“フツーに走る”ことがすごかった! 絶滅危惧車の初代プリウスは、やっぱり車の歴史を大きく変えた偉大なモデルだった
2019/08/18
21世紀に間に合いました
トヨタ プリウスは生産が終了してからはや17年、気づけばカーセンサーnetに掲載されている初代プリウスの台数は激減している。
デビューしたのは1997年12月のことで、キャッチフレーズは「21世紀に間に合いました。」だった。
初代は2代目、3代目などと比較すると“バカ売れ”したわけではないが、累計生産台数は7万台ちょっとだった。
それが原稿執筆時点(2019年8月6日)で、たったの13台しか掲載されていない。
プリウスは、エコカーの代名詞的存在となるべくして1.5L 直4エンジンと、永久磁石式同期モーターを併用するパワーユニットを搭載。
内燃式エンジンと電気モーターという2つの動力源をもつことから、“異なった要素を混ぜた/かけあわせた”という意味合いの英単語「Hybrid(ハイブリッド)」と呼ばれた。
10・15モード燃費は、当時としては衝撃の28.0㎞/Lを達成していた。
そして、車両本体価格は“21世紀にGO”の語呂合わせで215万円という低価格から設定されていたため、売れれば売れるほどトヨタにとっては赤字が膨らむ……とまことしやかに語られていた。
しかし、いつしか販売増による部品コスト削減に成功し、現在に至っている。
ハイブリッド技術だけではなく、パッケージングも優れていた
世界初の量産型ハイブリッドカーだったということも注目すべきだが、パッケージングも実に優れていた。
ボディサイズは5ナンバーサイズに収まる大きさながら、全高、着座位置を高くすることで空間を有効に活用し、大人5名乗車しても窮屈ではなかった。
同様のパッケージングは、プリウス以外のトヨタ車にも用いられた。
フロントグリルとボンネットは当時としては珍しく、シームレスになっていた。
これはデザイン的なポイントであるとともに、空気抵抗の低減にも一役買っていた。
なお、デザインを担当したのはセリカを手がけてきた、トヨタのアメリカのデザイン拠点「CALTY」だった。
走らせてみると……“フツーの4ドアセダン”という感想を抱いた人がほとんど(笑)。
これは決して悪いことではなくハイブリッドカーだからといって、特別速かったり遅かったり、運転が難しかったり……といったことが皆無だったということ。
それでいながら、世界最高峰の環境性能を有していたのだ。
初代モデルのハイブリッドカーらしさといえば、独特なタッチの回生ブレーキが挙げられる。
まだ出来栄えが良くなかったというのが正直なところだろうが、停車前に“カックン”と衝撃があったのは事実。
車業界では「カックンブレーキ」と呼ばれていた。
でも今となっては、それが初期のハイブリッドでのみ味わえた“違い”でもあった。
今はノスタルジックさすら感じるようになった
決して大げさではなく自動車業界に革命をもたらした、初代プリウス。
カックンブレーキという特徴も、今となってはノスタルジックでいい。
実用車としてまだまだ現役だし、独特なスタイルも他の車とは一線を画している。
それでいて、価格はほとんどの物件が50万円以下と安い。今後、中古車でも手に入れにくくなることが予見されるので、今のうちに狙っておくべき1台だと思う。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▼検索条件
トヨタ プリウス(初代)×全国自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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