ミニバン狙いの人、必見! 人気の「アルファード」「セレナ」「ヴォクシー」はどれを買えば安全装備が付いてる?
2019/09/12

人気モデルの安全装備、細かく解説します!【ミニバン編】
自動車メーカーのたゆまぬ技術開発により、走りや乗り味、快適性など自動車はあらゆる面で進化を遂げています。
数年前までは、ハイブリッドカーが普及し、その後2009年にエコカー減税もスタートしたことで、燃費性能が注目されていました。
そして現在、メディアで様々な交通事故のニュースが流れていることから、
人々が大きな関心を寄せているのが先進安全装備でしょう。
交通事故をゼロにする、これはドライバーを含めた車に関わる人、みんなの悲願です。
そのために、自動車メーカーやサプライヤー、国、自治体などが技術開発やインフラ整備、啓発活動などを行っています。
そして現在、販売されている多くの車に先進安全装備が搭載されるようになりました。
自分が事故の当事者になるリスクを減らすため、
そして何より歩行者などを事故の被害者にしないために、先進安全装備が付いた車への乗り替えを考えている人も多いはず。
2019年現在、新車だけでなく中古車でも様々な先進安全装備が付いた車を選べるようになりました。
ただ、先進安全装備はその性能が常に進化しているため、
よくわからずに中古車を選ぶと機能は付いているけれど
自分が求めていた性能のものではなかったということになる可能性があります。
そこで、特に衝突被害軽減ブレーキで人を検知できるようになったのはいつかを中心に、人気車種の安全性能を振り返ってみましょう。
この記事では、【ミニバン編】と題して自販連のデータを基に、2018年販売台数ランキングトップ3車種をピックアップして調べてみました。
また、「サポカー」「サポカーS」は、経済産業省と国土交通省が推進する高齢運転者による交通事故対策の一環として推進する愛称ですが、
それの搭載状況もあわせて記事にしています。
「サポカー」「サポカーS」については下記の記事に詳しく載せています。
●3位 トヨタ アルファード
2代目(2008年5月~2014年12月生産モデル)~現行型(2015年1月~生産中モデル)
キング・オブ・ミニバンとも称されるアルファードは2019年9月現在、3代目を数えます。派生モデルとして、アルファードハイブリッド、兄弟モデルとしてヴェルファイアがラインナップされています。

アルファードは2代目へとフルモデルチェンジした2008年5月に、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムを上級グレードに搭載します。
システムの装着は国産車の中でも早いタイミングですが、この時点ではまだ車両のみに対応したものでした。
そして、2011年11月のマイナーチェンジでは俯瞰映像で車両周囲を確認できる、パノラミックビューモニターをオプション設定(トヨタ初)されました。
▼検索条件
トヨタ アルファード 2代目(2008年5月~2014年12月生産モデル)× 全国

2015年1月、アルファードは現行型へとフルモデルチェンジ。リアサスペンションが新開発のダブルウィッシュボーン式に変わったことで乗り心地が飛躍的に向上。内外装の高級感も大幅に高められました。
そして、先進安全装備も最新のシステムが惜しみなく投入されます。
進路上の先行車や障害物などをミリ波レーダーで検出し、危険回避をサポートするプリクラッシュセーフティシステムは対車両のみですが、前後に付いた8個のセンサーで周囲をセンシングして、低速取り回し時の衝突回避や被害軽減を行うインテリジェントクリアランスソナーを上級グレードに設定(センサーが6つのクリアランスソナー&バックソナーもあり)。インテリジェントクリアランスソナーはクリアランスソナー&バックソナーよりも検出距離が延伸しています。
さらに上級グレードには超音波センサーとカメラを使って駐車空間を検知して、目標駐車位置を自動設定するインテリジェントパーキングアシストが世界初搭載されています。

▼検索条件
トヨタ アルファード 現行型(2015年1月~2017年11月生産モデル)× 全国

2017年12月にマイナーチェンジを受けたアルファードは、先進安全装備が劇的に進化し、メディア関係者を驚かせました。
このタイミングでトヨタはアルファードに第2世代版の「Toyota Safety Sense」を初搭載。しかも全グレード標準装備となっています。
プリクラッシュセーフティは、車両だけでなく、夜間の歩行者や昼間の自転車の運転者も検知できるようになりました。
車線維持機能ははみ出しそうなときに警告するだけでなく、車線からの逸脱を避けるためのステアリング操作支援も支援します(レーントレーシングアシスト)。
レーダークルーズコントロールは全車速で先行車を追従できるように。

他にも、先行車や対向車を遮光しながらハイビームを照射するアダプティブハイビームシステムや後退時の死角をモニタリングし、左右後方から接近する車両を検知して知らせるリアクロストラフィックアラート、隣の車線を走る車両を検知し車線変更時に接近する車両があると注意喚起するブラインドスポットモニターなどをエグゼクティブラウンジ系に標準装備(他はメーカーオプション)しています。
先進安全装備が付いていることを購入条件にするなら、プリクラッシュセーフティが対歩行者にも対応した2017年12月以降のモデルを。
もう少し予算を抑えたいという人は、現行型狙いがオススメです。
購入時はどんな装備が搭載されているかを販売店に確認してください。
現行型は全グレード「サポカーS<ワイド>」に該当しています。
▼検索条件
日産 アルファード 現行型(2017年12月~生産中モデル)× 全国●2位 日産 セレナ
セレナ 4代目(2013年12月~2016年7月生産モデル)~セレナ 現行型(2016年8月~生産中モデル)
日産セレナは1991年に初代モデルがデビューし、2019年9月現在、5代目を数えます。日産は早い段階から多くのモデルに先進安全装備を投入し、セレナも2013年のマイナーチェンジより、先進安全装備を搭載しはじめました。

