入れることができます。
2019年8月にフルモデルチェンジされて2代目(現行型)が発売となった関係で、初代N-WGNの流通量は今まさに増加傾向。意中のグレードをぜひゲットしてください。
▼検索条件
ホンダ N-WGN(初代))× 支払総額100万円以下 × 「G Aパッケージ」グレード × 全国▼検索条件
ホンダ N-WGN(初代)× 支払総額100万円以下 × 全国
カーセンサー9月号(2020年7月18日発売号)では、総額100万円以下で手に入るオススメ軽自動車を20モデル紹介しています。
今回紹介した4モデル以外にも、今買いな厳選軽自動車をピックアップしているので、こちらも合わせてチェックしてみてください!
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
あわせて読みたい
- 【スズキ MRワゴンの中古車を買うなら】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 2022年モデルのGT-Rニスモ、スペシャルエディションを投入
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(後編)
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(前編)
- VIP=セダンの時代は終わった!? ラージサイズミニバンの2列4人乗り仕様で、極上の贅沢を味わおう