▲3列目のスペースはミニマムだが、長距離ドライブでなければ大人も座れる。畳めば2列目シート仕様のSUVと同じラゲージ空間を得られる▲3列目のスペースはミニマムだが、長距離ドライブでなければ大人も座れる。畳めば2列目シート仕様のSUVと同じラゲージ空間を得られる

キャンプやマリン&ウインタースポーツに出かけるなら3列シート仕様SUV

サッカーの練習に出かけた子供を迎えに行った際に「友だちも一緒にいい?」と言われたり、今日は両親を乗せて三世代で夕飯を食べよう、なんてときに「あると便利」な3列目シート。

とはいえ、3列シートのあるミニバンならすべて解決かといえば、そうではなかったりもする。箱形のスタイルが嫌だとか、空間が広すぎて3列目を使わないときはもったいないとか、夫が「ミニバンじゃ走りが楽しくない……」と文句を言うとか。

そんなときの救世主が、3列シートSUVだ。ミニバンに比べたら3列目シート部分の空間は狭く、体格によっては膝を抱えるような体勢になるが、子供なら十分、大人でも短距離なら座っていられるだろう。

そもそも3列目をほとんど使っていない、ミニバンユーザーはたくさんいるはずだ。年に数えるほどしか使わないのであれば、3列シートSUVは十分選択肢のひとつに加えていいだろう。

SUVを選ぶメリットは、最低地上高が高いのでミニバンより悪路走破性が高い、つまり家族で出かけられる範囲が広くなるということ。

3列目を使わないなら、SUVのラゲージだって家族のキャンプ道具やアウトドアグッズをタップリ載せられる。特にキャンプやマリン&ウインタースポーツに出かける機会が多く、悪路や雪道の走行を考えて4WDを検討しているなら、ミニバンだけではなく3列シートSUVもオススメしたい。

今回は、2010年式以降の比較的新しめの物件を、総額200万円で狙うことができるモデルを紹介するので、ぜひ参考にしてみてほしい。

防水シートなどアウトドアライフに便利なSUV
日産 エクストレイル(3代目)

▲衝突被害軽減ブレーキなど先進安全技術は、デビュー時は一部グレードのみだったが、2015年のマイナーチェンジで全車に標準装備された▲衝突被害軽減ブレーキなど先進安全技術は、デビュー時は一部グレードのみだったが、2015年のマイナーチェンジで全車に標準装備された
▲1列目より2列目、2列目より3列目と高くなるシアターレイアウト。3列目シートは折り畳むとフラットなラゲージをつくり出せる▲1列目より2列目、2列目より3列目と高くなるシアターレイアウト。3列目シートは折り畳むとフラットなラゲージをつくり出せる

初代、2代目とアウトドアでガンガン使われることを想定して開発された日産 エクストレイル。2013年に登場した3代目の現行型には3列シート仕様も用意された。

同車のウリのひとつである防水シート&フロア&ラゲージは、3列シート仕様車でも変わらない。5人乗り仕様の2WD車に備わる、ラゲージの手前と奥を仕切れるラゲージボードはないが、ラゲージネットなど他のグッズで十分ラゲージの使い勝手を高めることができる。

ただし、2015年に追加されたハイブリッドモデルには3列シート仕様は用意されておらず、すべて2LエンジンにCVTの組み合わせとなる。

全車に荒れた道での乗り心地と安全性を高めるアクティブライドコントロールが装備され、ブレーキ操作の負担軽減やコーナリング時の挙動コントロール性のアップなど、最新のシャシー制御技術が備えられている。

2014年式以前のモデルなら支払総額約130万円から見つかるが、2015年式以降の衝突被害軽減ブレーキ装備車も走行距離5万km未満、総額200万円で狙えるのでオススメだ。

▼検索条件

日産 エクストレイル(3代目)×3列シート×全国

2列目がロングスライドするから3列目に乗り降りしやすい
三菱 アウトランダー(2代目)

