日産 エルグランド ▲フロントノーズを左右に貫くLEDラインと格子状にともる市松模様のデイライトが与えられる次期新型エルグランドの予想イメージ。ラジエターグリルはセレナ同様横基調のルーバーで構成か

※当記事はムックハウス社の発行する雑誌「マガジンX」編集部より寄稿いただたものです。内容は雑誌の内容をWEB用に一部再編成しています。マガジンXの詳細は記事末のリンクをご確認ください

中期経営計画「The Arc」に見え隠れ

日産は2024年3月に新しい中期経営計画「The Arc」を発表。2026年度までに投入されるニューモデル30車種で、そのうち16車は「e-POWER」やBEV(電気自動車)などの電動系だという。

プレゼンテーション中に近未来のニューモデルを予告する動画が放映された。見逃せないのは、次期エルグランドの存在を暗示する車が含まれていることだ。
 

日産 エルグランド▲予告映像の一部より。赤丸で囲まれたモデルが次期エルグランドと思われる。周りの車と比べて背が高く四角いフォルムをまとっているため、どう見ても大型ミニバンだ。ボンネットフード先端のライン照明と格子状に光るデイライトが特徴的
日産 エルグランド▲ティーザー映像に現れた次期エルグランドと思われるミニバン。切り立ったリアエンドと薄型コンビランプは先代(2代目)を連想させる

モビリティショー出品車のエッセンスを随所に踏襲?

2023年のジャパンモビリティショーには現実離れした大型ミニバンのコンセプトモデルが出展されたが、今回の動画では同車の特徴を受け継ぐエルグランドらしき車両が収録されている。

日産 エルグランド▲2023年のジャパンモビリティショーに出品されたハイパーツアラー。斜めにカットされたフロントフェンダー先端とボディを一周する装飾は市販版にも受け継がれるかもしれない

コンセプトカーの「ハイパーツアラー」と映像に登場する車両の共通点を探ると、まずフロントフェンダーとバンパー先端が直線でカットされたかのようにエッジの立った造形が発見できる。

また、ボンネットフード下にはマスクを左右方向に貫くLEDのラインが受け継がれている。市松模様のディテールはハイパーツアラーにも配されていた。
 

日産 エルグランド▲北米向けミニバンのクエストと統合されてFF化された現行エルグランド。しかし、目線の高さや前面投影面積の大きさによる堂々とした押し出し感が、ライバルであるトヨタ アルファード/ヴェルファイアより劣り失速してしまった

海外で実用化済みの2L直4ターボを搭載か

コンセプトカーの「ハイパーツアラー」はBEVへの転身が想定されていたが、市場ニーズを加味するとモデルチェンジ後も内燃機関を有するに違いない。

現行モデルのユニットは2000年代前半から使われていて20年が経過しているため、新世代ユニットに刷新されるだろう。

インフィニティの一部モデルに使われている2L直4ターボも代替ユニットとしてあり得そうだ。また、電動化の一環として「e-POWER」も設定される可能性が高く、こちらは発電専用1.5L直3+モーターが採用される見立て。

4代目エルグランドは2025年に導入されるのではないかとにらんでいる。計画どおりに登場すれば、じつに15年ぶりの世代交代となる。

ユーザーだけでなく販売現場も待ちわびているはずだが、すでにアルファード/ヴェルファイアに流出していったオーナーも少なくない。

あえてモダン路線を行くことでアンチアル/ヴェル派を取り込むのもひとつの手かもしれない。

※2024年5月24日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2025年以降
■全長×全幅×全高:4965×1850×1850(mm)
■搭載エンジン:2L 直4+ターボ 他
 

文/マガジンX編集部
写真/マガジンX編集部、日産自動車