CX-8▲【カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2019】にてSUV・クロカン部門ランキングで第1位に選ばれたCX-8

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2019【SUV・クロカン部門】

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

この記事では、SUV・クロカンの上位10モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介する。
 

 
 

●第10位|トヨタ RAV4(5代目)

(2019年4月~生産中)
 

マツダ CX-8 ▲2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたRAV4

RAV4は世界で最も売れているSUV。しかし先代は日本に導入されず、4代目がデビューした後も日本では3代目が継続販売された(その後販売終了)。

しかし、5代目が再び日本市場に導入されると、他のSUVにはないタフなルックスと走行性能の高さから大きな注目を集めることに。

中でもガソリンモデルの上位グレードに搭載される世界初となるダイナミックトルクベクタリングAWDは、前後のトルク配分だけでなく後輪左右のトルク配分も行うことで優れたコーナリング性能を実現。
実際に運転してみるとガソリン車ならではの軽やかさと、4WDによりワインディングも気持ちよく走ることができる。

現行型プリウスから導入されたトヨタの新しい車の設計仕様、“TNGA”に基づいて開発されたプラットフォームも走行性能や上質な乗り味に貢献。

かなりコストパフォーマンスの高いSUVに仕上がっている。

まだデビューから1年しかたっていないため中古車流通量は少なめだが、今後流通量が増えるとこのランキングでも今以上に上位に食い込んでくるようになってくるだろう!
 

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トヨタ RAV4((2019年4月~生産中モデル)×全国
 

●第9位|メルセデス・ベンツ Gクラス(W463型)

(1990年1月~2018年5月)
 

メルセデス・ベンツ Gクラス ▲デビュー以来変わらぬルックスが人気の秘密。新型が登場したことで初代の注目も再び高まっている

Gクラスの魅力は“ゲレンデヴァーゲン”としてデビューした1979年から変わらないそのスタイルと、軍用車を系譜にもつ圧倒的なヘビーデューティさだ。

流麗なSUVが主流となった現在では、その武骨なスタイルは逆に新鮮みさえ覚えるほど。

1990年に日本に導入された2代目Gクラスはショートボディとロングボディ、そして一部年式ではオープンモデルが用意された。エンジンは当初ガソリンのみだったが、2013年にはクリーンディーゼルエンジンが追加されている。

エンジンにチューニングを施し、専用パーツなどが奢られたAMG仕様は人気があるため相場もかなり高め。
 

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メルセデス・ベンツ Gクラス(1990年1月~2018年5月生産モデル)×全国
 

●第8位|スバル フォレスター(5代目)

(2018年7月~生産中)
 

スバル フォレスター ▲デビューから1年半が経過し、デモカーアップを中心に中古車が増えてきている

スバルの新プラットフォームであるスバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用したことで乗り心地や運転時の安定感が大きく進化したフォレスター。

後部座席や荷室も広くなり、使い勝手が向上している。 水平対向エンジンとフルタイム4WDの組み合わせというスバルの伝統はしっかり継承。

パワーユニットは2.5Lガソリンエンジンと、2Lエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステム“e-BOXER”が用意されている。

ステレオカメラを使った先進安全装備、アイサイトはバージョン3を全グレード標準装備に。歩行者保護エアバッグも標準装備されている。
 

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スバル フォレスター(2018年7月~生産中モデル)×全国
 

●第7位|ジープ ラングラー(3代目)

(2007年3月~2018年10月)
 

ジープ ラングラー ▲インポーターのFCAジャパンによると、現行型ユーザーの年齢層で最も多いのは30代だという。 先代ラングラーも若者から人気の高いモデルだ

アメリカの軍用車であるウィリスMBの流れをくむジープ ラングラー。

3代目となる本モデルでは、先代に比べて乗用車としての乗り味や走行性能が進化している。 ボディは伝統的な2ドアに加えて、4ドアのアンリミテッドが追加された。

2ドアしかラインナップされていなかった頃はマニア向けのモデルだったが、4ドア化により家族使いや荷物をたくさん積んでレジャーに出かけやすくなったことから注目度が高まった。

