▲今回お邪魔したガッティーナの酒井社長が若いときにやっていたお店のことも知っていたBoseさん。昔話に花が咲きます。それにしても……写真のルノー アヴァンタイムといい、変わった車がたくさんありました! ▲今回お邪魔したガッティーナの酒井社長が若いときにやっていたお店のことも知っていたBoseさん。昔話に花が咲きます。それにしても……写真のルノー アヴァンタイムといい、変わった車がたくさんありました!

初めてのお店なのにそんな気がしない。その理由は……?

日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseが中古車情報誌『カーセンサー』にてお届けする人気連載「Bosensor」。カーセンサー本誌で収録しきれないDEEPでUNDERGROUNDな話をお届けっ!!

編集部ペリー(以下、ペリー):さてBoseさん。今回は神奈川県藤沢市にやってきました。さっき海沿いの道を走りましたが、気持ち良かったッスねえ。絶好のドライブ日和。取材を忘れてこのまま遠くまで走り去りたい気分です。

Bose:取材を忘れちゃダメでしょ! ……まあいいや。今回お邪魔するのはGATTINA(ガッティーナ)というお店。ちょい古輸入車好きの間ではわりと有名みたい。僕も噂を聞いたこと、あるよ。

ペリー:どんな噂ですか?

Bose:ちょっと変わった車やおもしろい車を扱っているってね。実は昔、都内に同じ名前のお店があった気がするんだ。そこと関係があるかも聞いてみたいと思って。

酒井社長:Boseさん、いらっしゃいませ。今日はゆっくりしていってくださいね。

Bose:今日はよろしくお願いします。さっそくなんですが社長。お店はいつからやっているんですか?

酒井社長:ここに移転したのは2004年だから12年前。その前は東京の環八から少し入った久が原の方でやっていたんですよ。

Bose:ですよね! ルノー 5とかが並んでいる店の前をよく通りかかっていて車を見ていたんですよ。

酒井社長:そうだったんですか。嬉しいなあ。

Bose:場所を変えて営業するときは、お店の雰囲気もガラッと変わるものですか?

酒井社長:敷地の形も違うし環境も変わるから、自然にお店の雰囲気も変わってきますよ。でもこの事務所の扉だけは前の店から持ってきたんです。そういえば、東京でやっていた頃にカーセンサーに掲載したページの切り抜き、まだあるんですけれど見ますか?

Bose:見たい、見たい! うわっ! 初代ルノー ルーテシアバカラにフィアット ウーノ! 全部大好物だよ。しかも安い!! まだネオクラシックな部類に入る前の時代だから中古車相場が底値だったんだな。この頃に戻りたいよ(笑)。社長は社会人になってすぐに自分のお店をオープンしたんですか?

酒井社長:最初はイタリア車などを多く扱うCモータースで働いていたんです。そこから独立してこのお店をオープンしたんですよ。

Bose:なるほどねー。さっそくなんですが社長、カーセンサーで取材させてもらう車を選びたいんです。お店の中を見せてもらっていいですか? それにしても広い屋内展示場だなあ。

