グランジの遠山大輔とジープ コマンダー

人生初の愛車を手に入れたお笑いトリオ「グランジ」の遠山大輔さんと、車選びの相談に乗っていたカーセンサー編集長・西村の対談、後編! 前編では、紆余曲折の末にジープ コマンダーを購入したお話で盛り上がった。

後編では、念願のマイカーを所有して、生活がどう変わったのかに迫る……はずだったが、遠山さんのカーライフはのっけから波乱万丈! 山あり谷ありな、車がある暮らしについて教えてもらった。


遠山大輔

グランジ

遠山大輔

1979年生まれ。北海道出身。お笑いトリオ「グランジ」のメンバー。人気ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM/JFN系列)では2020年3月まで10年間出演し続け、「とーやま校長」としてリスナーに親しまれていた。現在は姉妹番組「SCHOOL OF LOCK! 教育委員会」(同局)にて「とーやま委員」として出演している

納車後2日連続で…… !?

ジープ コマンダーのロゴ


西村 2021年10月に納車されたそうですが、その後はいかがでしょう? 確か「納車日に車を擦った」とラジオで仰られていましたが……。

遠山 正確に言うと、納車日から2日連続で擦りまして……(涙)。

西村 えぇ~! 店頭納車ですよね? その日に擦ったんですか?

遠山 はい。納車日は仕事でお世話になっている作家さんと、後輩と後輩の奥さん4人で車を取りにいったんです。そのお礼にご飯を食べに行ったんですが、その道中からトラブルの連続でした。ハザードランプのスイッチがどこにあるか分からなかったり、知らず知らずレバーをいじってライトが駐車中もつけっぱなしになったり……。まさに、珍道中でした。

西村 買った直後は、車の操作って分からなかったりしますよね。

遠山 食事後に後輩は帰ったのですが、駐車場に入る道が細かったので、念のため作家さんについてきてもらったんです。一応、1人で入庫のシミュレーションはしてたんですよ。こういう道で……ここを左に曲がって……まっすぐ進んで……そしたら止められると。それで1本目の小道に入った瞬間から、車のセンサーがずっとピピピピって!

西村 かなり狭い道だったんですね。

遠山 常に危ないですよって言われながら、やっと最後の小道に入ったらピーって鳴った。「心電図だったら死んでるよね」って思いつつも、なんとか止めるには止められたんですよ。ただ、毎回ここを通過しないといけないと思うと不安だし、車を出す練習もしたかった。だから一度車を出して、もう一回駐車してみることにしたんです。

西村 なるほど。
 

ジープ コマンダー


遠山 2回目のチャレンジだけど、気を抜かず何回も切り替えしながら進んだんです。そしたら突然ギーッて! 「なんですか、今のギーは? 僕がギーッて言ったんだっけ?」って、しばらく現実逃避していたら、作家さんが「あぁ!」って叫んで、我に返りました。

西村 うわぁ~。

遠山 2つの意味で凹みました。ただ、こんなこともあるかと気持ちを切り替えました。同期の平成ノブシコブシ・吉村が、免許を取って初めて買った車をすぐ擦ったみたいなこと言ってて、当時は「そんなわけあるかい!」と思っていたのですが、「吉村、あの時はゴメン」って心の中で謝っておきました。

西村 でも翌日も……。

遠山 そうですよ。初日は右に行って擦ったので、左の道にチャレンジしたんです。そうしたらすんなり左折はできたのですが、その突き当りが90度の道で。そこにはちょうどよく電柱が立っていて、よく見ると側面がキズだらけだったんです。「死亡宣告されているもんじゃん!」って思っていたら、そこは一発で行けたんですよ! で、ここで思ったんです、もう一回だけ練習したいなって。

西村 前日を思い返すと怖い展開ですね。

遠山 ここが僕のダメなとこなんでしょうね。きちんと戻れたのですが、問題の90度コーナーで何回か切り返しているうちに、またギーーッて!! 「俺が言いました、ギーッて? あれ、昨日と同じくだりだなぁ」って思っていたら、完全に電柱と挟まってしまい、脱出不能になったんです。結局JAFに救出してもらったのですが、JAFの方も「ここを右に曲がるのは、なかなか大変ですよ」と助言くださり、その瞬間に駐車場の解約を決めました。

西村 めちゃくちゃ大変でしたね。

遠山 ただ、トラブルはそれで終わりじゃなかったんです! その駐車場には怖くて止められないし、当然代わりの駐車場も見つかっていない。だから、家の近くのコインパーキングに止めていたら、だいたい半日で5000円かかったんです!

西村 高い! 打ち止めの駐車場じゃなかったんですね。

遠山 僕も驚きました。「このままだと破産してしまう」と思い、この機会に前から興味のあった車中泊をしてみるのもいいなと思ったんです。で、まずは試しに何時間か車内で過ごしてみようと、エンジンを切ってテレビを見ていたら、ウトウトしてしまい……気がついたら夜になっていた。びっくりして帰ろうと思いエンジンをかけたら…… バッテリーが上がっていたんです。結局、2日連続でJAFさんにお世話になりました(涙)。
 

車を買ったメリットは常に噛み締めている

熱く語る編集長の西村


西村 車を買っていきなりトラブル続きでしたが、嫌にならなかったんですか?

遠山 正直、最初は少し嫌になりましたね(笑)。でも、何事も失敗しながら少しずつ学んでいくものだと思いますし、渋滞時以外は運転も快適。すっかり“小道恐怖症”にはなりましたが、そこは小道に入らないようにしています。

西村 コマンダーは車体がデカいので、狭い道を通り抜けるのにどうしたって苦労しますよね。では、車を購入するメリットはどこにあると感じましたか?