さらにATも従来の3ATから4ATになり、2012年モデルからは5ATを搭載。トップグレードのルビコンには6MTが搭載される。

先代より乗り味が進化したとはいえ、オンロードではゴツゴツした独特の乗り味を感じるはず。でもそれを含めてラングラーの味と言えるだろう。
 

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ジープ ラングラー(2007年3月~2018年10月生産モデル)×全国
 

●第6位|スバル XV(初代)

(2017年5月~生産中)
 

スバル XV ▲2018年の第10位から大きくランクアップ。流通量が増えて中古車が選びやすくなっているぞ!

スバルの新世代プラットフォームを採用した現行型XV。街中から高速道路を使ったロングドライブ、そしてゲレンデの雪道やキャンプ場の未舗装路など、様々な場面で扱いやすい万能SUVだ。

エンジンは、1.6Lと2Lでいずれも水平対向4気筒。

2Lモデルはエンジン走行に加えてモーターがアシストするe-BOXERになる。トップグレードのアドバンスは、シルバー加飾で力強い雰囲気が強調されている。

ブラックやパール系だけでなく、オレンジやブルーといった明るい色も人気。ただし、オレンジや赤は流通量が少なめなので、どうしても欲しい人は見つけたら即決したい!
 

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●第5位|ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)

(2012年3月~2019年5月)
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク ▲2019年5月に2代目へとフルモデルチェンジしたことで、中古車流通量が増加し相場も下落。一気に狙いやすくなった!

イギリスの老舗SUVブランドであるランドローバー。そのエントリーモデルとなるコンパクトSUVの初代イヴォークが登場したとき、多くの人が「なんて華麗なデザインなのだろう」と驚愕したに違いない。

SUVらしい力強さがありながらボディが薄くクーペのような雰囲気をまとったイヴォークは、都市に似合うSUVとしてデビューとともにその地位を確立した。

ボディタイプは3ドアと5ドアが用意され、さらに2016年9月にはコンバーチブルが追加された。 コンパクトモデルとはいえ全幅は1900mmもあり、その存在感は格別!

搭載エンジンは2L直4ターボで、最終モデルには2Lディーゼルターボもラインナップ。

トランスミッションはデビュー時が6ATで、2014年モデルからは9ATに変更されている。
 

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ランドローバー レンジローバーイヴォーク(2012年3月~2019年5月生産モデル)×全国
 

●第4位|ポルシェ マカン(初代)

(2014年4月~生産中)
 

ポルシェ マカン ▲ポルシェのSUVのエントリーモデルとなるマカン。コンパクトSUVに位置付けられるが、堂々とした存在感はさすがポルシェ!

スポーツカーブランドであるポルシェがSUVのカイエンを世に送り出したとき、往年のファンの反応はどちらかというと懐疑的だったと思う。

しかし世間は“新しい形のスポーツモデル”を絶賛! カイエンは全世界で大ヒットモデルとなり、2014年にデビューしたマカンもヒットした。

グローバルでは今やポルシェの販売台数は実に7割近くがSUVになっている。 マカンに搭載されるエンジンは2L直4ターボ、3L V6ターボ、2.9L V6ツインターボ。

人気グレードのマカンSは最高出力が260kW (354ps)で0-100km/h加速は5.3秒に。トップグレードのマカンターボの最高出力は324kW(440ps)に達する。

大人5人がゆったり乗れて荷物もたくさん積める利便性の高いSUVだが、ポルシェが胸を張るように、マカンは紛れもなく新しい形のスポーツカーだ。
 

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●第3位|BMW X1(初代)

(2010年4月~2015年9月)
 

