あの名機「3S-GTE」エンジンを搭載した最終モデル! 3代目カルディナGT-FOURは、レアモデルだけど意外とお手軽価格なんです!
2019/09/30
名作エンジンを語るうえで外せない存在……それが3S-GTEだ!
長い自動車の歴史の中で「名機」呼ばれる名作エンジンは数多く登場しており、人によって印象に残っているエンジンは様々あることでしょう。
そんな名機と呼ばれるエンジンの中でも、80年代から90年代を中心にトヨタのモータースポーツを支えたエンジンである、直列4気筒DOHC16バルブターボの3S-GTE型エンジンを外すわけにはいきませんよね?
1986年に登場した4代目セリカのGT-FOURグレードに初めて搭載された3S-GTE型エンジンは、世界ラリー選手権(WRC)はもちろん、全日本GT選手権(現在のスーパーGT)やフォーミュラ3、ルマン24時間レースを戦ったグループCカーなど、幅広いジャンルの車種に搭載されていたのです。
そんな名機である3S-GTE型エンジンを搭載した最後のモデルが、セリカやMR2といったスポーツモデルではなく、ステーションワゴンのカルディナGT-FOUR(3代目)だったのです!
スープラをしのぐほどの運動性能をもっていたステーションワゴン
トヨタ カルディナGT-FOUR(3代目)
「なーんだ、ステーションワゴンか」と思った人もいるかもしれません。しかし、カルディナGT-FOURの車両型式は「ST246W」、そう、あのセリカGT-FOUR(最終型はST205)の流れをくむ車種だったのです。
もちろん駆動方式はセリカGT-FOURと同じく、フロント、センター、リアと3つのデフをもつフルタイム方式で、260psを発生する3S-GTE型エンジンのパワーを余すことなく路面に伝えてくれます。
また、マイナーチェンジ前(2005年1月)まで設定されていた「Nエディション」には、倒立式フロントダンパーおよびモノチューブ式リアダンパー、フロントコイルバネ付きパフォーマンスロッド、スポーツABS、トルセンLSD、フロントレカロシートなどが標準装備されるガチっぷり(なお、装備が簡略化されたCエディションもありました)。
ちなみにNエディションの頭文字のNはニュルブルクリンクのNらしく、当時80スープラがマークしたタイムより速いタイムを記録したんだとか……。カルディナGT-FOUR恐るべし!
と、走りの性能の高さをアピールしたあとでなんなのですが、実は最後のカルディナGT-FOURにはマニュアルの設定がありません(汗)。
ただ、ステーションワゴンというキャラクターから考えるとこの選択は意外とアリなんじゃないかと思えてきます。
荷物と人を乗せてロングツーリングをするとなると、混んでいない道であればMTで楽しく走れることもあるでしょうが、渋滞路ではきっと疲れてしまうはず。
一方2ペダルであれば、渋滞もラクラク、ワインディングではMTモードで走ればニュルでスープラを上回るタイムをマークした実力を享受できるというわけです!
なお、ステーションワゴンとしてみるとスペースユーティリティを追求したというよりは、運動性能を重視したスタイルで、ステーションワゴンと5ドアハッチバックの中間といったところ。
そのため、積載量ギリギリまで積むような使い方をしようと思っている人は、一度ラゲージスペースを確認した方がよさそうです。
レアモデルにも関わらず、意外とお値段は手ごろ?
そんなカルディナGT-FOURは、さすがにステーションワゴン冬の時代の車種ということもあり、執筆時点(2019年9月24日)で掲載13台とまあまあレアモデル(3代目カルディナ全体でも52台)となっています。
しかし、レアモデルだから高値安定なのかというとそうでもなく、安いものでは総額50万円以下、高いものでも総額100万円以下で見つけることができてしまいます。
速いステーションワゴンというと、レガシィツーリングワゴンが真っ先に思い浮かぶと思いますが、スキマを狙うという点では大穴とも言えるカルディナGT-FOUR。
ただ、なぜかヘッドライトが黄ばみがちの物件が多いようなので、そこだけは注意が必要と言えるかもしれません。
▼検索条件
トヨタ カルディナ(3代目)×GT-FOUR×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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