俳優・東出昌大が映画『OVER DRIVE』出演でクルマ好きに!?
2018/05/31
ラリーに生きる兄弟を描いた映画『OVER DRIVE』が6月1日(金)に公開される。天才ドライバー・檜山直純の兄であるエンジニア兼メカニック、檜山篤洋を演じるのは、映画やドラマに引く手あまたの俳優・東出昌大さんだ。もともと「クルマにあまり興味がなかった」という東出さんだが、本作を通じてラリーレースに惹き込まれていったという。
そこで東出さんにラリーの魅力についてインタビュー。さらに、クルマに関するプライベートでの思い出を語ってもらった。
映画を通して見えてきたラリーの面白さに感銘
映画は、世界最高峰のラリー競技・WRCの登竜門である国内トップカテゴリー・SCRSを舞台に、スピカレーシングファクトリーがライバルチームと熾烈な優勝争いを繰り広げる。スピカのチーフメカニック・檜山篤洋を演じた東出さんだが、撮影開始前はラリーについてまったく知らなかった。
「もともとはクルマに興味がなくて、ラリーもぜんぜん知らなくて……。ラリーカーのセッティングも、最初は車検みたいなものだと思っていました。でも、実際はまったく違った。パーツどころか、ネジ一個を締め忘れただけで、ドライバーの命が危険にさらされるものなんだと知りました」
役を知ることは、メカニックについて知ること。クランクインの前に、東出さんたちが扮するメカニックチームはスタジオに集められ、実際にラリーで走っていたクルマを使った整備の特訓も行った。
整備特訓の期間はおよそ2週間。実際のラリーレースと同様に時間制限を設け、何度も整備を繰り返す。本物のメカニックから指導を受け、知識と技術を蓄える。それは、映画にリアリティをもたらすために必要なことだった。
「例えば、運転席で整備をする必要があるとき、メカニックは席にお尻をつけません。ドライバーの座るシートを汚さないというのもありますし、シートに座ってしまうと瞬時の動きができないからなんです。クルマがどういうパーツでできていて、どんな体勢でいないといけないか。そういうメカニックの大前提を学んで、本番に臨みました」
メガホンを握ったのは『海猿』『暗殺教室』などを手がけてきた羽住英一郎監督。映画界でも屈指の“ラリーバカ”と知られており、その熱に東出さんも大きく影響された。クランクアップ後には、監督とフランスのコルシカ島へWRCを見に行ったという。
「人間が運転しているとは思えなかったですね! 四国の山の中みたいなうねり道をフルスロットルで走り抜ける。クルマはヤリス(日本名はヴィッツ)のボディなのですが、完全に別物。あんな性能のクルマを目の当たりにしたのは初めてですし、ドライバーの運転も人間わざではなかったです!」
興奮した様子で、レースを振り返る東出さん。映画でも表現された、ラリーカーの疾走感やダイナミズムには血湧き肉躍るものがあったと語る。
そして撮影が終わったあと、クルマに興味がなかった東出さんにちょっとした変化があった。
「クランクイン前は監督のこと、『この人、やべぇな』と思っていました(笑)。でも、今は監督とクルマについて和気あいあいと語り合える。……ちょっと妙な気持になりました(笑)」
プライベートでも、クルマに対する意識が変わってきた
監督と語り合えるほどの知識を身に着けた東出さんだが、さらにクルマに対する意識にも変化があった。
「安全のことを考えるのは大前提なんですけど、クルマというのは命と直結しているんだなって。撮影中はずっとそのことを考えていたし、今後も運転するからには考え続けないといけないと思います」
もともと安全運転だったが、その意識はさらに高まった。仕事へ行くときなど、日常的に運転はするが、普段の生活で“攻めた走り”をする気はまったく起きないという。
「性格的にメカニック寄りなんでしょうね(笑)。クルマの映画に携わって、ドライバーの方々に対して『すごい!』という尊敬の念を抱くようになりましたが、僕は飛ばしたり攻めたりすることは一生ないだろうなと確信しましたね」
では、そもそも東出さんは私生活では、どのようにクルマと付き合ってきたのか? 彼が免許を取得したのは、今から6年半前。23歳のとき。「なんでもないドライブが楽しかった」と思い出深げに語る。
「免許取りたてのときに、実家のクルマで友達と回転寿司を食べに行ったんです。その後、バッティングセンターに行って……。どこというわけではなく、地元の道を走って最後は隣の市まで行ったのかな。で、最後に渋滞にハマって(笑)。なぜだか、すごく楽しくかったのを覚えています」
クルマはあくまで日常の足として。それが東出さんのスタンスだが、実は最近ちょっと気になるクルマがあるという。
それは、なんと大型のバン。趣味のアウトドアに活かせるクルマを買おうかどうか悩んでいると明かしてくれた。
「今、日常使いしているクルマ以外に、もう1台、レジャー用のクルマが欲しいんです。釣りやキャンプが好きなので、家族で海や川に行くためのクルマを検討中です。荷物を載せたいのでボディが大きい方が良いのですが、家の前の道が狭く……。うーん、どうしましょうかね(笑)」
そう言う東出さんは、趣味のためのクルマということも相まって、とても楽しげだ。その姿を見て「映画の撮影を通じて、クルマ自体に興味を持つようになった」という言葉が重みを増す。
東出さんのような、もともとクルマに興味がなかった人の意識を変えてしまうほどの熱量を持つ映画。演者すら魅入する、劇中に込められたラリーレースの魅力に触れてみたくなる。
今回の話に出てきたクルマは?
劇中でスピカレーシングファクトリーが使用していたマシンはトヨタ ヴィッツです。ライバルのシグマレーシングチームが乗っていたのがシトロエン DS3です。また僕が購入を考えているクルマは大型の1ボックス。その代表といえばトヨタ ハイエースと日産 NV200バネットなど。このタイプは荷物がたっぷり詰めるので、趣味のアウトドアにピッタリです。
PROFILE
東出昌大:俳優。1988年2月1日生まれ。高校生の頃に、第19回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得。2012年には映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。以降、様々なドラマや映画で活躍。現在は、フジテレビ系のドラマ『コンフィデンスマンJP』(月曜夜9時~)に出演中。
INFORMATION
映画『OVER DRIVE』: WRCの登竜門であるSCRS。スピカレーシングファクトリーはライバルチームと熾烈な優勝争いを演じていた。しかし、スピカ所属のドライバー、檜山直純とメカニックの兄・檜山篤洋はラウンドごとに衝突。いつしか、チームは険悪なムードに。そんなある日、直純の新しいマネジメント担当として遠藤ひかるがやってきって……。監督は羽住英一郎。出演は東出昌大、新田真剣佑、森川 葵など。2018年6月1日(金)に公開予定。紹介はこちらから。
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