第119回 ブレーキの利きが悪くて納車直後に事故。これって誰の責任?
カテゴリー: 購入後のトラブル
タグ:
2011/11/15
Q. 納車直後の事故は、お店の整備不良が原因なのでは?
購入した車のブレーキの利きが悪くて、納車直後に運転していたらカーブで自損事故を起こしてしまいました。納車直後だし、これってお店側の整備不良が原因なのではないでしょうか?
A. 初歩的なミス以外は車検を通った車の整備不良の立証は難しい
販売店側は、「車検を通っている」という事実から、しっかり整備をしていたと推定ができます。もし、損害賠償を請求するなら、事故の原因となった整備不良の立証責任は購入者が負うことになります。
今回のケースでは、工場や交通事故鑑定人などに依頼しないと、事故前からブレーキに異常があったことを立証するのは難しいでしょう。そもそも、事故の要因としてはスピードの出しすぎや運転技術の未熟さなども考えられるので、販売店だけの責任とは言い切れない部分もあります。
ただし、ブレーキパッドが使用に耐えないほどすり減っていたり、ブレーキフルードが少なかったなど初歩的ミスの場合は、販売店の責任を追及することができると思われます。
ここがポイント!
納車時はすぐに乗って帰るのではなく、お願いしていたことが対応されているかや整備不良がないかを一通りチェック。不安点があればその場で直してもらうこと
■使える法律用語■
立証責任(りっしょうせきにん)
民事訴訟法の原則で、権利関係の発生や消滅等の法律効果(今回は損害賠償の発生)を主張する当事者(今回は購入者)が責任を負うこと。裁判で事実の真偽(今回は整備不良の有無)がわからない場合、その当事者が不利益を被ることになる。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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