トヨタ アクア ▲2018年のランキングでは第4位だったが、ついにベスト3にランクイン。日本で最も扱いやすいサイズの輸入SUVと言えるだろう

BMWのSUVシリーズの中で最もコンパクトなX1。

4.5mを切る全長、1800mmという全幅は日本の住宅街の細い道でも扱いやすい。

4WDはもちろん2WD(FR)も用意されているため、街乗りが中心の人も選びやすい。

全高は1545mmと一般的な機械式駐車場にも入る高さに抑えられている。

2世代前の3シリーズ(E90型)をベースに開発されただけあり、使いやすさは折り紙つき。

車重が重い分、ベースグレードの2Lエンジンだとややパワー不足を感じるが、街乗り中心なら不満はないはず。

BMWらしいスポーティさも楽しみたいなら、2Lターボのxドライブ2.0i以上のグレードを選びたい。

エントリーモデルとはいえ、内装はBMWらしいシンプルかつ上質な雰囲気が与えられている。
 

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●第3位|BMW X1(2010年4月~2015年9月生産モデル)×全国
 

●第2位|マツダ CX-5(2代目)

(2016年11月~生産中)
 

マツダ CX-8 ▲マツダの人気モデルであるCX-5。マツダのモデルは年式により装備が大きく異なるので、とくに走行性能面の装備はしっかり見極めたうえで選ぼう

2代目となる現行型CX-5は、魂動デザインをさらに深化させ、陰影の中に深みのあるデザインになった。

搭載エンジンは2Lと2.5Lのガソリンエンジン、2.2Lディーゼルターボを用意。

2017年8月には先進安全技術が全グレード標準装備となり、2018年2月にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに性能を向上させている。

2018年10月にはドライバーのハンドル操作に応じでエンジンのトルクを変化させるG-ベクタリング コントロールが、ブレーキ制御を加えたG-ベクタリング コントロールプラスに進化した。

また、このタイミングで2.5Lガソリンターボが追加されている。

ディーゼルモデルには6AT以外に6MTも設定。スタイルにこだわる人はもちろん、MTでSUVらしい走りを楽しみたい人にとって貴重な存在だ。
 

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マツダ CX-5(2016年12月~生産中モデル)×全国
 

●第1位|マツダ CX-8(初代)

(2017年9月~生産中)
 

マツダ CX-8 ▲ミニバンの販売をやめたマツダが、3列シート車の需要に対応するために世に送り出したのがこのCX-8だ。

見た目はCX-5を3列シートにした雰囲気だが、実は北米で販売されているCX-9という大型SUVの前後を少しカットして日本向けにしたモデルだ。

それだけに3列目シートはとってつけたようなものではなく、大人でもきちんと座れるだけのスペースが確保されている(さすがにゆったり座るという雰囲気ではないが……)。

デビュー時は2.2Lディーゼルエンジンのみのラインナップで、2018年11月に2.5Lガソリンと2.5Lガソリンターボが追加された。いざというときのために3列シート車が欲しい、でも流行のSUVにも乗りたいという人にオススメ!
 

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総括

世界的に大ブームとなっているSUVは、他のボディタイプ別のランキングに比べて輸入車が数多くランクインしているのが特徴。

ボディサイズも全幅が1800mm以下のコンパクトサイズから、2m近くあるLサイズまでバリエーションが豊富なので、用途に応じて選びやすい。

未舗装のラフロードや林道のような特殊な場所を走らせたいなら、パートタイム4WDを搭載するような本格的クロカンモデルをチョイスすることになると思うが、多くの人はスタイルや雰囲気、利便性の高さからSUVに注目しているはず。だとしたらデザイン重視で選ぶのも悪くない。

かつて中古SUVはなかなか相場が下がらず、ある程度の予算を用意しないといけないジャンルだった。

しかし、現在は多くのメーカーがSUVをリリースしているため、ある意味、中古SUVは価格競争が起こっていて手頃な値段で選びやすくなっている。気に入った1台が探しやすい旬のカテゴリーとも言えるだろう。
 

文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/FCA、ダイムラー、BMW、マツダ、トヨタ、スバル、ポルシェ、ランドローバー
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL