ブーム先取り!? 今こそ考えたいピックアップトラックという選択|Carsensor IN MY LIFE

「荷台が便利そう」は間違い!? 不便なところまで好きになれる

ついにくる! と言われながら、ピックアップトラックブームの兆しは細く長くテンションを保ち、その時を待っている。そして2017年秋、限定車ではないカタログモデルとして、名車ハイラックスサーフが復活! さらに、あのメルセデス・ベンツもピックアップをリリースするという噂も。ブーム到来に備えて、ピックアップトラックを先取りする好機だ。

スズキ ジムニー

わざわざ「ワイルドだろう~」と言わなくてもいい

「ピックアップトラックの魅力は汚れた荷物もサッと積めること」。これは間違っていないが、すべてではない。そもそもピックアップトラックは、これといって荷物を積む予定がないオーナーからも選ばれる。

理由はシンプル。スタイリッシュで、存在感たっぷりにワイルドだから。ヘビーデューティな革ジャンや、1000m防水のダイバーズウオッチをサラリと身につける感覚に近い。そう、ピックアップトラックはファッションだ!
 

スバル サンバー

おそろしくタフ! 基本設計はどこまでも骨太

重い荷物を積んで荒地を往く。これはピックアップトラックの宿命でもある。だから、ラダーフレーム構造と呼ばれる屈強な骨格が採用される。サスペンションアームなども野暮なほど骨太。

結果、一般的な乗用車とは比べ物にならないほどタフ。中東やアフリカなど、過酷な土地で暮らす人からも、その頑丈さで信頼を得ているほどだ。もちろん、日本においても、その信頼性は期待できる。ピックアップトラックならどこまででも走れる!
 

スズキ ハスラー

クリエイティビティを刺激、もしくは試される

ある意味、ピックアップトラックの荷台は未来からやってきた猫型ロボットのポケットにも似る。「そこに何を収めるか」。 荷台は、無限の可能性を秘めている。ジェットスキーやウインドサーフィン、スノーボードのギアなど珍しくもない。

荷台をどう使うかで、ドライバーのセンスが試されると言っても過言ではない。例えば、キャンピングユニットを積んでキャンパーとして全国を旅するのもよいだろう。その価値はアナタ次第で無限大だ。
 

ダイハツ コペン

まるでアトラクション! “ワンダーランド”が待っている

ひと言でピックアップと言っても、日本を含むアジアを中心に活躍してきたモデルと、北米のフルサイズピックアップでは乗り味が異なる。前者のハイラックスやダットサントラックは実用的なトラックフレーバーが強め。硬派な乗り味だ。

後者のタンドラやエクスプローラースポーツトラックなどは、むしろ乗用車フレーバーが強い。乗り心地も望外にマイルドだ。ただ、いずれもアイポイントが高くて爽快な気分になれることは共通。これだけでも「買い」だ。
 

便利も不便も楽しめるから、2倍おいしい

たしかに荷物を積めるが、正直使い勝手が良いとは言い難い。雨が多い日本の場合、荷台の荷物が濡れてしまうので、評価が分かれるのだ。そのあたりが「日本にもピックアップブームが来る」と言われながら爆発しない一因だろう。だが、そんな不便さも楽しんでしまおうというスタンスこそ、ピックアップトラック選ぶの秘訣。そこをクリアすれば選択肢は充実している!
 

米国トヨタ タンドラ

米国トヨタ タンドラ

ピックアップの本場、北米で大人気

フルサイズと呼ばれる大きさのピックアップトラックは、北米とりわけ内陸部においては荷車ではなく、日常の足として使われる。ある意味、セダンのような正統派の存在だ。その本場、北米で人気のタンドラはトヨタ車でありながら輸入車となる。主にV8エンジンを積んでおり、乗り心地はトラックというより乗用車のようにマイルド。クルーマックスというグレードが4ドアダブルキャブ(シートが2列以上ある仕様)だ。

2代目:2007年1月~
車両価格帯:189万~808万円
ボリュームゾーン:240万~500万円
 

マツダ プロシード

マツダ プロシード

使い方次第によってバリューも高まる

2ドアのピックアップトラックだがキャビンが少し長い。マツダが「キャブプラス」と呼ぶスタイルは、前席の後ろに折りたたみ式の座席が備わる2+2で、4名乗車となっている。2名乗車であるシングルキャビンのスマートなシルエットと、2列シートであるダブルキャブの利便性の良いところ取りだ。それでいながら荷台も長くてスタイリッシュ! ただ、このため全長が5mを超えるので1ナンバー登録となる。

3代目:1990年1月~1999年1月(国内)
車両価格帯:30万~130万円
ボリュームゾーン:43万~133万円
 

トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ

トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ

帰ってきた「ナナマル」の超目玉

期間限定で国内販売されたランドクルーザー70には4ドアバンに加えて、ピックアップモデルも存在する。5人乗りのダブルキャブ仕様で全長は軽く5mオーバー。ホイールベースは3180mmもあり、率直なところ小回りは苦手だ。しかし運転席に座って走り出すと、見晴らしの良さにともなう乗車感覚は独特の爽快感をもたらしてくれる。他のクルマでは味わえない“ワンダーランド”を求めるなら、迷わずこれだ!

絶版:2014年8月~2015年6月
車両価格帯:289万~578万円
ボリュームゾーン:310万~400万円
 

フォード エクスプローラースポーツトラック

フォード エクスプローラースポーツトラック

ピックアップスタイルのスポーツカー

アメリカを代表するピックアップがフォード F150。フルサイズのそれに対して、日本の道路事情にもマッチするのが弟分とも言えるエクスプローラースポーツトラックだ。SUVであるエクスプローラーのピックアップ版であり、エンジンは4.0LのV6。最高出力は213馬力にもなる。ミッションは5速ATであり、普段は後輪駆動。しかし、必要に応じて前輪も駆動するクレバーな4WDシステムを搭載している。

絶版:2006年~2010年
車両価格帯:69万~319万円
ボリュームゾーン:160万~280万円
 

いつかは乗りたいピックアップトラックはまだまだある

ピックアップトラックの選択肢は意外にも充実しており、予算に合わせて選べる。ダッジ、シボレー、フォードといった海外ブランドのフルサイズの他、ダットサントラックやトライトンなど、国産ブランドの中古車もある。中古車相場はほぼ高値安定していて、下取りも高い傾向にある。流行に関係ない人気があると考えていい。相場が低空飛行になるのを待つのは機会損失。欲しいときが買い時だ。
 

▼検索条件

トヨタ タンドラ(現行型)&マツダ プロシード(3代目)&トヨタ ランドクルーザー70 ピックアップ&フォード エクスプローラースポーツトラック&日産 ダットサン&三菱 トライトン&シボレー シルバラード×修復歴なし
文/ブンタ イラスト/コットンズ 写真/米国トヨタ、マツダ、トヨタ、フォード、日産、三菱、シボレー