マツダ RX-8に19年間乗り続けている父親にインタビューしてみたら、車に対する考え方が変わった大学生の話
カテゴリー: クルマ
タグ: マツダ / RX-8 / カーセンサー学生編集部員
2022/08/18
カーセンサー学生編集部員(近畿大学4回生)の久保です。
みなさんは同じ車に何年くらい乗り続けていますか? 毎年買い替えることは少ないと思いますが、とはいっても10年も乗り続けるのって、なかなか珍しいのではないでしょうか。
いわゆるZ世代の私は、次から次へと新しいモノがやってくる世の中に生まれてきたので、数年で買い替えるのが結構フツーなんです。それこそスマホは2~3年たったら次の世代に買い替えるし、10年も使い続けてきたモノなんてありません。
そんな私からすると、すっごく不思議な存在が身近にいます。父です。
父は、私が物心ついてから今までずっと、19年にもわたって同じ車に乗り続けているんです。マツダ RX-8(初代)で、私が2歳の時から久保家のファミリーカーです。
スマホよりも車ははるかに高価なので数年で手放さないのは理解できるのですが、19年乗り続けるのは正直ぜんぜん理解できません……。私だったら、すぐ新しいモデルに目移りしちゃうだろうし、周りの友だちに聞いても「実家の車が19年まったく変わらない」なんて人は1人もいませんでした。
それに、車は言ってしまえば「移動手段のための機械」だし、いくら気に入っていたとしても不具合が出てきたら次の車を探すのでは? それに最近は、数年後に売ることを考えて購入するような人も増えているって聞いたこともある。
……と、考えれば考えるほど、父の謎は深まるばかり。そこでこの機会に、「どうして同じ車に19年も乗り続けているの?」とインタビューしてみました。
父と娘の対談スタート!
父 2003年からだから、19年は乗っていることになるね。さくら(娘)が2歳の時に購入したから。前期型のマツダ RX-8のMT車で、我が家の唯一のファミリーカー。
父 2002年の東京モーターショーで試乗したんだ。その時にビビビッ!ってきて。
父 とにかく運転するのが楽しいところ。高回転型のロータリーエンジンだからこそ、加速のときに一気にスピードが上がる。あと、観音開きのドアも珍しいでしょ?そこもお気に入りポイント。
父 あとさ、スポーツカーって2人乗りが多いけど、RX-8は大人が4人乗れるところもいいよね。走りも楽しめつつ、ファミリーカーとしても活躍してくれるんだ!
父 いや、その時はいつまで乗るかなんて具体的なことは考えてなかったなぁ。車自体が魅力的だし、他に欲しい車も出てこなかったし、特に不満もなかったから。
父 それはごめん……(笑)。
父 いやぁ、機能に関しては何も不自由なかったし、全然不満はなかったよ。
父 「どうして19年も乗り続けてきたのか?」について改めて考えてみると、やっぱり思い出とか愛着があるからかもしれない。
父 さくらが2歳の時からずっとあるから、RX-8には久保家の歴史がつまっているというか。さくらがジュニアシートに乗ったときとか、大きくなってジュニアシートが取れた時とか、家族みんなで旅行したこととか……。愛車の歴史と娘の成長がセットになっているんだよね。
父 そうなんだよ。あと、古くなってきているから季節によってもエンジンの調子が変わるし、そんなところが人間と似ていて……。
父 そうそう(笑)。だから、人によっては面倒くさいと感じる人もいるだろうけど、生き物のように感じられるところが良いんだよね。
父 定期的に動かさんといかんからね。手間はかかるけど、そういうところがいいなって思う。きっと人間と同じで、なんでもこなせる人と手のかかる人だったら、手間のかかる人の方が面白いし愛着が湧くよね。よその人から見たらうちのRX-8は汚い車かもしれないけど、お父さんにとっては大切な車。
父 車が好きなことはもちろんだけど、やっぱり思い出があるからかな、RX-8の中に。久保家にとっては歴史のある車で、もう簡単には手放せない存在になってるんだよね。
父 うん。さっき「車はあくまで機械」と言っていたけど、我が家のRX-8は「ただの乗りモノ」じゃないんだ。もちろん移動手段ではあるんだけど、それ以上に生き物というか、家族のような存在なんだよね。
父 さくらがそう思ってくれるとすごくうれしいな。あ、そういえば、19年乗り続けて走行距離が88888㎞になったよ!
父 RX-8で88888㎞って、なんか縁起いいでしょ(笑)?
父 そうだなぁ……。こんな話をしておいてなんだけど、さくらが就職したら乗り替えようかなと思ってて。
父 さくらが社会人になって本当の意味で親元を離れるタイミングで、RX-8ともお別れするのがいいのかなと思ってさ。
父 そんなことないよ(笑)。また帰省したら一緒にドライブしようか!
父 それはうれしいなぁ。こちらこそありがとう。大阪でも身体に気をつけて頑張るんだよ~。じゃあ、またね!
車はただの機械じゃなくて、もう1人の家族になれるような存在だった
父とのインタビューを通して、「車が家族になれるような存在である」という考え方を初めて知りました。私が今まで考えていた”フツー”が、普通じゃなくなりました。
それに、私の成長と車を重ねているなんて、今まで知らなかったです。車を乗り替えるタイミングさえも父らしいなあと思って感動しちゃいました……。
これから先、私が車を購入する時がきたら、父のような考えを持って車選びができたらなと思います。
【記事について】
この記事は、近畿大学経営学部松本ゼミ所属の久保さくら、大浦菜々佳、大谷愛華、加藤蘭が、企画やインタビュー、執筆を担当しました。