絶滅危惧車のセリカカムリは、スポーツカーを一度降りたドライバーが再び走りを楽しみたくなる車だった
2018/05/17
セリカでもカムリでもない、「セリカカムリ」だ!
かつて一世を風靡したスポーツカー「セリカ」と、今でも世界市場で快進撃を続けるファミリーセダン「カムリ」。
いずれもトヨタを代表する車名だが、かつてそんな2つの車名がひとつになったモデルが存在していた。
1980年にセリカの4ドアモデルとして発売されたセリカカムリだ。
なんでもセリカの取り扱いがトヨタカローラ店で、「セリカを“卒業”して買う、上級クラスの4ドアセダンがカローラしか存在しない」という状況を打破するために生まれたのだという。
苦肉の策として投入されたのが2代目カリーナをベースにした派生車種、セリカカムリだった。
ちなみにデビュー時のキャッチフレーズは「GTアゲイン、また走ることに決めた」とセリカを“卒業”したドライバーを含む、元スポーツカーユーザーがターゲットだった。
セリカカムリが事実上、初代カムリであったことを鑑みると、時代の流れとともにカムリのコンセプトは大きく変わったものだ。
もうひとつ記しておくと、このセリカカムリだけが、カムリ史上唯一、FRを採用していた。
カリーナとの外観上の大きな違いは、ヘッドライトの数、Cピラーに設けられたエアダクト、そして、その下に配された「CELICA」のロゴなどだった。
個人的には、セリカカムリのフロントグリルが当時、トヨタのスポーツカーに採用されていた、T字グリルとなっていたことが記憶に残っている。
このT字グリル、実はあの2000GTでもかつて採用されていた……、と考えると、デザインの安売りと呼べなくもない!?
当初、セリカの名がついているものの、88psの1.6Lと95psの1.8L OHVエンジンはスポーティとは程遠い雰囲気であった。
しかし、デビューから8ヵ月後には待望の135psの2L DOHCエンジンを載せた「2000GT」が追加された。
追加された2000GTは四輪ディスクブレーキに、カリーナには採用されていないフロント・ストラット、リア・セミトレーディングの四輪独立懸架方式サスペンションも採用。
今では特筆するようなポイントでもないが、ランバーサポートやシート上下アジャスター、イルミネーテッドエントリー、AM/FMマルチラジオ、色分けガラスなどが話題を呼んだ。
カーセンサーを検索してみると、2018年5月11日現在で掲載台数はたったの3台。
デビューから時間が経っていることもあるが、たった2年で販売終了となったことも流通台数の少なさにつながっている。
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