▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は流行の車中泊について ▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は流行の車中泊について

ドライブレコーダーに続き関心度が高い車中泊グッズ

リクルート自動車総研が実施する『中古車購入実態調査』では、中古車購入時に合わせて買った、もしくは申し込んだ商品やサービスについてもヒアリングしている。

下の表①は、過去データ(2016年と2017年)の平均値に対し、2018年に購入/申し込みの数値が急増した商品・サービスの上位5つをランキング形式で並べたものだ。
 

※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より▲※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

人気度の目安となる購入/申し込み数ではなく、あくまで過去データからの“伸び率”に注目しているのがポイント。

近ごろ何かと話題の「ドライブレコーダー」が、2.1倍の高い伸び率を示し1位になっている。

そのことからも、ここ最近のユーザーの興味関心を知る手がかりとして、このランキングは有用だと考えてよいだろう。

注目は、2位にランキングした「車中泊用品」。前年・前々年の平均値に対し、1.81倍の伸びを示している。

確かに、マナー違反に対する警鐘やルールの啓蒙といった形が多いものの、車中泊がここ最近テレビや新聞などで報じられる機会が増えてきた。

裏を返せば、それくらい車中泊をするユーザーが多いということだ。

そんな状況が、表②の結果にも反映されていると言える。
 

※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より▲※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

若者の間ではバンライフがブームに

だからといって、これから車中泊の本格的なブームが来るという安易な結論に飛びつく訳ではない。

ここではもう少しスケールの大きな可能性に目を向けてみたい。

そもそも車中泊とは、車内で仮眠したり寝泊まりする行為を指す言葉だ。

それが折からのキャンピングカーブームやアウトドアブームと相まって、ホテルや旅館ではなく、車をある種のベースキャンプとして利用する旅のスタイルという意味も含むようになった。

表①のランキングで「車中泊グッズ」が2位に付けたのは、こうした側面に興味関心を抱いたユーザーがアクションを起こした結果と考えられる。

また最近では、キャンピングカーやミニバンなど、車中泊できる車で旅をしながら暮らすVAN LIFE(バンライフ)が、SNSかいわいを中心に盛り上がりを見せつつある。

旅のスタイルを通り越し、車で暮らしながら旅をするライフスタイルが注目を集めているのだ。

しかも、キャンピングカーのメインユーザー層である50代や60代だけではなく、20代、30代の若い世代にも急速に広がっているというのが興味深い。

そういった意味で、外出先のベースキャンプとして使える車に対する興味関心を年代別に示したグラフ②は、旅のスタイルとしての車中泊はもちろん、その先にあるバンライフとの親和性や今後のポテンシャルを計るヒントとなりそうだ。

電話や映像がそうであるように、ITの進化は物理的に固定された場所から私たちを解放してきた。

その延長線上には、バンライフのような暮らしの場を固定しない生き方が当たり前の時代がやってくるかもしれない。

昨今の車中泊の盛り上がりを、そんな未来が到来する予兆前兆と捉えるのは、果たして考えすぎなのだろうか。
 

 

旅のスタイルとしての車中泊にピッタリな予算100万円で狙えるモデル3選

1:トヨタ ハイエースバン(現行型)

▲トヨタ ハイエースバン ▲不動の人気を誇る商用バン。広い荷室空間を自由にアレンジできる3人乗り仕様もあり、カスタムのベース車として最適。予算100万円で狙える中古車物件が豊富なのもグッドだ
 

2:ホンダ N-BOX+(初代)

ホンダ N-BOX+ ▲大ヒットした初代N-BOXの派生モデル。付属のマルチボードをセットすれば、足を伸ばして寝転べるベッドモードに早変わり。テントやタープとの併用で使い方が広がるのも◎
 

3:トヨタ ヴォクシー(2代目)

トヨタ ヴォクシー ▲注目は5人乗り2列シートのトランスX。2列目シートを畳めば、アレンジしやすい広い荷室空間が生まれる。中古車流通量が少ないので、初代も合わせてチェックしよう
 
文/編集部
写真/chappy、トヨタ、ホンダ