トヨタ クラウン 2ドアハードトップ ▲今回、紹介するのは1979年に登場した6代目トヨタ クラウン 2ドアハードトップ(写真はロイヤルサルーン)

ラインナップが豊富だった約40年前のクラウン

1979年9月、トヨタ・クラウンは6代目へとフルモデルチェンジした。この頃のクラウンはラインナップが豊富で4ドアセダン、4ドアハードトップ、ステーションワゴン、バン(商用)、そして2ドアハードトップの5種で構成されていた。

「ハードトップ」とはドアガラスを閉めた状態でセンターピラーが隠れて見えるスタイルで、当時は人気を博したスタイルだった。また、6代目クラウンからツートーン・カラーが導入され、ハイソカー(死語?)に欠かせない特徴となった。

6代目となってクラウンは「ゆとりと信頼性、静粛性にすぐれた室内、省資源」が開発キーワードとなっていた。また、トヨタ車として初めてターボ車が投入されたのも、このクラウンからだった。
 

トヨタ クラウン 2ドアハードトップ
トヨタ クラウン 2ドアハードトップ ▲ペンタゴン型ホイールキャップがスポーティな雰囲気を醸し出す(写真はスーパーサルーン)

6代目で生産終了

クラウン2ドアハードトップは2.8L直6エンジン、2L直6エンジン、そして後に2L直6ターボエンジンをラインナップ。トランスミッションは5速MT、3速AT(世界初のオーバードライブ付き)を組み合わせていた。

この頃の日本といえば今とは比べものにならないほど“ガジェット”好きで、クラウンにはトリップコンピューター(消費燃料、走行可能距離などを表示)、空気清浄機、クーラーボックス、リアエアコンなどがすでにオプション設定されていた。パワーステアリングは5代目から車速感応式だった!

トランクリッドはボタンひとつで車内から開けることができる電磁式で、トラクションコントロールやクルーズコントロールも完備。

このような至れり尽くせりの便利・快適装備の充実が、当時の日本製家電製品の相まって“ハイテク”な日本のイメージを周知させたのかもしれない。

それにしても、クラウン2ドアハードトップは面白いデザインだ。直線基調で保守的な高級車のデザインを、無理やりクーペに仕立てているのがたまらない。

M・ベンツやBMW、はたまたキャデラックやリンカーンなど世界の名だたる高級車を参考にしたのだろう。個人的にはCピラーに“小窓”が設けられているデザイン、ものすごく気に入っている。

なお、1980年にはソアラが誕生し、クラウンの2ドアハードクーペは6代目で生産を終了した。やはり、クラウンでパーソナルクーペを作るのは無理があったのだろう。
 

生産終了から36年が経過

生産終了から36年が経過しているが、原稿執筆時点(2019年12月24日)でカーセンサーnetには2台の6代目クラウン2ドアハードトップが掲載されている。いずれも100万円台前半で特段、価値が見いだされているような雰囲気はない。

ちなみに5代目クラウン2ドアハードトップは3台掲載されているが、2台は100万円台で唯一、走行距離が異様に少なくオリジナルのものが200万円台となっている。

決してカッコいい車とは呼べないし、スポーティなわけでもない。しかし、ハイテクジャパンを感じさせてくれるクラウン2ドアクーペは、ノスタルジックな気分に浸らせてくれる。また、容易に差別化を図れる、という意味においてはお買い得ではないだろうか?

1970年代、80年代のヒットソングを聴きながらドライブしたら、気分は絶好調に違いない!

ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
 

トヨタ クラウン 2ドアハードトップ▲こちらは5代目2ドアハードトップ(スーパーサルーン)
文/古賀貴司(自動車王国)、写真/トヨタ

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トヨタ クラウン 2ドアハードトップ(1971年~1983年生産モデル)×全国
古賀貴司(こがたかし)

自動車ライター

古賀貴司(自動車王国)

自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。