酒井社長:実はもともとスーパーマーケットだった場所を改装したので、室内を広くとれたんです。古い車は屋内に置きたいですからね。どうぞ、遠慮なく見ていってください。

▲【シトロエン XM】僕のマネージャーはかつてエグザンティアに乗っていたけれど、同じ時代のシトロエンの最上級モデルがこれ。今どき、XMが3台もお店にあるって驚きだよ。シトロエンは昔からデザインがすごいよね。これもインダストリアルデザイナーがささっと線を引いたのをそのまま形にしちゃった感じだもん。よくこれを量産できたと思う。そしてこの当時のシトロエンといえばハイドラクティブ。最高に気持ちいい乗り心地だと思うよ! ▲【シトロエン XM】僕のマネージャーはかつてエグザンティアに乗っていたけれど、同じ時代のシトロエンの最上級モデルがこれ。今どき、XMが3台もお店にあるって驚きだよ。シトロエンは昔からデザインがすごいよね。これもインダストリアルデザイナーがささっと線を引いたのをそのまま形にしちゃった感じだもん。よくこれを量産できたと思う。そしてこの当時のシトロエンといえばハイドラクティブ。最高に気持ちいい乗り心地だと思うよ!
▲【ルノー アヴァンタイム】でたっ! 2000年代の変態グルマを3台上げろと言われたら確実にそのうちの1台にノミネートされるアヴァンタイム。見た目はどこを切り取っても日本のミニバン的なのに、よく見たら2ドア!! しかもドアがデカくて長い!!! ミニバンっぽいのにクーペで、サンルーフが後ろまでガバッと開くからオープン感覚で乗れる。そして左ハンドルのマニュアル。何から何まで常識の外にある車だよ ▲【ルノー アヴァンタイム】でたっ! 2000年代の変態グルマを3台上げろと言われたら確実にそのうちの1台にノミネートされるアヴァンタイム。見た目はどこを切り取っても日本のミニバン的なのに、よく見たら2ドア!! しかもドアがデカくて長い!!! ミニバンっぽいのにクーペで、サンルーフが後ろまでガバッと開くからオープン感覚で乗れる。そして左ハンドルのマニュアル。何から何まで常識の外にある車だよ
▲【トヨタ タウンエース】すごいね~、これ。1976年に初めて出たタウンエースだって。僕は1BOXとかはあんまり興味ないけれど、これは引かれるなあ。ちなみにこのタウンエースも販売したいけれど、現状は値段が付けられないんだって。ボディをどこまで直すか、どこから部品を探すかなどでまったく変わってきちゃうもんね。こういう車が現代の道を走っていたらおもしろいよね ▲【トヨタ タウンエース】すごいね~、これ。1976年に初めて出たタウンエースだって。僕は1BOXとかはあんまり興味ないけれど、これは引かれるなあ。ちなみにこのタウンエースも販売したいけれど、現状は値段が付けられないんだって。ボディをどこまで直すか、どこから部品を探すかなどでまったく変わってきちゃうもんね。こういう車が現代の道を走っていたらおもしろいよね
▲【PIAGGIO APE(アペ)50】すげえ!こんなの初めて見たよ! これはVespaで有名なイタリアのPIAGGIOというメーカーが作っている3輪べスパ、APE50っていうんだって。操作もバイクと一緒だし、ステアリングもバータイプ。日本にも3輪スクーターはあるけれど、APEの見た目は完全に昔のオート3輪。これで配達したら宣伝効果抜群じゃない!? ▲【PIAGGIO APE(アペ)50】すげえ!こんなの初めて見たよ! これはVespaで有名なイタリアのPIAGGIOというメーカーが作っている3輪べスパ、APE50っていうんだって。操作もバイクと一緒だし、ステアリングもバータイプ。日本にも3輪スクーターはあるけれど、APEの見た目は完全に昔のオート3輪。これで配達したら宣伝効果抜群じゃない!?

粋なイタリア車っぽい車が実は国産っていうギャップがいい!

ペリー:さてBoseさん。いろいろ見ましたが、今回は本誌でどれを紹介しましょうか。

Bose:う~ん……今回は難しいなあ。どれもおもしろいし、逆にどれも突飛すぎるし。この連載がスタートしてからもっとも難しいチョイスかもしれない。

ペリー:たしかにそうスね。APEとかおもしろいけれど、カーセンサーには絶対載ってないです。

Bose:でもやっぱあれかな。あそこにある白くて小さいの。

ペリー:シャレードですか! 古い輸入車が多いお店で、あえて80年代の小さな国産車を取り上げるのもおもしろいかもしれない。

Bose:小さいといっても、ダイハツは軽自動車メーカーだからむしろリッターカーは大きい部類だし。それにこの世代のシャレードってディーゼルがあったり、デトマソもラインナップされていたやつだもんね。粋な感じがするじゃん!

酒井社長:Boseさん、目の付けどころがいいですね。この時代のシャレードはいいですよ。

Bose:しかも驚いたのは、もはやほとんど見ない車なのに、お店にシャレードが3台も並んでいることなんですよ。推してるなあって感じで。

酒井社長:実は売りものはこの白いTSだけなんですよ。あっちの黄色いのはお客さんから修理を頼まれて預かっているものなんですが、部品が全然見つからないので、仕方なく部品取り用にもう1台探してきたんです。で、気づいたらいっぱい集まっちゃった(笑)。

Bose:それもすごい話! 今じゃなかなかお目にかかれないシャレード。当時は打倒スターレット、打倒マーチスーパーターボなモデルだったわけだし、絶対に盛り上がるよ!!

▲社長がエンジンをかけてくれたけれど、1Lとは思えない図太い音でダイレクト感たっぷりな雰囲気が伝わってくる。インテリアも直線的でカッコいいし、なによりパワーウインドウじゃないクルクルタイプっていうのがいいじゃん。イタリア車を意識して作っていたんだろうね。眺めているうちにどんどん名車に見えてきたぞ! ▲社長がエンジンをかけてくれたけれど、1Lとは思えない図太い音でダイレクト感たっぷりな雰囲気が伝わってくる。インテリアも直線的でカッコいいし、なによりパワーウインドウじゃないクルクルタイプっていうのがいいじゃん。イタリア車を意識して作っていたんだろうね。眺めているうちにどんどん名車に見えてきたぞ!
text/高橋 満(BRIDGEMAN)
photo/尾形和美