【オンリーワンを探せ】かわいらしさたっぷりのクーペはタイムマシン
2013/06/11
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年6月4日に発見したのは「日産 NXクーペ」です。黄色いNXクーペがCGで登場するテレビCMを覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。「タイムマシンかもしれない」というナレーションとともに「日産のKids at heart」というキャッチフレーズが印象的でした。
NXクーペはサニー RZ-1の後継車ですが、今までのボーイッシュでスポーティな雰囲気とは違いカジュアルで“かわいい”路線へと変革を遂げました。デザインはカリフォルニア州にある「日産デザインインターナショナル」が担当し、ターゲットは北米の女性ユーザーだったそうです。そのためか、日本での新車販売はさほど芳しくなく、中古車市場にもほとんど流通していないというのが現状です。
1990年のデビュー当時もユニークなデザインだと思っていましたが、今見てもなんとも言えない愛くるしさを感じます。ご紹介する車両の色も手伝ってか、なんとなく某有名テレビゲームに登場する水色の丸っこいキャラクターに見えなくもありません(笑)。長く愛せそうな、普遍的なかわいらしさがあると思いますよ。
クーペというと、ラグジュアリーな雰囲気だったりスポーティだったりするものですが、NXクーペにそれらの要素はありません。あるのはキュートさと、今でも感じられる近未来感です。
テレビCMにあったように「タイムマシンかもしれない」というのも、23年たった今では妙な“現実味”を帯びてきたように思います。というのは、近未来的デザインでありながら、いつの時代の車かよくわからないんです。ラジカセが古かったり、メーターパネルが最近のものぽかったりと、良い意味で時代錯誤を感じさせます。
当該車両ですが、ボディに若干のヘコみが見られるものの、21年前のモノとは思えないきれいな状態です。内装のヘタリも少なそうですし、何よりもフルノーマルで社外品が一切ないオリジナルコンディション! 絶対性能は高くないかもしれませんが、車重は1t前後なので1.5Lエンジンでも十分でしょう。
この車に乗ったら、90年代の音楽しか聞かないとか、かつて90年代にはやった場所(飲食店、遊び場)ばかりドライブに行くとかしてみてはどうでしょう。きっとタイムマシンに乗った気分に浸れますし、とにかく車に乗ること自体が楽しくなると思います。そう、走ってなんぼの車じゃなければトコトン遊んじゃえばイイんですよ!
Text/古賀貴司(自動車王国)