BMW 1シリーズ▲写真は総額50万円以内の物件が増えてきたBMW 1シリーズ。コンパクトカーとしては珍しいFR(後輪駆動)で、それゆえステアリングにエンジン由来の微振動が上がってきにくく、気持ちよいステアリング操作が行える

見た目だけじゃない! 使い勝手や走行性能など違いのわかりやすい輸入車4選

総額50万円というお手頃価格で狙えるコンパクトカーというと、トヨタ ヴィッツ(2代目)やホンダ フィット(2代目)、日産 ノート(初代)など、国産モデルを中心に様々なモデルから選ぶことができる。

今から10年以上前のモデルとなるが、まだまだ現役で活躍してくれるモデルばかりだろう。

しかし、どれも似通っていて個性に欠けるという一面も……。

そこでターゲットを少し広げて、輸入車にも目を向けてみてはいかがだろうか?

同じ総額50万円で狙えるモデルでも、デザインはもちろん使い勝手や走行性能において、他車にはない魅力を備えている個性派モデルが多い。

50万円という予算から考えると、初めての車という場合も多いだろうが、家族1人に1台というようなエリアに住んでいて、すでに家族で乗れる国産ミニバンやSUVが1台あれば、自分の趣味車兼通勤通学用としても選ぶというのもアリではないだろうか。

中には、手頃な価格で入手できるため、あえてこの予算で買える輸入車を、あれもこれもと乗り替えて楽しむ達人もいるという。

実にうらやましい限りだが、それくらい、個性あふれる輸入コンパクトカーがあるということだ。

もちろん輸入車ゆえ燃料がハイオク指定であったり、故障時の修理代などの点で、国産コンパクトモデルよりもランニングコストが割高という点はある。

それでも一度はチェックしてほしい魅力的なモデルが、たくさんあるのだ。

今回は支払総額50万円以下から狙えて、国産車とは違うぞ! がわかりやすい輸入コンパクトカーを4台紹介しよう。

貴重なFRコンパクトカーで、駆けぬける歓びを楽しもう
BMW 1シリーズ(初代)

BMW 1シリーズ▲全長4240mm×全幅1750mm×全高1430mm(116i)。プラットフォームは3シリーズ(E90型)と共有。つまりコンパクトハッチバックとはいえ、サルーンとベースは同じなのだ。パンクの心配が不要なランフラットタイヤを備える
BMW 1シリーズ▲バックミラー一体型のETCや、iPhoneなどを有線で接続できるAUX端子付きオーディオ、純正HDDナビなどが用意されていた(写真は本国仕様のMTモデル)

このクラスでは、国産/輸入車を問わずFF(前にエンジンを搭載し、前輪を駆動させる)を採用するのが定番。

その方がボディサイズはコンパクトでも、広い室内を確保できるからだ。

そんな中で唯一のFR(前にエンジンを搭載し、後輪を駆動させる)を採用したのが1シリーズだ。

FRは、確かにFFよりも室内、特に後席は狭くなりがちだ。けれど後ろにちゃんと3人乗れる必要十分なスペースは確保されている。

FFコンパクトカーのうたい文句のように「サルーン並みの膝元スペース」や「開放感のある頭上」は本当に必要なのか? 普段は1~2人でしか乗らないようなら、1シリーズをせひ検討してほしい。

むしろ、たっぷり享受してほしい部分は他にある。

例えば、エンジンからの動力が伝わらない前輪を操作するため、運転時にステアリングに妙な微振動が入ってこない。

また、前輪は車の操舵という機能に集中できるので、優れた操作性が味わえる。

さらに、エンジンルームに機器などが集中するFFと比べて、FRはバランスよくエンジンやミッションなどを配置できるため、前後の重量バランスがよくなり、走行姿勢が安定しやすい。