遠山 運転しているときは常にメリットを感じているかもしれません。今まではカーシェアリングだったので「返さなければいけない」と、どこかで少し引け目を感じていました。でも、今はそれをまったく感じない。「自分の車があること」が普通になったのが、買って良かったことだと思います。

西村 車に乗って座席やミラーのポジションがすでにセットしてあったりと、マイカーはホーム感ありますよね。

遠山 そうですね! あと、車を買ってから車で出かける回数が増えました。「SCHOOL OF LOCK!」を卒業してから1年半以上が経ちますが、放送時間の22時に家にいることにまだ慣れていないんですよ。だからTOKYO FMをつけて「SCHOOL OF LOCK!」を聴きながら、車で外出してしまいす。

西村 車で、どこに行くんですか?
 

熱く語る遠山さん


遠山 特にアテはないんですよ。お台場や有明へ行ったり、調布の方へひたすら走ったりしています。やることがないので、この間はTwitterに「車中飯に今ハマっています! 荻窪のコンビニで買った回鍋肉丼は最高ですわ」ってボケで投稿したんです。「コンビニはどこでも一緒だろ」ってツッコミを期待していたら「車中飯って最高ですよね!」と予想外の返信が来て、ドキマギしました(笑)。

西村 ボケというか皆いいねってなったんでしょうね(笑)。多分、シチュエーションが変わるということに、世の中はポジティブに捉えているのかも。例えば「登山で食うカップラーメンって美味いよね」という感覚だと思います。

遠山 そういうふうに捉えられていたのか!

西村 それは、たぶん車にポジティブな人たちの反応だと思うんですよね。車を持っていれば電車に乗って行くほどでもない日常的な場所に気軽に行けるし、ラフな格好で出かけられる。だからお出かけの機会が増えるし、わざわざ別の街のコンビニまで足を延ばす。家の近くのいつもの店舗にないアイスを見つけてワクワクするとか。ただ移動ができること以外に価値を感じている人が多いのではないでしょうか。

遠山 それ心当たりがあります! 札幌の実家に住んでいたとき、歩いて7~8分のところのケンタッキーフライドチキンがあるのに、親父はわざわざ車で30分以上の店舗に買いに行っていたんです。なぜなのか聞いたら「ここのチキンが一番うまいんだよ」って。子供ながらに「チェーン店だから味は一緒じゃないの?」と思っていましたが、家族と一緒に車で買いに行くということが父親の中で加味されていたのかもしれませんね。

西村 それは、あると思います。僕も息子とわざわざ辰巳のパーキングエリアにあるセブンティーンアイスを食いに行きます。アイスの自販機なんて他にもあるんだけど、車で行ってそこで買うっていうのが息子にとっては格別に楽しくて美味しいことなんです。

遠山 良い家族だなぁ。思い返せば、僕がマクドナルドのシェイクが好きなのも、家族とのドライブでよく買ってもらっていたからかも。小さい頃の車体験って、その人の好みや価値観に大きな影響を与えるのかもしれませんね。
 

今のモチベーションは北海道一周とラジオ局への挨拶回り

車内で語る遠山さんと編集長の西村


西村 そういえば車を買って、今後したいことってありますか?

遠山 北海道を一周したいです! 2~3週間くらい休みをとってフェリーで愛車を運んで道内を走るのが目標なんです。地元の札幌に高校3年生まで18年間住みましたが、当時は学生で財力もないし、自分の行ける範囲にしか行ったことがなかった。だから、例えば釧路や函館、稚内などを車で回りたいんです。

西村 今、世の中的にもバンライフ的な空気感がブームですからね。特にコロナ禍で『ショッピングモールで遊べないし、家族で遊ぶにしても外、できれば自然が良いよね!』というムーブメントがあるんです。キャンピングカーショーでも最近では普段も使えて車中泊もできる車が人気。「カートラベル」という車で旅する文化も浸透してきて、すごく盛り上がっていますよ。
 

コマンダーに積まれたアウトドアグッズ


遠山 僕も北海道を回るには車中泊だなと思っているんです。購入したコマンダーは2列目3列目列を倒してフルフラットになる。YouTubeを見ながら「そのまま寝ると寒いから下にマット敷くのね。じゃぁ買いに行けばいいんですね!」と、まさに勉強中。アウトドアショップやAmazonで、マットと寝袋を買ってすでに車に積んでいます。

西村 車中泊ならテントの片付けも必要ないし、疲れたら宿に泊まれば良い。それでいて節約もできる“スナフキン”的なノリが受けています。

遠山 僕もそれをやりたい気持ちでいっぱいです! 北海道の冬は積雪がすごいのですぐには難しいですが……。だから今は北海道一周をモチベーションに日々、頑張っています。あ、あと「SCHOOL OF LOCK!」でお世話になったTOKYO FM以外の37局を車で挨拶回りしたい! あわよくば、アポ無しで行って「とーやま校長じゃないですか! せっかくなんで出てくださいよ」という感じで生放送にも出たい。そうしたら「明日は別の局に行ってきます」と言って、TOKYO FM系列のリレーをしたいです。これもいつかの野望です!

西村 それ、今ここで言っちゃって大丈夫ですか(笑)?

遠山 問題ないです! 言わないで行くので、皆さんよろしくお願いします(笑)!

文/綱島剛(DOCUMENT)、写真/篠原晃一
撮影協力/Ocean's Camp TORAMII(〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮100-1 ※詳細は関連リンクのHPより)