▲キリリとした「目力」も印象的な現行BMW 3シリーズ。新車で買うとなると総額500万円以上になる場合が多い車ですが、その低走行中古車が今、ちょっとした国産車程度の予算で狙えてしまうのです ▲キリリとした「目力」も印象的な現行BMW 3シリーズ。新車で買うとなると総額500万円以上になる場合が多い車ですが、その低走行中古車が今、ちょっとした国産車程度の予算で狙えてしまうのです

走行2万km台までの物件でも総額100万円台

BMWやアウディ、あるいはメルセデス・ベンツなどの「ちょっといい感じの欧州車」にそろそろ乗り替えてみたいと考えている30代から40代ぐらいの人、決して少なくないと思います。

しかし同時に、こうも考えているかもしれません。

「とはいえ潤沢な予算があるわけでもない。かといって、安価な予算でイケる古めの中古車は好きじゃない」

……お気持ちはわかります。しかしそうなると、選ぶべきは必然的に「新車か、あるいは高年式中古のBMWやアウディ、またはメルセデス・ベンツ」となるわけで、そういったカテゴリーの車というのは端的に言って「高い」ものです。簡単に手が出せるものではありません。

ですが今、そんなあなたにぜひ知っておいていただきたい「かなりお買い得な、ちょっといい感じの欧州車」がひとつあります。

それは現行BMW 3シリーズです。
 

▲こちらが2012年1月に登場した現行BMW 3シリーズ。何種類かのパワートレインがありますが、基本となるのは最高出力245psの2L直4ツインパワーターボエンジン+8速ATとの組み合わせです ▲こちらが2012年1月に登場した現行BMW 3シリーズ。何種類かのパワートレインがありますが、基本となるのは最高出力245psの2L直4ツインパワーターボエンジン+8速ATとの組み合わせです
▲グレードやパッケージオプション、年式などにより細かな違いはありますが、現行3シリーズのインテリアはおおむねこのようなデザイン。シャープな硬質感と上質感とが見事に融合したテイストと言えるでしょう ▲グレードやパッケージオプション、年式などにより細かな違いはありますが、現行3シリーズのインテリアはおおむねこのようなデザイン。シャープな硬質感と上質感とが見事に融合したテイストと言えるでしょう

ご承知のとおりBMW 3シリーズは、ミドルサイズのプレミアムサルーンとして世界の大定番となっているステキなドイツ車。そしてステキなドイツ車ゆえに、新車価格は431万~850万円となかなかお高いです。オプションなども含めた総額は当然ながらさらにお高くなるでしょう。

しかしその走行2万km台までの中古車は今、「総額100万円台」で十分狙えてしまうのです。……なんともお買い得じゃありませんか!
 

ただ、そろそろフルモデルチェンジとなるのは必至

具体的には総額約160万~約220万円ぐらいのレンジで、走行1万km~2.9万kmの2012~2015年式現行3シリーズが狙えるイメージです。

この条件に該当するグレードは主に320i(ガソリンの2L直4ターボエンジンを搭載するグレード)の前期型となりますが、ディーゼルターボを搭載する320dの低走行物件も、最近はこのレンジで狙えるようになってきました。

また数は少なめですが、セダン以上に人気が高いツーリング(ステーションワゴン)も、一部の低走行物件が総額100万円台に突入しています。
 

▲こちらはセダンより少々高めの相場となる現行3シリーズツーリング。ラゲージルームの容量は旧型より+35Lとなる495Lで、テールゲートは自動開閉機構付きです ▲こちらはセダンより少々高めの相場となる現行3シリーズツーリング。ラゲージルームの容量は旧型より+35Lとなる495Lで、テールゲートは自動開閉機構付きです

「新車で買うとなると総額500万円は下らない世界的サルーンが100万円台」というのは、かなりおいしい話なのではないかと思います。

が、おいしい話には当然「裏」というか、それなりの「理由」があるものです。

この場合のそれは、ひとつは「低走行物件とはいえ、誰かが以前乗っていた中古品だから安い」ということ。まぁこれは当然の話なので、今さら言うべきことはありません。「走行1万kmとか2万kmとかの中古車なら、いわゆる使用感は薄い場合が多いですよ」とだけ申しておきます。

そしてもうひとつの重要な理由が、「モデル末期だから安い」ということです。

現行BMW 3シリーズのデビューは2012年1月。欧州車は7~8年ごとにフルモデルチェンジを行うのが一般的ですので、現行3シリーズは明らかにモデル末期と言えます。

正式発表はまだありませんが、ちまたでは「今年9月のパリモーターショーで新型が発表されるのでは?」と噂されています。わかりませんが、まぁたぶんそんな感じのスケジュールなのでしょう。

この「モデル末期問題」を、我々はどう考えるべきなのでしょうか?
 