▲写真はデビュー当時のものだが2015年、2018年にそれぞれフロントマスクが変更されている。衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全技術はデビュー時から一部グレードに標準装備▲写真はデビュー当時のものだが2015年、2018年にそれぞれフロントマスクが変更されている。衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全技術はデビュー時から一部グレードに標準装備
▲初代では左右一体型シートだったが、現行型では5:5の2分割に。3列目シートには4段階のリクライニング機構が備わる。エクストレイル同様、3列目シートは折り畳むとフラットなラゲージを作り出せる▲初代では左右一体型シートだったが、現行型では5:5の2分割に。3列目シートには4段階のリクライニング機構が備わる。エクストレイル同様、3列目シートは折り畳むとフラットなラゲージをつくり出せる

初代から3列シート仕様を用意していた三菱 アウトランダー。2012年に登場した2代目は、3列シート仕様車のみで登場した。

2列目シートに250mmのロングスライド機構が備わったことで、3列目シートの足元の余裕や、乗降性の向上が図られている。

また、2列目シートは座面を起こして背もたれを倒す方式のため、2~3列目シートを倒せばフラットで広いラゲージをつくることができる。

4WD車には2.4L、2WD車は2Lエンジンと駆動方式によって排気量が異なり、いずれもCVTが組み合わされる。

4WDシステムは低燃費走行モードを含む3モードから選択可能な他、オプションでランエボ譲りの技術「S-AWC」(走行状況に応じて四輪の駆動力やブレーキを自動制御)も用意されている。

ちなみにアウトランダーにはPHEVモデルもあるが、そちらは2列シート仕様のみとなる。

2013年式が支払総額約120万円から見つかり、走行距離5万km未満の低走行物件も総額200万円で十分狙える。

▼検索条件

三菱 アウトランダー(2代目)×3列シート×全国

2.4Lと3.5Lという余裕のエンジンパワー
トヨタ ヴァンガード(初代)

▲ヴァンガードのベースは、当時の海外市場向けだったRAV4のロングホイールベース版。国内用RAV4よりホイールベースが100mm長い。そのため全グレードに3列シート仕様が用意できたのだろう▲ヴァンガードのベースは、当時の海外市場向けだったRAV4のロングホイールベース版。国内用RAV4よりホイールベースが100mm長い。そのため全グレードに3列シート仕様が用意できたのだろう
▲上記2台と比べると2列目シートのスライド機構がないため、3列目シートの乗降性はやや劣る。畳めばフラットなラゲージになるのは上記2台と同様だ▲上記2台と比べると2列目シートのスライド機構がないため、3列目シートの乗降性はやや劣る。畳めばフラットなラゲージになるのは上記2台と同様だ

2007年に登場したトヨタ ヴァンガード。当時のRAV4と兄弟車だが、RAV4にはない3列目シート仕様を用意したことが差別化ポイントのひとつだった。

他にもRAV4と同じ2.4Lだけではなく3.5Lエンジン搭載車も用意したことや、登場時には全車4WDとしたこともRAV4と違う点だ。(翌2008年には2.4L+2WDモデルも追加された)

4WDは、走行状況に応じて前後輪に駆動力を自動配分することで燃費の向上を図る。またステアリングやブレーキも協調制御することで、滑りやすい路面での安定性を高める機能が備わっている。

さらに3.5L車は4WD LOCKモードが備わっているので、砂地でのスタックやぬかるみからの脱出時などに便利だ。

原稿執筆時点では、2.4Lエンジンを搭載したモデルのが圧倒的に多いが、ほとんどの物件が支払総額200万円以内で選べる。走行距離10万km超なら総額100万円以下で見つけられることも!

▼検索条件

トヨタ ヴァンガード(初代)×3列シート×全国

今回紹介した3モデルは、ラゲージの床下収納量が若干異なるが、3列目シートの居住性や積載容量の違いはほとんどない。

見た目の好みや搭載されるエンジンの種類、そして安全装備の有無などを基準に選ぶのが良さそうだ。

文/ぴえいる、写真/日産、三菱、トヨタ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。