スズキ ハスラー

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

自然派ライフスタイルを支える小さな働き者

湘南エリアに住むChicoさんはキャリア14年を誇るヨガインストラクターだ。これまでに指導したお客さまの数は何と2万人以上にも上る。

地元の他に少し離れた町のヨガスタジオでもレッスンを行っており、ほぼ毎日、愛車ハスラーを運転して通っているという。走行距離は新車購入から5年目で約10万kmにも及ぶ。

「丸いライトのお顔がかわいいですよね。燃費が良く、荷室が広くて実用的なのにスタイルに遊び心のあるところが気に入ってます」

ハスラーの前に乗っていたホンダ CR-Vは取り回しと燃費にやや不満があったため、次に買い替えるときは軽自動車と決めていたという。

趣味のサーフィンなど、アクティブなシーンにも似合う軽自動車という条件で探したところ、当時発表されたばかりの現行型ジムニーとハスラーが候補に挙がった。

しかし、前者は納車までに時間がかかることから断念し、最終的にアイボリー色のハスラーを選択したという。「正直に言うとジムニーにはいまだに未練があります(笑)」とChicoさん。

スズキ ハスラー ▲運転中の姿勢もとてもきれいなChicoさん。実は背中にヨガボールを挟み、背筋がピンと伸びるように意識している
スズキ ハスラー

ヨガを始めたきっかけは、30歳で原因不明の不整脈を発症したことだったという。通院や薬を飲んでも一向に快復せず、しばらく体調の優れない日々が続いたためヨガを試したところ半年ほどで体調が劇的に改善したのだ。

歪んだ姿勢や骨格を正し、心身のバランスを整えるヨガの計り知れない効能を体感したことでがぜん興味が深まり、指導者としての道を歩むことを決意したという。

現在は、ヨガに加えて瞑想や、ハーブを使った食事療法、オイルマッサージなどを生活に組み入れて心身の健康を保つ南インド・スリランカ発祥の伝統医学「アーユルヴェーダ」の講師としても活躍する。

背筋の伸びた美しい姿勢に、よく通る聞き取りやすい声。明るい笑顔……Chicoさんの存在そのものが大きな説得力である。

スズキ ハスラー

海岸でヨガのポーズをとってもらった。片足を後ろに引き、両腕を頭上に伸ばす「英雄」と呼ばれるヨガの基本的なポーズだという。長い手足も相まって、何とも力強く伸びやかだ。普段もこうしてビーチヨガのレッスンをすることもあるそう。

「スタジオで行うヨガは集中して自身の内面を見つめる感じですが、野外で行うヨガの醍醐味はそれとは対照的です。思いっきりリラックスして呼吸することで、自分が太陽や空、大地、海といった自然の一部になっていくような感覚になれて気持ちがいいですよ」

スズキ ハスラー

ハスラーの屋根に装着されたキャリアは趣味のサーフィン用だ。ここにサーフボードを2枚載せ、仲の良い女友達と良い波を求めて伊豆や千葉といった遠方に遠征することもあるという。

軽トールワゴンより屋根が低く、板の載せ降ろしがしやすいところも愛車のお気に入りポイント。そんなライフスタイルを聞いた後は、ボディに浮いた無数の点サビさえも何だかとてもカッコ良く見える。

サーフィン歴は7年。「永遠の初心者です」と謙遜するが、自然とのつながりを強く感じられるという意味においてサーフィンとヨガには共通の魅力があるそう。

一度海に出てしまうと我を忘れて夢中になってしまうため、仕事に影響がでないよう自制しつつ楽しむようにしている。

スズキ ハスラー ▲「潮風に当たってサビちゃったんです(笑)」と話すが、むしろ湘南の車らしくオシャレにさえ見える

「じつは最近、もっと快適にサーフトリップへ行けるよう新車のハイエースを注文してしまいました。納車されたら車中泊キットを組み込み、いつか日本屈指のサーフスポットである宮崎まで遠征したいですね」

ハスラーとハイエース。Chicoさんの2台の愛車は、自然とともに暮らす生き方を支えてくれる大事なパートナーなのだ。

スズキ ハスラー
文/佐藤旅宇、写真/柳田由人
スズキ ハスラー

Chicoさんのマイカーレビュー

スズキ ハスラー(初代)

●購入金額/230万円(新車)
●年間走行距離/約20,000km
●マイカーの好きなところ/とにかく丸目の顔がかわいい! コンパクトなのに多機能で、頼りがいがある
●マイカーの愛すべきダメなところ/背が高くフロントの窓が立っているので、一番前で信号待ちしていると見えにくいときがある……
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/どんな人でも受け入れてくれる車だと思いますが、ヨガやサーフィンなどが趣味の人には特にオススメです!

佐藤旅宇

ライター

佐藤旅宇

オートバイ専門誌と自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はボルボ C30と日産 ラルゴの他、バイク(トライアンフ)とたくさんの自転車。