▲新しいカローラハッチバック、確かにカッコいいし期待もできそうですね! ▲新しいカローラハッチバック、確かにカッコいいし期待もできそうですね!

久々のカローラホットハッチ!?

間もなく発売となる新型カローラハッチバックが話題を集めていますね。今まではカローラというと年配の人の車というイメージが付きまとっていましたが、新たなカローラハッチバックは3ナンバーサイズとなったボリューム感のあるボディに若々しい内外装。

そしてTNGAを採用した新たなプラットフォームに6速MT仕様も存在する(1.2Lターボモデル)ということで、今回は若者にも支持されるのではないかと多くのメディアでも話題となっています。

このような情報を見ると、まるでずーっとカローラは年配の人向けの車をリリースし続けてきたように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はカローラシリーズにもホットなハッチバックをラインナップしていた時期もあったのです。

といってもカローラFX(1984~95年)のことではありませんよ。もっと最近のアノモデルです。

トヨタ カローラランクス(初代)

▲実はトヨタの欧州戦略車として誕生したカローラランクス ▲実はトヨタの欧州戦略車として誕生したカローラランクス

それがこの9代目カローラの時代(2000~06年)に設定されていた5ドアハッチバックボディを持つカローラランクスです。

「New Century Value」(NCV)というコンセプトで登場した9代目カローラは、それまで設定されていたクーペモデルのカローラレビンやセダンに設定があったGTなどスポーツグレードを廃止し、新世代のカローラとしてすべてを一新して世に送り出されたモデルでした。

しかし、セダンから5ヵ月遅れで登場したカローラランクスには、1.8Lのスポーツツインカムエンジンである2ZZ-GE型エンジン(190ps/18.4kgf・m)に6速MT(4速ATもあり)を組み合わせた「Z」と「Zエアロツアラー」というグレードが用意されていたのです(実はワゴンのフィールダーにもありましたが)。

▲4A-Gなどに比べると存在感が薄いがポテンシャルは一級品 ▲4A-Gなどに比べると存在感が薄いがポテンシャルは一級品

この2ZZ-GE型エンジンは、それまでのトヨタのスポーツエンジンである4A-G型や3S-G型の後継エンジンとなるもので、トヨタ初のオールアルミ製エンジンでもあります。そのポテンシャルは高く、ピュアスポーツカーとして名高いロータス・エリーゼやエキシージにも採用されたほどでした。

さらにこのカローラランクスをベースに、TRDが手がけたチューニングパーツなどを組み込んだ特別仕様車「TRD Sports M」というモデルも存在し、こちらは吸排気系などの手直しによって15psアップの205psのパワーを獲得。

もちろんサスペンションにも手が加えられたスペシャルなモデルであり、タマ数もそれほど多くないため、出物があったときは逃さずチェックしたいレアグレードです。

▲TRD Sports Mは同時期のトヨタ車に多く設定されており、専用のオプションパーツも存在していた ▲TRD Sports Mは同時期のトヨタ車に多く設定されており、専用のオプションパーツも存在していた

そんなやや忘れられつつあるカローラランクスの6速MTモデルは中古車市場でも希少車となっており、記事執筆時点での在庫車はたったの8台。

ただ、希少だからといって値段が高騰しているかというとそこまででもなく、安いものであれば総額50万円前後、高いものでも70万円前後で狙えるといった感じ。

さすがにTRD Sports Mは100万円近い価格でしたが(1台のみ)、決して狙えない価格帯ではないでしょう。

ちなみにカローラランクスには別の販売店向けの兄弟車として、アレックスという車種が存在しています(カローラランクスはカローラ店、アレックスはネッツ店扱い)。

アレックスにはTRD Sports Mが用意されず、スポーツグレード名が「RS180」となる程度でほぼ内外装も共通なので、強いこだわりがなければアレックスも含めて探してみるのもいいかもしれません。
 

▲エンブレムがトヨタマークから車名の頭文字「A」を模したものに代わるなど差異は極小 ▲エンブレムがトヨタマークから車名の頭文字「A」を模したものに代わるなど差異は極小
text/小鮒康一
photo/奥住圭之、トヨタ

▼検索条件

トヨタ カローラランクス/アレックス×2ZZ-GE搭載×MT車