2013年12月に行われた4代目セレナのビッグマイナーチェンジ。内外装が一新されただけでなく、先進安全装備も搭載されました。
エマージェンシーブレーキ(20S以外のグレードに標準装備)はフロントカメラで前方をモニタリング。そのため、車両はもちろん歩行者も検知し、ドライバーが安全に減速できなかった場合には自動的に緊急ブレーキをかけて衝突回避を支援します。
他にも踏み間違い衝突防止アシスト、車線逸脱警報、ふらつき警報も20Sを除く全グレードに備わっていました。
そしてこの後に、セレナは“+Safety”と名付けられた特別仕様車を多く発売します。
さらに、2015年の一部改良ではこれまで先進安全装備の設定がなかった20Sにも搭載し、全グレード標準装備となりました。
▼検索条件
日産 セレナ 4代目(2013年12月~2016年7月生産モデル)× 全国

2016年8月にフルモデルチェンジされた現行型セレナは、日産の新世代の幕を開くモデルとなりました。
高速道路の同一車線内で先行車との車間距離を一定に保つよう制御することに加え、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援するプロパイロット搭載グレードを設定。プロパイロットは先行車両が完全停車した場合にはシステムが自動的にブレーキをかけて停車。ドライバーがブレーキを踏むことなく停止状態を保持します。
また、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い防止アシスト、車線逸脱警報は全グレード標準装備となっています。

2018年9月には、ハイビームとロービームを自動で切り替えるハイビームアシストの設定グレードを拡大。
そして、踏み間違い衝突防止アシストに歩行者検知機能が備わります。これにより低速域でも歩行者との衝突を避けるようアシストできるようになりました。
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日産 セレナ 4代目(2016年8月~2019年7月生産モデル)× 全国

現行型セレナは最新のマイナーチェンジで、360度の安全を提供する「全方位運転支援システム」を全グレード標準装備に。
プロパイロットは下り坂でも設定速度を維持するとともにブレーキ制御を向上させ、快適性が高まっています。
さらに、隣接するレーンで後方から接近する車両を検知しドライバーに注意喚起するインテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)、後退時に後方を横切ろうとする車両を検知し注意喚起するRCTA(後退時車両検知警報)を新設定。ハイビームアシストはフロントカメラで前方の状況を検知して、LEDの照射パターンを変化させるアダプティブLEDヘッドライトシステムへと進化しています。
先進安全装備が付いていることを購入条件にするなら、プロパイロットが搭載された現行型がオススメです。
現行型は全グレード「サポカーS<ワイド>」に該当しています。

▼検索条件
トヨタ セレナ 現行型(2019年8月~生産中モデル)× 全国●1位 トヨタ ヴォクシー
ヴォクシーにはノア、エスクァイアという兄弟モデルが存在し、それぞれ同じタイミングで機能などの変更が施されています。今回は代表して、ヴォクシーの先進安全装備搭載の変遷を見ていきましょう。
ヴォクシーに先進安全装備が搭載されたのは2016年1月とやや遅めでした。

ヴォクシーに2016年1月に設定されたのは、レーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせた「Toyota Safety Sense C」。
ハイブリッドモデルは標準装備で、ガソリン車はZSとVが標準装備、その他のグレードはメーカーオプションでした。
衝突回避支援型プリクラッシュセーフティは、衝突の危険があるとシステムが判断したらまずはドライバーに警告。
それでも衝突の危険がなくならない場合は約10km/h~約80km/hの範囲でシステムがブレーキを作動し、衝突回避や衝突被害の軽減を支援します。
Toyota Safety Sense Cには、他にブザーとディスプレイ表示でドライバーに警報を出して車線逸脱の回避を支援するレーンディパーチャーアラート、ハイビームとロービームを自動で切り替えるオートマチックハイビームが備わります。
また、Toyota Safety Sense Cの付帯機能として先行車発進告知機能が付いています。
2017年7月のマイナーチェンジでもこの内容が継承されています。
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トヨタ ヴォクシー 現行型(2016年1月~2018年12月生産モデル)× 全国

ヴォクシーの先進安全装備内容が進化したのは2019年1月。
「Toyota Safety Sense C」から第2世代の「Toyota Safety Sense」になったことで、プリクラッシュセーフティ(レーザーレーダー+単眼カメラ)が昼間の歩行者も検知できるようになりました。
Toyota Safety Senseは、全グレード標準装備になります。
そしてこのタイミングで、駐車場などでのアクセルとブレーキのペダル踏み間違い時における衝突被害軽減に寄与する「パーキングサポートブレーキ(静止物)」を設定。
ハイブリッド、ガソリンともにZSとVに標準装備、その他のグレードはメーカーオプションになります。

先進安全装備が付いていることを購入条件にするなら、第2世代のToyota Safety Senseが搭載された2019年1月以降のモデルがオススメです。
現行型はインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]が搭載されるグレードが「サポカーS<ワイド>」、その他のグレードは「サポカー」に該当しています。
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トヨタ ヴォクシー 現行型(2019年1月~生産中モデル)× 全国先進安全装備よりも大事なこと
ミニバン編と題して人気モデルの先進安全装備の機能と搭載状況を紹介してきましたが、最後に大切なことをひとつ。
先進安全装備は完璧な機能ではありません。状況によっては機能が働かなかったり、働いたとしても衝突回避が間に合わなかったりする可能性もあります。
最も大切なのは日ごろから安全運転を心がけることだということは忘れないでくださいね。

自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL
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