▲現行3シリーズは、これまで何度か小変更が行われています。2013年8月には安全運転支援システムの「ドライビングアシスト」が標準装備となり、2015年8月にはLEDヘッドライトやLEDフォグランプ、リアコンビランプなどのデザインが変更されました。こちらの写真はその2015年8月以降のものです ▲現行3シリーズは、これまで何度か小変更が行われています。2013年8月には安全運転支援システムの「ドライビングアシスト」が標準装備となり、2015年8月にはLEDヘッドライトやLEDフォグランプ、リアコンビランプなどのデザインが変更されました。こちらの写真はその2015年8月以降のものです

新型(次期型)の存在がさほど気にならない人はぜひ!

「モデル末期」だと何が問題で、どう嫌なのか? 以下、分解して考えてみましょう。

根本的には「すぐ型遅れ=旧型になるのが嫌」というのが当然あります。そしてその気持ちをさらに分解してみると、ひとつは「メンタル的に嫌」というのが決定的にあるはずです。

せっかく「現行型」を買ったのに、あっという間に「旧型」になってしまう。これは「頑張って働いてそれなりに立派な戸建て住宅を建立した2ヵ月後、空き地だったはずのすぐお隣に自分の家より1.8倍ぐらい立派な家が建ってしまった」みたいな感じでしょうか。確かにシャクに触る出来事です。軽くムカつきます。

もうひとつは「ハードウエア面での悔しさ」というのがあります(これも要するにメンタルの問題なのですが)。

ごく希に「なんだこりゃ?」みたいな新型車もありますが、たいていの場合、新型車というのはその旧型以上の性能を備えているものです。

今年秋に登場するといわれている新型3シリーズがどんなスペックなのかはわかりませんが、どうせイイに決まってます。それが出ると、現行(近い将来の旧型)3シリーズのオーナーは、どうしたって「ぐぬぬ……」と思ってしまうものです。
 

▲十分以上にしゃれていて上質な現行3シリーズですが、新型(次期型)が登場すれば、これも若干色あせて見えるかもしれません。その問題について、我々はどう心の決着をつければいいのでしょうか? ▲十分以上にしゃれていて上質な現行3シリーズですが、新型(次期型)が登場すれば、これも若干色あせて見えるかもしれません。その問題について、我々はどう心の決着をつければいいのでしょうか?

以上2つのの問題点、つまりメンタル面とハードウエア面で感じるだろう「悔しさ」に、自分は耐えられなさそう……と思う人は、現行末期3シリーズのお買い得っぷりに釣られるのは危険です。ここはひとつ静観を決め込み、今年秋以降に再びいろいろ検討するのが吉でしょう。

しかし、世の中には「そうでない人」もいます。

つまり、より高性能な新型の何かが出ようが、すぐお隣に立派な邸宅ができようが、「それによって、自分が品質的にも価格的にも完全に納得して買ったモノの、自分の中での価値が下がるわけじゃないんだから、関係ないよ」と考えることができる人です。

そんな人には今、「総額100万円台で探せる低走行な現行(末期)BMW 3シリーズ」はとてつもなくお買い得です。「新型(次期型)との比較」でしか物事を見れない人が多いからこそ、逆にお得なのです。

コンディションと装備の良い個体をじっくり探すことさえできれば、ベーシックな320iでも空恐ろしいほどの満足を感じることができるでしょう。公道で普通に乗る分にはぜんぜん十分以上です。

ぜひ、カーセンサーnetでそんなステキな1台を探してみてください。
 

text/伊達軍曹
photo/BMW
 

▼検索条件

3シリーズセダン × 総額160万円~220万円以下 × 3万㎞未満

▼検索条件

3シリーズツーリング × 総額160万円~220万円以下 × 3万㎞未満