日産自動車大学校によるスーパー耐久シリーズ参戦プロジェクトは、11月10日(土)、11日(日)に今シーズンの最終戦を迎えた。今回は九州屈指のサーキットであるオートポリスが戦いの舞台。毎戦、開催地に近い学校の生徒がチームに加わってきたが、今回は愛媛校の学生がメインとなりKONDOレーシングスタッフとともにレースに臨んだ。

国内で開催される最後のレースということもあり、学生たちももう一度優勝したいという強い気持ちを持っていた。9日金曜日のフリー走行では、日産自動車大学校のGT-Rはトップタイムをマーク、関係者全員が期待に胸を膨らませ10日土曜日の予選を迎えた。

しかし、予選開始直後、藤井誠暢選手がドライブするGT-Rがマシントラブルに見舞われ無念のコースアウト。マシンは左前足回りを大きく損傷し、予選から離脱せざるおえない状況に。積載車に載せられピットに戻ったマシンの姿は痛々しく、学生たちの表情からは笑顔が消えた。しかしチームはあきらめることなく修復を決断。チーム全員で夜遅くまで懸命に作業を行った。

11日の決勝当日、オートポリスは朝から深い霧に覆われた。午前中に開催予定だった併催レースはキャンセルされ、スーパー耐久決勝も開催が危ぶまれる展開に。レース主催者は、ぎりぎりまで決勝スタート時間を遅らせ、レース時間を3時間から2時間に短縮、セーフティカー先導によってようやく決勝レースはスタートした。

予選を離脱した日産自動車大学校のGT-Rは最後尾からのスタートとなったが、前日の懸命な修復作業により息を吹き返し、深い霧と激しい雨でライバルたちが次々とピットインするなか着実に周回を重ねる。一時はトップにまで浮上し、その走りに学生たちも興奮を隠せない様子。しかし幾度となくセーフティカーが入るレース展開のなか、日産自動車大学校GT-Rが3番手を走行中についに赤旗が出されレースは中断、そのまま今回のレースは終了となった。

決勝レースへの参加も危ぶまれた予選でのアクシデントから、チーム一丸となっての懸命な修復、そして粘り強く走り続けた結果の最終戦3位表彰台。広報を担当した学生は「何が起こるかわからない状況でもあきらめないことや、チームで協力する事の大切さを学びました。来年に向けての準備を進め、また万全の状態で望みたい」とコメント。アクシデントを全員で乗り越えた経験が、より大きな感動を残した最終戦となった。

※カーセンサーS耐プロジェクトについて
若者の車離れを食い止めたい、そんな思いからKONDOレーシングを率いる近藤真彦監督と国家整備士を育成する日産自動車大学校のコラボレーションが実現し、学生たちによるスーパー耐久シリーズ参戦が始まった。このプロジェクトに賛同するカーセンサーは、今シーズン彼らのレース活動をサポートしている。

深い霧が立ちこめたオートポリスでの決勝レース。前日の懸命な修復により一時トップを走行

深い霧が立ちこめたオートポリスでの決勝レース。前日の懸命な修復により一時トップを走行

予選開始直後にマシントラブルによりコースアウト。左前足回りに大きなダメージを追うことに

予選開始直後にマシントラブルによりコースアウト。左前足回りに大きなダメージを追うことに

大会前に学校間で引き継ぎも行われ、初参加の愛媛校の学生たちも手際よく作業を進める"

大会前に学校間で引き継ぎも行われ、初参加の愛媛校の学生たちも手際よく作業を進める