カングー▲カングーといえば観音開きのゲート。観音開きといえば観音様でキマリ! ということで仙台の大観音様を拝みに行ってきた

カングーでお気ラク、超ラク、現実逃避の往復1200km旅へ

ルノー・ジャポンから届いた一通のお誘いメールに、またもや何も考えず手を挙げてしまった編集部。その内容をよく読んでみると、カングーで往復300㎞以上走り、我々EDGE編集部が考えつくカングーの使い方や映える写真を撮れるものなら撮ってみろ、というもの。

参加表明はしたものの、編集部内にはカングーが得意なアウトドアを趣味としているメンバーはおらず、「で、どうする? カングー……」というまったく前に進まない会話を数週間続けていた。

イタフラ車好きの編集部員Yが口を開く。 「やっぱりフランス車は長距離よ、長距離!」

釣り好きなのにいつも釣り場に雨を降らす雨男の編集部員Oが口を開く。 「今、梅雨じゃん? 西より東に進んだ方がとりあえず雨は避けられるんじゃね?」

これで決まった東北への旅。とりあえず岩手・宮城まで行けば往復300㎞はラクにクリアするうえ、周辺には海も山も川もある。映える写真だってどうにか撮ってこれるべ、ということで、いざ東北へ。
 

カングー▲これが今回EDGE編集部の相棒となってくれたカングー。ガソリン インテンス ブルーソーダライトM。1.3L直4ターボの5人乗りFF仕様だ
カングー▲「やべぇ、岩手まで来たのに雨降りそうだぜ……」雨男の編集部員Oに落ち着きがなくなる
カングー▲一山越えれば天候が変わると信じて先へ急ぐ。それにしても、排気量1.3Lなのに意外にもストレスなくスイスイと山道を上っていく
カングー▲狭い林道でもカングーのカタチとサイズ感なら圧迫感は感じない。目線も適度に高く前方視界が良好なこの基本性能によって、初めて来る道や狭い路地などでも運転がラクに感じるのかもしれない。これはレジャーモデルに絶対必要な性能に思える

最初の目的地に選んだのは、リアス式海岸による起伏に富んだ地形と穏やかな湾がいくつも続く岩手県大船渡市三陸町。三陸縦貫道を使えば仙台からでもあっという間の2時間ちょいで行ける。でも、いったん一般道へ降りれば起伏のある道となる。旧道はさらに起伏が激しく道も狭いが、このエリアならではの車窓からの絶景にも出会うことができる。

あえて最短最速ルートから外れ、絶景を求めて旧道なども走ってみたが、カングーは勾配や狭い道での対向車とのすれ違いといったシーンでも実にストレスなく使えた。

当然、ここまで来る間、約600㎞の道中の大半は高速道路を走ってきたが、長距離移動の際の乗り心地、振動、車内静粛性といった身体へのストレスはみじんも感じていない。三陸縦貫道の片側一車線区間で先行車に追従していくシーンなどでは、クルーズコントロール機能の「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」を積極的に使ってリラックスした状態をキープしてきたことも、疲労感を軽減できていた要因だろう。
 

カングー▲三陸町の越喜来湾に到着。なんと穏やかな海でしょう。晴れていて良かった、ということでちょっとだけ釣り糸でも垂らしてみますか
カングー▲じぇじぇじぇ!? ナニコレ、一人釣りに超便利じゃない!? しかもプライベート感が半端ないんですけど。ああ、もう釣れなくてもいい、日常の嫌なこと全部忘れられそう……

目的地である三陸町は運よく晴れていた。越喜来湾も穏やかだ。ということで釣りでもするか、と水際まで車両を寄せてみたときにひらめいた。

カングーといえば観音開きのゲート。これを左右に開き、ラゲージに腰掛ければ完全に自分だけの景色と世界が目の前に広がるではないか。周りを気にせず一人静かに釣り糸を垂らし、ゆったりとした休日を過ごしたい人には最高のシチュエーションとなる。

しかも仕掛けを投げるときに竿を振っても頭上にゲートがないので、これまた釣りには都合がよいのだ。広いラゲージには竿も仕掛けも椅子も適当に積めるし、カングーは「一人釣りグルマ」としての特別な性能を有していた。とりあえず、カングーをベスト釣り車と認定だ!
 

カングー▲観音扉のカングーにベストな組み合わせは、観音様でキマリ! なんと神々しい……。この撮影をした後に釣りに行けば少しは釣果があったのかも……

カングーならではの映えカットはプライベート釣りでキマリ、と思っていた翌日の仙台で、やけにデカく神々しい大観音様を発見。これはもう“お導き”であろう、ということで日も暮れそうな時間に観音様の正面にカングーを置き、観音開きのゲートを神妙に開きパシャリ。

キマッタ……(感涙)。 我々編集部員はそっとカメラを置きカングーと観音様に手を合わせ、妙にすがすがしい気持ちで一路東京へ戻ったのでした。
 

文=編集部 写真=佐川一之、編集部 協力=ルノー・ジャポン