Q.納車時に車内の汚れが取れていない!クリーニング代を返してほしいんだけど?

納車時に車内の汚れが気になったので、車内クリーニング代の返還を求めました。しかし販売店側は「クリーニングは行った」の一点張り。現実に取れていないシートのシミなどがあります。客側が納得していないのに、代金を支払う必要はあるのでしょうか!? 場合によっては契約の解除も考えています。

A.明らかにゴミなどが残っていない限り、返金を求めるのは難しいでしょう

シミが取れていない、即クリーニングをしっかり行っていないとは言えません。一般的に見てしっかりした方法で車内の清掃を行っていた場合には、代金の返還を求めるのは難しいでしょう。そもそも、中古車なので新品同様の状態を要求することには無理があります。また、車の場合は、シミが走行など車本来の性能にかかわるとは考えづらいので、それだけで契約を解除するところまでは難しいと思われます。

ただし、クリーニングでも取れない可能性がある目立つシミがある場合、販売店はその事実を客側に伝えるべきでしょう。もしも、シミが取れないことを知りながら、そのことを隠していたら、不利益事実の不告知になるかもしれません

それでは、クリーニング代金を返還してもらえるのはどのようなケースでしょうか。これは単純です。例えば、ゴミやペットの毛、ホコリ、泥、砂などが大量に残っていた場合。これはシミと違って、普通に清掃をすれば残らないものです。そのため、明らかに清掃の手を抜いていると考えられます。ただし、代金の返金というよりは、クリーニングのやりなおしという形をとるのが現実的でしょう。

いずれにせよクリーニングの内容に関しては、脱臭なども含めてどの程度まで行ってくれるのか、気になる汚れがある場合には取れるのかまで確認しておきましょう。そのときに取れると言ったのに取れていない場合は、代金の支払いから差し引くことができることもあります。

今回のケースとは別ですが、車内のクリーニング代金が明記されておらず、苦し紛れに「クリーニングはサービス」と言い逃れをする販売店もあるかもしれません。しかし、車内クリーニング代金は納車整備費用に含まれている場合があります契約時に、納車整備の内容とクリーニングにかかる代金はどれくらいなのかを確認しておくと良いでしょう。

第69回:クリーニング代を支払ったのに車内が汚れたままだった!!|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

不利益事実の不告知(ふりえきじじつのふこくち)
事業者が消費者にとって利益となる旨を告げ、デメリットとなる部分を故意に消費者に説明しないこと。それによって誤認して結んだ契約は取り消すことができる