高級セダンにFRが多いのは、こうしたメリットを重視しているという理由もある。

ちなみに「駆けぬける歓び」を掲げるBMWは、重量バランスを前後50:50にこだわるメーカー。この1シリーズももちろんこの黄金比率を採用している。

2004年9月に登場した1シリーズ。ラインナップは1.6Lの116i、2Lの118i(前期のみ)、118iより高出力な2Lの120i、3Lの130iがある。

トランスミッションは6速ATの他、130iには6速MTも用意された。

130iが追加された2005年10月時点での車両本体価格は293万~498万円。

原稿執筆時点(2020年7月1日)では、支払総額50万円以下の物件が、2004~2007年式を中心に30台以上見つかった。

116i、118i、120i系が中心だが、走行距離は10万km超のものであれば、ハイパワーモデルの130i系も狙える。

▼検索条件

BMW 1シリーズ(初代)×総額50万円以下×全国

ワゴンよりも広いラゲージと、安定感ある走りが50万円で手に入る
メルセデス・ベンツ Bクラス(初代)

メルセデス・ベンツ Bクラス▲全長4270mm×全幅1780mm×全高1605mm(B170)。オプションのパノラミックルーフは、2枚のシェードで光の入り方を調整できる。フロントの足回りにコーナリング時のロールを抑える機構を採用している
フメルセデス・ベンツ Bクラス▲インテリアデザインは、基本同社コンパクトハッチバックのAクラスと同じだが、メッキ加飾などのあしらわれ方などで差別化が図られている。2008年8月のマイナーチェンジでエクステリアデザインの変更とともにインテリアの質感も向上している

コンパクトでも車内は広い方がいい、買い物に行っても荷物を載せるのに困るのは嫌、という人には、Bクラスがオススメだ。

メルセデス・ベンツ初となるコンパクトハッチバック・Aクラスをベースに、ホイールベース(前輪と後輪の距離)を伸ばして広い空間とラゲージが備えられた。

2006年にメルセデス・ベンツのライナップに加わったBクラス。

室内を広くしやすいFFであることに加え、ホイールベースは翌年登場したCクラスのセダンやワゴンよりも長い。

そのため後席も広々としているし、ラゲージルームの容量はCクラスワゴン(通常450L/後席を倒して1465L)より大きい通常506L、後席を倒せば1607Lまで拡大できる。

ベースのAクラスがコンパクトカーとしての王道なら、Bクラスは日常の多様な用途に対応できる多目的車という位置付けだ。

搭載されたエンジンは1.7Lと2L、2Lターボの3種類。いずれもCVTが組み合わされている。

Cクラス以上のメルセデス・ベンツ車のような重厚感はないものの、ホイールベースが長いためAクラスよりドッシリしている。

200km/hでぶっ飛ばす車の多いアウトバーンがあるドイツの車らしく、高速走行ではさらに安定感が増す。

この辺は特に、国産の同クラスコンパクトカーとの違いを感じやすいハズだ。

デビュー時の車両本体価格は299万2500~393万7500円。

原稿執筆時点で、支払総額50万円以内では。2006~2008年式の前期モデルを中心に20台以上見つかった。

▼検索条件

メルセデス・ベンツ Bクラス(初代)×全国

日本には馴染みのない「小さな高級車」も50万円以下で狙える
アウディ A3スポーツバック(初代)

アウディA3スポーツバック▲全長4285mm×全幅1765mm×全高1430mm(2.0 FSI)。ホイールベースは3ドアのA3より長いが、兄弟車であるゴルフと同じだ。走りはスポーティに味付けされている。なお、3ドアのA3は2006年7月に廃止された
アウディA3スポーツバック▲インテリアの質感が高いのが、A3の魅力のひとつだ。2007年8月には 2.0TFSI と3.2 クワトロに前席電動シートが標準された。2008年9月のマイナーチェンジでBluetooth対応のHDDナビゲーションがオプションで用意された

2011年にA1が登場するまで、アウディのエントリーモデル役を担ってきたコンパクトカーがA3。 1996年に登場した初代は、「プレミアムコンパクト」を掲げてデビューした。 同じグループのフォルクスワーゲン ゴルフと多くの部品を共有するものの、ゴルフより上質なコンパクトカーという位置付けだ。 日本では小さい=手頃な価格=それなりの質感という価値観が根強く、国産車にはほとんどないが、A3はそんな価値観を打ち壊すような「小さな高級車」というわけだ。

