最近の車にはABS(アンチロックブレーキシステム)は当たり前のようについていますが、皆さんは普段の運転でABSを効かせた経験がありますか?
実は東京モーターショーでは、幕張海浜公園Gブロック内にて、セーフティードライブ体験試乗会が毎日開催されています。参加費は無料。ただし南休憩ゾーン西側の配布所で、先着順の試乗券を受け取る必要があります。先に挙げたABSのほかにTCS(トラクション コントロール システム)、ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)という車の安全に関わる3機能を、1周目はOFFに2周目はONに設定し、自ら運転して体験することができます。

コースは石鹸水を撒くことで作られた滑りやすい低μ路。用意された車はトヨタ マークXや日産 スカイラインなどの国産車から、M・ベンツ Cクラス等の輸入車まで計6車種9台。私はその中からFR駆動のBMW 3シリーズを選びました。

セーフティードライブ コース

まずABSです。これは急ブレーキによるタイヤロックを防止する装置。コースに入り直線部分から時速30km/hで低μ路に突入、同乗したアドバイザーの合図で急ブレーキを踏みます。
ABSがONの状態では、OFFの時には無かった「ガガッ、ガガッ」という独特のブレーキからの反動を体感できます。それに伴い制動距離もぐっと縮まりました。これまでABSを効かせたことの無かった自分にとっては、驚きの初体験です。

次はTCS。これは雨の日や雪の降り始めなどの滑りやすい道で、タイヤの空転を防止する装置です。
OFFの状態が左下の写真。左側の後輪だけが空回りし白煙が上がっています。まるでタイヤがバーストしたみたいですよね。このままスリップゾーンを抜けると急にグリップが回復して急加速することになり大変危険。
TCSをON(写真右下)にすると、OFFの時と同じようにアクセルを強く踏んでもタイヤが空回りせず車はゆっくりと低μ路を脱出してくれます。

セーフティードライブ TCS1セーフティードライブ TCS2

最後にESC。これは旋回時の姿勢を安定させる装置です。
私の場合、OFFになっていると低μ路のカーブを曲がりきれず横滑りしてスピンしてしまいました。そこでESCをONにして走ると、安定してスムーズにカーブを曲がることができて驚きます。ちなみにメーカーによりDSC、VSC、VSA、VDCなど様々な呼称があるようです。

セーフティードライブ ESC1セーフティードライブ ESC2
写真は左がONで右がOFFの状態です。ONでは進行方向右に対し車も同じ方向を向いていますが、OFFになると進行方向右に対して手前を向いてしまっています。スピンしてしまったのです。

以上3つの安全デバイスの効果を体感しましたが、普段運転している中でこれらの重要性を認識することはあまりありません。なぜならこれらの機能は、急ブレーキやオーバースピードでのコーナリングといった危険な状況下でしか作動しないためです。
普段、知らず知らずのうちに実は危険な運転をしていたりするものです。大きな事故を経験する前に、この試乗会で安全意識を見直してみるのはいかがでしょう?