世の中、格差社会といわれていて収入はどんどん差が開いている
クルマだってそう。最新のテクノロジー満載のクルマは高額になり
とても手の届かないモノになっているのだ。しかし、決してハイパワーじゃないし
ハイテクデバイスも満載されていないけど、センスの光るクルマは存在する
高級車にも決して負けないちょっと古くて、カワイイ、そして安い
“フルカワ”なクルマたちを3人の評論家が楽しみ方も一緒に教えてくれる
素の良さを味わえる2代目ロードスターで
山道を走っていい汗かこう
by 自動車ライター渡辺敏史さん
外観はボロくてもきっちりメンテして乗るのが流儀

  日本車では数少ないFR(後輪駆動)にしてMT車の流通量が多く、しかも軽くてサイズも手頃。ということでマツダロードスター、とかく走り好きの支持に偏っていきがちなクルマですよね。そして乗ってからの志向もそっちに引っ張られがちになる。車高くらい落とさないとカッコつかねぇよなぁみたいな。
  確かにイジっても楽しめるクルマです。なんもかんも取っ払って車重軽くしてアシをかっちり固めて棒入れまくって朝っぱらから山道パィーンと走って。いい汗かけますよ。GT-Rだと冷や汗ですけど。
  でも、このクルマの本質ってそれだけじゃあない。外観は多少ボロくともむしろノーマルで、ヘタった消耗品をきっちり手入れしながら毎日のアシとして乗る。そういうスタイルでも真価は発揮されるものだと思います。
  その、ノーマル状態という前提での走りのピュア度で言えば確かに初代のNAのほうが高いかもしれません。しかも1.6Lの初期になればなるほど。よく言われる話です。やっぱ軽さひときわなフィーリングがありますしね。

ちびジャガーっぽいルックスは視認性も良く乗りやすい

  でもNAって時間と共に自然淘汰が進んだり外国に持って行かれたりで、お値打ち感のある物件がかなり少なくなってます。そしてさすがに初期から20年たてばマイナートラブルがポロポロと起き…という話も耳にします。つまり、NA命というよほどの根性がないと手を出せない物件になりつつあるわけです。この辺はZ32にせよR32にせよ一緒ですよね。
  じゃあNAに対して2代目のNBはなにが劣っているか。強いて言えば重量くらいなものでしょう。ボディ剛性は高まりシャーシの正確さも上がり、内装質感もちったぁ上がり荷室は俄然使いやすくなりと。個人的には走りのキレを極めるような使い方をしない限りこっちを積極的に選んで吉だと思うんですけどね。ちびジャガーっぽいルックスも前後車幅の視認性が高く、乗りやすさも満点ですし。
  オススメはシフトフィールを買って俄然1.6Lの5MTです。そう、ここでのロードスターの価値は速さではない。スッポンポンで走ることとか踏んだり触ったりを介してのクルマのビビッドな反応とかを価値と見るわけですから。女子ウケ以前に自分ウケは最高だと思いますよ。
ROADSTER マツダ ロードスター (1998年~2005年)
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渡辺’sこれもイイ!
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LEGACY LANCASTER スバル レガシィ ランカスター
硬派な印象なのにチェック柄のシートが○
なにより普通の生活をしている限り、このクルマで行けない場所はないということ。それってクルマをもつ喜びの基本中の基本ですから。その点ではフォレスターもしかりですが、街中での親和性はこちらのほうがやや高く、乗り味の上質感もやはり上。初期の2.5iはシート地も可愛いチェックだし、女子ウケもよろしいのではと。
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ROVER MINI ローバー ミニ
乗り心地の悪さもけなげさで女子の本能をくすぐる
ニューミニがブンブン走り回る中、あえて。今、いいモノが手頃に買えるラストかもしれません。乗っての楽しさは言わずもがな。ATでも十分その片鱗は味わえます。乗り心地の悪さも笑って許せる存在の愛らしさは誰もが認めるところ。世の中に大型高級SUVなんぞはびこる今こそ、このけなげさが女子の母性をくすぐり倒すはず。
Report/渡辺敏史
※この記事は、カーセンサー関東版7号(3/19発)の特集をWEB用に再構成したものです