日本カー・オブ・ザ・イヤー▲日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーたち。軽自動車から超プレミアムモデルまでずらり

「2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー」を決める10ベストカー試乗会

2023年11月22日、袖ヶ浦フォレストレースウェイで「2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー」を決める10ベストカー試乗会が開催されました。

事前に60名の選考委員が34モデルのノミネート車の中から、最終選考会に進む10モデルを選出。選考委員はこの10モデルに試乗し、持ち点である16点を最も評価する車に10点、2位に4点、3位に2点を投票する仕組みです。

今年の「10ベストカー」は、下記の10モデルです。

・スバル クロストレック
・トヨタ アルファード/ヴェルファイア
・トヨタ プリウス
・日産 セレナ
・ホンダ ZR-V
・三菱 デリカミニ
・アバルト 500e
・BMW X1
・マセラティ グレカーレ
・フォルクスワーゲン ID.4

当然、選考委員の皆さんはすでにこの10モデルには試乗済み。ですが、「最後に票を入れるモデルを決めるため」改めてサーキットでの試乗を行うのです。

当日は快晴、絶好の試乗会日和!

選考委員の皆さんは朝からバンバン、サーキットに出ていきます。
 

日本カーオブザイヤー▲各社がブースを設けており、ここから試乗車に乗ってコースに出られる
日本カーオブザイヤー▲サーキットへの順路には、試乗車がズラリ

今回「10ベストカー」にノミネートされたモデルの中には、すでに中古車として流通しているモデルもあります。

そこで今回「すぐに買える10ベストカー」の中から3モデルを、カーセンサーでもお馴染みで選考委員でもある松本英雄さんに試乗いただき、インプレッションをもらいました。
 

日本カーオブザイヤー▲自動車テクノロジーライターの松本英雄さんも改めてサーキット試乗

中古車で買える10ベストカー① スバル クロストレック

クロストレック▲モデル名が改められたXVの後継モデル。外観はよりシャープさが際立つデザインに変更された
クロストレック▲インテリアは最新のインターフェイスである、11.6インチマルチインフォメーションディスプレイを搭載

XVの後継モデルにあたるクロストレック。一見すると、XVのコンセプトを引き継いでいるため、大きく進化した印象は薄いかもしれない。実際にサイズ感や燃費など、数値の面で大きく変わっている部分は少ない。

けれども運転すれば、格段に進化した乗り心地に驚くはずだ。初めてプロトタイプに乗った際に「なんだコレは!」と結構な衝撃を受けた。
 

クロストレック

改良されたサスペンションがしなやかに動き、走行時の安定感が大きく向上している。これは、サーキット走行のような特異な状況だから感じられることではない。中低速で市街地を走る際にも、ドライバーの疲労軽減や快適性の向上に大きく影響する。

近年は電子制御によってサスペンションを動かすこともできるが、スバルのすごいところはそれをエンジニアリングによってクリアした点だ。電子制御ではないパーツの磨き上げはハードルが高くなるものの、コストを抑えることができる。WRCをはじめとしたレースの知見が市販車にも生かされている好例である。

クロストレックには4WDと2WD(FF)の設定があるが、オススメはFF仕様。車両重量が軽いため動き出しが軽やかで、ストレスなく運転することができるだろう。
 

 

▼検索条件

スバル クロストレック(初代)

中古車で買える10ベストカー② トヨタ プリウス

プリウス▲スポーツカーのような流麗なボディラインが目を引く5代目プリウス
プリウス▲インテリアのデザインもスポーティ

パッと見たときに、何よりも「カッコいい!」と思える。開発段階からデザインを優先したというとおり、「エコカーの象徴的存在」という殻を打ち破って新しい価値観を提供している点が高く評価できる。

一般的に、Aピラーの角度を寝かせてスポーティに見せると前方の車両感覚がつかみにくくなるが、新型プリウスはダッシュボードやボンネットの位置を低くしているため運転のしやすさも損なわれていない。
 

プリウス

パワートレインはハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)があるが、オススメはPHEVモデルだ。

バッテリー容量が大きいが、それをうまく配置することで前後バランスが良くなり安定した走りを見せてくれる。
 

 

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トヨタ プリウス(5代目)

中古車で買える10ベストカー③ 日産 セレナ(6代目)

セレナ▲通算6代目となるロングセラーモデルのミドルサイズミニバン
セレナ▲前方視界の良さが魅力

ヘッドライトまわりのデザインが大きく変わり、リアもプレーンな印象になったセレナ。実はプラットフォーム、エンジンともに先代と同じものが使われている。

ただ、これは「単に使いまわしている」ということではない。既存のパーツをよく熟知したうえで、最適な改良を行っているのだ。セレナのようなロングセラーモデルだからこそできる手法である。
 

セレナ

例えば、静粛性。ハイブリッドモデルは先代と比べてとても静かだ。エンジンとモーターの組み合わせが最適化されているため、不快になるようなエンジン音がしない。乗車人数が多くなるファミリーカーにとって、重要なポイントである。

また、高めの着座位置をうまく利用して、前方視界を良くしている。これも様々な人が運転するファミリーカーにとって外せないツボだろう。使用シーンやドライバーをよく理解して作られている点に好感が持てる。
 

 

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日産 セレナ(6代目)
文/編集部 今泉翔太、写真/阿部昌也、篠原晃一