メルセデス・ベンツ日本が、メルセデス・ベンツやスマートの新車に、レスキュー隊員向けの車両情報(救助カード)を閲覧するための「レスキューQRコード」を貼付する。

これはメルセデス・ベンツの製造元であるダイムラー社が自動車メーカーとして初めて導入するもので、乗員の救助に必要な情報を早く正確に提供することで、乗員の安全かつ迅速な救助活動に役立てられるというものだ。

QRコードは、給油口フラップの裏側と、給油口の反対側のドアを開けたボディ側の2カ所に貼付され、カメラ付スマホなどで読み取ると、その車種の「救助カード」に直接アクセスすることができる。

救助カードには、レスキュー隊員向けに車体を切断する際に注意が必要なエアバッグやバッテリーなどの位置が記載されており、隊員自らが車種を特定する必要がなくなるため、救助作業開始までの時間が短縮されるほか、車種間違えによって引き起こされる二次災害のリスクも低減される。

ちなみに2014年4月30日まで1990年以降に生産された主要車両を対象に、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店にて、無償でQRコードの貼り付けを行う「レトロフィットキャンペーン」を実施している。

こういった安全に対する試みは、一社だけでなく自動車メーカー全体で取り組みべき事案。ダイムラー社は、この仕組みが他社にも広く浸透することを願い、特許申請を見送っている。

燃費やコストを重視するのも大切だが、車である以上、もっとも重要なのは“安全性”であることは間違いない。今後は国産輸入問わず、こういった安全につながる取り組みを全メーカーで共有できるとよいだろう。

QRコードは、給油口フラップ裏側と、反対側ボディの2カ所に貼られる。車外から確認しやすく、激しい損傷を受ける可能性が低いところを選択

QRコードは、給油口フラップ裏側と、反対側ボディの2カ所に貼られる。車外から確認しやすく、激しい損傷を受ける可能性が低いところを選択

給油口とは反対側のボディにも貼付され、どちらかが損傷してももう片側のQRコードを読み込むことができるため、乗員の救助を迅速に行える

給油口とは反対側のボディにも貼付され、どちらかが損傷してももう片側のQRコードを読み込むことができるため、乗員の救助を迅速に行える