初代A3は3ドアで登場し、後に5ドアが追加された。2003年に登場した2代目A3も3ドアだったが、やはり使い勝手でいえば5ドアの方が有利。

そこで2004年10月に登場したのが、新たに「スポーツバック」の名前を与えられたA3の5ドアモデル、A3スポーツバックというわけだ。

ただし初代A3の5ドアとは異なり、ホイールベースが延長され、後席とラゲージルームに余裕が生まれた。ラゲージルーム容量は通常で370L、後席を倒せば1120Lに。

デビュー時のバリエーションはFFが2L×6速ATの2.0FSIと、2Lターボ×6速ATの2.0TFSI。

さらに、アウディ自慢のクワトロ(4WD)を搭載し、3.2L×6速ATの3.2クワトロもラインアップした。

2007年4月に2.0FSIが1.8Lターボ×6速ATの1.8TFSIに入れ替わる。

2008年9月のマイナーチェンジでFFが1.4Lターボ×7速ATの1.4TFSIと、1.8Lターボ×7速ATの1.8TFSIの2種類、クワトロが2.0ターボ×6速ATの2.0TFSIクワトロとなるラインアップへ変更されている(なお、ATは2.0FSIを除きツインクラッチ式2ペダルMT)。

デビュー時の車両本体価格は329万~475万円。

原稿執筆時時点では、1.4Lターボの1.4TFSIと2Lの2.0FSIを中心に、支払総額50万円以下で約30台見つかった。

なお、走行距離10万km超えではあるが、3.2クワトロも狙える。

▼検索条件

アウディ A3スポーツバック(初代)×全国

フランスの郵便車は家族でのキャンプも、普段の買い物でも使いやすい
ルノー・カングー(初代)

ルノー・カングー▲全長4035mm×全幅1675mm×全高1810mm(1.6LのAT車)。背が高いので大きく見えがちだが、実は全長約4mと現行ルーテシアよりも短く、全幅も5ナンバーサイズ。写真は2007年のマイナーチェンジ後
ルノー・カングー▲座り心地に定評のあるシート。ラゲージは商用車としても使われるほどだから、スクエアで使いやすく、大容量。リアシートは畳んでさらに運転席側に跳ね上がられる。またフロントシートからラゲージまで、頭上に小物入れが備わるのもカングーの魅力だ

例えば、野球のグローブでもゴルフ用品でも、プロユースの道具は仕事で使えるほど性能が高い。

車でもスズキ ジムニーやトヨタ ランドクルーザーなどは、その悪路走破性の高さから、一般の人は立ち入らないような悪路の先に行かなければならない、その道のプロたちに愛用されている。

そして今回紹介するカングーも、そんな「プロ仕様」車だ。

貨物車・エクスプレスの後継という「働く車」の役割と、当時高まっていたレジャー需要にも応えられる「遊び車」という欲張りなコンセプトで登場した。

特に本国フランスではエクスプレスの時代から郵便配達車として重宝され、現行型カングーではそれを記念して、同じ黄色と黒のカラーリングが施された特別仕様車が登場したほど。

それくらいラゲージの使い勝手がよく、キャンプなどへラクラク行けるほど荷物を載せることができる。

そのうえ、日本の5ナンバーサイズに収まるサイズゆえ、取り回しもいい。

日本なら軽商用バンだが、軽自動車のないフランスで仕事として荷物を運ぶなら、カングーが最適というわけだ。

日本には、本国デビューから約4年遅れて2002年にようやくやってきた。

当初は1.4L×4速ATのみで、跳ね上げ式のバックドアモデルのみ。翌2003年のマイナーチェンジで1.6L×4速ATとなり、バックドアに左右非対称の観音開き(ダブルバックドア)モデルも加わった。

2004年には5速MT車が追加され、跳ね上げ式バックドア車はいつの間にかラインナップから外れている。

2007年の再度のマイナーチェンジではフロントグリルなどが変更。その際の価格はATが219万4500円、MTが208万9000円。

支払総額50万円以下では、2007年のマイナーチェンジ後のモデルを中心に、走行距離は10万km前後の物件が10台ほど見つかった。

▼検索条件

ルノー カングー(初代)×総額50万円以下×全国
文/ぴえいる、写真/BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、ルノー、日刊カーセンサー

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。