17万1000人もの観客を集めた今年のF1日本グランプリ。鈴鹿サーキットではF1開催とあわせ様々なイベントが行われたほか、同サーキットならではの様々なアトラクションや施設もにぎわいを見せた。そのなかでもひときわファンの長い行列を作ったのが昨年7月にオープンした「レーシングシアター」だ。

レーシングシアターは、鈴鹿サーキット開場50周年記念事業の目玉として、モータースポーツの持つ「スピード」「迫力」「感動」を楽しく安全に体感できる施設として約10億円もの費用をかけて建設されたもの。

実際に1階のエントランスに入ると、フォーミュラマシンや鈴鹿サーキットで様々なドラマを見せた二輪レーサーが展示され、2階に上がると、往年のドライバー星野一義氏のヘルメットから今年の日本グランプリを制した現役F1ドライバーのセバスチャン・ベッテル選手のヘルメットまで、ドライバー&ライダーのヘルメットが壁一面にずらり。本物を間近にみるとレースへの興味も倍増してくるはずだ。

レーシングシアターのゲートを入ると、まずは鈴鹿サーキットのピットを再現した「ウエイティングガレージ」へ案内される。ピット内にある様々な工具やスペアタイヤの実物が並ぶこの場所から物語はスタートし、来場者は一人のレーシングドライバーとしてチャンピオンを目指す。

「メインシアター」へと進み、幅19mのワイドスクリーンシアターに用意される真っ赤なバケットシートに身を沈めればいよいよレースがスタート。迫力の映像とモーションシートにより実際のレースの迫力がバーチャル体感できる。

レーシングドライバー体験を終えシアターを出ると「ディスカバーモータースポーツ」のコーナーへ。ここではレーシングドライバーに求められる反射神経などの様々な能力を試すことができるアイテムが並ぶ。またレース中に受ける風圧の体験やフォーミュラカーのコックピット乗車体験などもでき、子供から大人まで楽しめる。

そして同施設最後のセクション「レジェンド・オブ・鈴鹿」のコーナーへ。ここでは鈴鹿サーキットでのレース史に刻まれるレーシングカーが展示されている。レーシングドライバーになった気持ちで本物のレーシングマシンを見れば、誰もが興奮を押さえきれなくなるだろう。

F1日本グランプリでモータースポーツの世界に興味を持った人も、遊園地のアトラクションを目当てに鈴鹿サーキットへ足を運んだ人も、ここに来たらぜひ「レーシングシアター」にも立ち寄ってみてほしい。他では決して体験できないことが、ここでできる。

2012年7月に約10億円の費用をかけて作られたレーシングシアター。レース開催日には長い行列ができる人気施設となっている

2012年7月に約10億円の費用をかけて作られたレーシングシアター。レース開催日には長い行列ができる人気施設となっている

レースを走行しているような疑似体験ができるシアター。シーンに応じシートが激しく揺れ、天候が変われば風や雨も吹き付けるというこだわり

レースを走行しているような疑似体験ができるシアター。シーンに応じシートが激しく揺れ、天候が変われば風や雨も吹き付けるというこだわり

ディスカバーモータースポーツのコーナーでは、様々なマシンでレーシングドライバーに求められる体力や判断力などを試すことができる

ディスカバーモータースポーツのコーナーでは、様々なマシンでレーシングドライバーに求められる体力や判断力などを試すことができる

最後のセクションとなるレジェンド・オブ・鈴鹿では往年のレーシングマシンを目の当たりにできる。展示車両は随時入れ替えが行われる

最後のセクションとなるレジェンド・オブ・鈴鹿では往年のレーシングマシンを目の当たりにできる。展示車両は随時入れ替えが行われる