きっかけはSNS!? “アンチ”のためにスカイラインの試乗会を日産が開催!
2014/12/24
これまでの常識を打ち破る“アンチ”が集まる試乗会が開催!
FacebookやTwitterなどSNSの普及により、ユーザーは企業への要望などが言いやすくなった。しかし、企業にとっては、ユーザーからのコメントは嬉しい内容ばかりとは限らない。中にはネガティブなコメント(=ネガコメ)が投稿されることも。ネガコメは他のユーザーの目に留まりやすく、やがて「俺も!」と同調する意見が集まり、最終的には炎上、なんていうのは最近ではよくある話だ。
ネガコメは、コアなファンが多いものに集まりやすい。車だと代表的なのは日産 スカイラインだろう。より進化した現行型(V37)だが、その変化した姿を見てファンは「なんでハイブリッドなんだ!」「なぜインフィニティエンブレムが?」「こんなに高いのはスカイラインじゃない!」と日産の公式Facebookにコメントをバンバン書き込んでいる。
普通なら担当者は頭を抱えて沈黙を貫きそうなものだが、日産は意外な行動に出た。「ネガコメを書いている人は新型スカイラインに乗ったことある? まずは乗ってみてよ!」と、日産の公式Facebookで現行スカイラインの“アンチファン”を募って試乗会を開催した。その名も「新型スカイライン乗らず嫌い試乗会byにっちゃん」(にっちゃんとは日産のSNSでのプロジェクト名)。こんなおもしろい話は見過ごせない! 我々も会場に潜入した。
半信半疑で乗ってた結果、ファンの意見は……
会場となった日産の施設「追浜GRANDRIVE」には、8組の“アンチ現行スカイライン”の方々が集まった。日産からはスカイライン開発責任者の長谷川聡氏、スカイラインプロジェクト統括グループ主担の村松友幸氏、そしてスカイラインはもちろんGT-RやフェアレディZの開発にも関わったテストドライバーで、厚生労働省から「現代の名工」にも選ばれた加藤博義氏。なんという、そうそうたる顔ぶれ!
参加者は過去にハコスカやケンメリ、ジャパン、R32、R33などに乗っていた人が多かった。思い入れのある車について言いたいことをメーカーの技術者たちに直接言えるためか、試乗前のオリエンテーションから参加者はアクセル全開。「なぜハイブリッド!?」「ダイレクトアダプティブステアリング(DAS)でスポーティな走りは楽しめるの!?」と、容赦ない質問の雨あられ! それに対して長谷川氏、村松氏、加藤氏の3名は丁寧に返答していく。
そして、加藤氏が「好みもあると思うけれど、まずは乗り比べてみてください」と締めくくり、試乗会がスタート。多くの参加者は開発陣の話を聞いても、まだまだ半信半疑だ。しかし実際にスカイラインに試乗し、搭載された最新技術や0-100km/h走行を体験すると……。
「ハイブリッドでこんなにスポーティな走りが味わえるなんて!」「加速力に驚いた」「ステアリングに不快なバイブレーションが来ないDASはロングドライブでも疲れないかも」と興奮気味! 特に、DASをSTANDARDからSPORTに切り替えたときの激変ぶりには全員が驚いていた。
もちろんすべての参加者が現行スカイラインに肯定的になったわけではない。それでも参加者が漠然と抱いていた「現行型スカイラインは駄目!」というイメージは大きく変化したはず。やはり車は乗ってナンボ。見ているだけでは、良さも悪さもわからない。とはいえ、こんなにも参加者の意見が変わるとは我々も驚きだった。