人と違う車に乗りたいなら「OEM車」という選択肢はいかが?
2016/10/18
同じに見えて実は違う。小さな違いで差をつける!
車を選ぶときは、当然生活スタイルや環境、そして主な使い方によって車種を絞り込むのは当然のことですが、その中で「自分の個性を出したい!」と思っている人も多いのではないでしょうか? 車も服と同じく自分のキャラクターやセンスを表現する手段のひとつともいえますよね。
しかし、いくら個性的でもクラシックカーや輸入車などはトラブルが発生したときが心配。1つの部品を交換するのに何日も、下手をすると何ヵ月も乗れないなんていうのは困ってしまいます。そこでオススメしたいのが「OEM車」という選択肢。人気のアノ車種に見えるけど実は違う、というツウ好みのチョイスなのです。
そもそもOEM車ってなに?
OEMとはOriginal Equipment Manufacturingの頭文字をとったもので、車に関しては他メーカーが開発、生産している車種を自社ブランドで販売することを指します。コンビニで、見たことのあるお菓子などの商品がプライベートブランドで売られているのと同じようなものだと考えていただければわかりやすいでしょうか?
ではなぜそんなことをするのかというと、それは自社のラインナップを充実させるためなのです。例えば、トヨタではダイハツの軽自動車をOEM販売しています。これはトヨタ車のユーザーがセカンドカーなどで軽自動車が欲しい、となったときに取り扱いがないと当然他社に流れてしまいますが、OEM車を用意することによってそのユーザーを引き続き囲い込むことができる、という寸法なんですね。
じゃあ自分のところで開発、生産すればいいじゃないか、とお思いの方もおられるでしょうが、車の開発は莫大な期間と予算がかかるもの。それだけ販売台数が見込まれる車種であればいいのでしょうが、そうでもない車種は他社から供給を受けた方がメリットが大きいというわけなんです。
つまり、需要が全くないわけではないが、それほど販売台数が見込めない車種がOEM車として供給されるため、必然的に「マイナー車=人と違う車」という図式が完成するわけですね。
では、実際にどんな車種があるのかをご紹介いたしましょう!
日産・セレナ→スズキ・ランディ
ミニバン売り上げNo.1を記録したこともある日産・セレナの先代および先々代がベースになっているのが、スズキ・ランディ。搭載されるエンジンも先代セレナに存在していたハイブリッドも用意され、機関的な違いはありません。ただ、セレナで人気のエアログレード「ハイウェイスター」やカスタムカーの「ライダー」に相当するグレードがないというのが一番の違いとなります。
ちなみに、全国的にはセレナの陰に隠れた車種というイメージですが、スズキのお膝元静岡県では結構頻繁に見かける車種でもあります。
トヨタ・プリウスα→ダイハツ・メビウス
トヨタが誇るハイブリッドカー、プリウスのステーションワゴン版ともいえるプリウスαは、ダイハツへOEM供給されています。グレードはプリウスαでも売れ筋グレードの「S」のみとなりますが、スポーティな装いの「S ツーリングセレクション」も用意されています。ただ、本家プリウスαとの大きな違いが、7人乗り仕様が用意されず、全車5人乗りになるということ。
主にダイハツ関係者向けに用意された車種だったのですが、2016年8月にダイハツがトヨタの子会社になったため、カムリOEMのアルティスとともに消滅する可能性が濃厚となっています。
ダイハツの軽自動車→トヨタ・ピクシスシリーズ
冒頭でも紹介しましたが、自社の軽自動車を持たないトヨタはダイハツから多くの軽自動車をOEMとして供給されています。トヨタ版はすべてピクシス〇〇という名前となり、軽トラック/軽ワンボックスバンのハイゼットはピクシストラック/ピクシスバン、ミライースはピクシスエポック、ムーヴコンテはピクシススペース、ウェイクはピクシスメガ、キャストはピクシスジョイとして販売されています。メーカーとしては積極的に販売していないと聞きますが、中古車でもピクシスシリーズで400台前後(2016年10月5日時点のカーセンサーnetの台数)の在庫があり、意外と街中でも見かける車種となっています。とはいえ、プリウスとはくらべものにもならないですが……
いかがでしょうか? パッと見は本家モデルと同じものの、よくよく見るとエンブレムなどが違うというOEM車。“わかる人にはわかる“というのが最高に自己満足度が高いポイントですし、部品にも整備にも困らないという相反するポイントを兼ね備えた車種と言えるのではないでしょうか。また、OEM車の中古車はディーラー系の中古車販売店に在庫されていることが多いため、充実したアフターケアや保証を受けることができるのもメリットといえるでしょう。
ただし、OEM車の台数は圧倒的に少ないという事実を念頭に置いておく必要があります。例えばセレナ(先代)が1182台に対してランディは19台、プリウスαが2847台に対してメビウスは3台(2016年10月5日時点のカーセンサーnetの台数)と、圧倒的な差があるため、自分好みの車両が出てくるまで気長に待つしかないというのが最大のデメリットなのかもしれません。
▼検索条件
スズキ ランディ(最終型)▼検索条件
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